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東京電力:
Q.津波に対して発電所は大丈夫ですか?
原子力発電所の津波評価においては、「安全設計審査指針」,「原子力発電所の津波評価技術(土木学会)」の考えに基づき、敷地周辺で過去に発生した津波はもとより、過去最大の津波を上回る、地震学的に想定される最大級の津波を数値シミュレーション解析により評価し、重要施設の安全性を確認しています。
具体的には、数値シミュレーション解析により求まった津波の最高水位に満潮時の水位を加えた水位においても、重要な施設の運転に支障のないこと、また、津波の最低水位から干潮時の水位を差し引いた水位においても原子炉の冷却に支障のないことを確認しています。
東京電力20100723福島第一原子力発電所3号機の耐震安全性,高経年化対策,長期保管MOX燃料の健全性について
東京電力20100707福島第一・福島第二原子力発電所と柏崎刈羽原子力発電所における耐震安全性評価の相違について
原子力安全・保安院:
Q.老朽化した発電所の安全性は大丈夫ですか?
私どもの発行した「原子力発電所の高経年化対策について(20090228)」の4頁をご覧下さい。「老朽化」とは「時間が経過して、その物が役に立たなくなった状態」をいいます。鹿島神宮拝殿は築390年の建造物ですが、美しいですね。これは、老朽化とは言いませんね。私どもは実態にそぐわない「老朽化」という言葉は使わず「高経年化」という言葉を使います。「高経年化」とは時間の経過を示すもので、その物が役に立たなくなったかどうかを示すことばではないのです。
でも、原発の技術は半世紀にも満たないでしょう? 築40年の福島第一原発は、日本の原発黎明期の建造物でしょう? 最新の安全対策を構造的に組み込みきれていないのではないですか。その、言ってみれば、未熟な原発に何故、昨年からMOX燃料を使い始めた(3号機) のですか?
もう一度申し上げますが、老朽化と高経年化とは違うのです。もちろん最新の技術を導入していますから、事故は起こりえないのです。(キッパリ・・・)
以上は、私(笠井)の創作したコントです。念のため、、、
原子力安全・保安院200907福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所の耐震安全性について
原子力損害賠償法:
第3条 原子炉の運転等の際、当該原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるときは、この限りでない。
第16条 政府は、原子力損害が生じた場合において、原子力事業者(外国原子力船に係る原子力事業者を除く。)が第3条の規定により損害を賠償する責めに任ずべき額が賠償措置額をこえ、かつ、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、原子力事業者に対し、原子力事業者が損害を賠償するために必要な援助を行なうものとする。
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ガイガーカウンター相談室Q&A
生命体への影響について
原子力工学や原子物理学の専門家だけでなく、素人も回答していますので、思い違いや誤解があっても、お咎め無し、というルールを守って下さい。只今、素朴な質問や、分かりやすい回答を求めています。メールにてご連絡下さい。回答済みのものでも、より分かりやすい解説の仕方がある方、是非、躊躇せずにメール下さい。アップします。敬称は略します。

ガイガーカウンター相談室 SHOP 放射線マメ知識 会社が石巻市なので、連絡できません
放射線の単位・シーベルト(Sv)の意味がよくわかりません。
シーベルトとは、放射線が人体に及ぼす影響を含めた線量です。単位としては、シーベルト単独よりその1,000分の1を意味するミリシーベルト(mSv)、100万分の1を意味するマイクロシーベルト(μSv)が通常よく使われます。
※1ミリシーベルト(mSv)=1000マイクロシーベルト(μSv)
放射線検知器では、1時間あたりの線量で表されており、1年間当たりの線量では表されていません。なぜですか?
私たちが日常浴びている放射線の量を表す場合、"1年間あたりどれくらいか"で表すことが多いようです。これは放射線の人体や環境への影響を考える時に便利なためです。しかしながら、私たちは実際に1年間同じ場所にいることはないので(厳密には、同じ場所でも年間を通して放射線の強さが全く同じわけではありません)、一般に放射線測定では、その場所の放射線の強さを短時間で測る測定器にとって、年間の放射線量で表示することは余り適当ではありません。このため、一般に用いられている放射線測定器(サーベイメータ等)は、1時間当りの線量、すなわち、マイクロシーベルト毎時(μSv/h)またはミリシーベルト毎時(mSv/h)で表示されているのです。測定値を年間の値に換算するためには、[1年間の放射線量]=[測定値]×[8760時間(24時間×365日)]となります。
私たちは、年間どれだけの自然放射線を受けているのですか?
大地や食物の中には、昔からラジウムやカリウムなどの天然の放射性物質があり、それから絶えず放射線が出ています。また宇宙から地上に降りそそぐ放射線もあります。この自然放射線は、世界平均で、1年間に2.4ミリシーベルト/(1人あたり)となっております(内訳:大地から0.46,食物から0.24,宇宙から0.38,空気中のラドンから1.3)この数値は、地質が地域によって異なるために、地域により差があります。日本人の場合は最近の原子力安全研究協会の調査では一年間で1.5ミリシーベルトと報告されています。ちなみにブラジルのガラパリ市街地では10ミリシーベルト(年間)ほどあります。
医療ではどのくらい放射線を浴びるものでしょう?
私たちは自然放射線以外に、医療のために放射線を受けることがあります。例えば、胸部のエックス線コンピュータ断層撮影検査では約6.9ミリシーベルト、胃のエックス線検診1回で約0.6ミリシーベルトで、平均すると日本では年間2ミリシーベルト程度の「医療被ばく」を受けています。
放射線が人体へ影響するのはどのような形ですか?
放射線の人体への影響は下記3つに大別されます。
X線、ガンマ線、中性子線は、身体組織全体に影響を与えますが、ベータ線は、透過力が小さいため、皮膚及び眼球への影響が主となります。
どの程度の放射線を浴びると死亡しますか?
受ける量に応じて必ず起こる影響(確定的影響)について述べますと、1000ミリシーベルトの放射線を全身に一度に受けた場合、吐き気や倦怠感が出てきます。3000ミリシーベルトの放射線を全身に一度に受けた場合、約半数の人が死亡。7000ミリシーベルトの放射線を全身に一度に受けた場合、すべての人が死亡すると言われています。部分的な被爆の場合、3000ミリシーベルトで毛が抜け、5000ミリシーベルトで皮膚に赤い斑点できます。受ける量が多ければ発生する確率が高くなる影響(確率的影響)について述べますと、200ミリシーベルト以上で放射線を受ける量が増えるとガンにかかり易くなることがわかっております。
※200ミリシーベルト以下ですと、データに傾向が見られず、自然に発生するガンとは見分けがつきません。
放射線はどれくらいまで浴びて大丈夫ですか?
相対的な安全を目標とし比較的安全の確保を保証する線量として、国際放射線防護委員会(ICRP.1977年・1990年勧告)は、放射線被爆による線量限度と言われる線量の上限値を定めています。放射線を取り扱う職業人で5年間で100ミリシーベルト(年間平均で20ミリシーベルト、さらにどの1年についても50ミリシーベルトを越えてはならない)一般の人で年間1ミリシーベルトまでとされています。なお、この線量限度には、自然放射線による被ばくと医療行為による被ばくは含まれていません。
チェルノブィリ事故、JCOの事故では住民はどのくらい被ばくしたのですか? 広島・長崎の原爆は、どのくらいの線量だったのですか?
チェルノブイリ:住民の放射線量は放射線測定器を用いた測定結果などに基づき評価されており、主に30km圏内から避難した住民(11.6万人)が受けた放射線の量は、平均約33mSv(外部被ばく20mSv、内部被ばく13mSv)でした。
JCO:JCO施設周辺に住んでいる大部分の方が受けた放射線の量は、1ミリシーベルト未満でした。最大の方でも21ミリシーベルトと評価されています。
広島原爆の場合、その線量は爆心から500mの地点で約95シーベルト、2kmの地点で約0.07シーベルトと推定されています。
放射線の単位には、様々あるようですが何が違うのでしょうか?
大きく、照射線量・吸収線量・線量当量の3つがございます。照射線量は、C/kg(クーロン)で表し、放射線がどれだけ当たったかを示します。吸収線量は、Gy(グレイ)で表し、放射線がどれだけ吸収されたかを示します。線量当量は、Sv(シーベルト)で表し、人体にごれだけ影響があるかを示します。吸収線量に、放射線の種類、エネルギーなどによる影響の大きさを補正して求めます。ガンマ線、ベータ線の場合は、1Gyは1Svと考えて差し支えありませんが、 アルファ線の場合は人体に与える影響が大きく同じ1Gyでも20Svになります。総じて、 雨がふっている状況で例えますと、どのくらい降ったかが、照射線量。どのくらい濡れたかが、吸収線量。人体にどのくらい影響があるかが、線量当量、となります。ちなみに、Bq(ベクレル)は、放射性物質の放射能の強さを示します。

生命体への影響について

山邉悠喜子2011031718>新聞に通常数値の10倍だが健康に影響がない。とありますが、どうして影響がないのですか? 本当に影響がないのですか? 以前、菊地洋一という方の「低線量被爆の危険性について」というお話を聞いたのですが、随分報道とは違います。全く無知ですからすみませんが、教えて下さい。

諸留能興20110703政府や自治体の安全基準値盲信は危険!>放射線濃度の測定は、素人が思うほど簡単でない。一口に「放射線」と言っても、(1)アルファ線、(2)ベータ線、(3)ガンマ線、(4)中性子線の4種類の放射線がある。フクシマ原発事故以降、よく見かけるようになった、小型の放射線計測機は、低濃度のベーター線を測定するだけのものがほとんどです。政府や自治体の設置してる、いわゆるモニタリングポストで計測できる放射線は、貫通力が高い(3)のガンマ線だけ。
(1)のアルファー線や(4)の中性子線などの計測は、非常に難しいのです。また測定器のメーカーによっても、精度も場によっても、大きく数値が違ってくることも、珍しくありません。数値にもバラツキがあります。従って、いかなる測定方法を使い、どんな測定場所で計ったのか、どういう種類の計測器を使ったの・・等などは、マスコミでも、全く明らかにされていません。計測器の放射線感知の性能も明らかにせず、その計測機によって計測される放射線が、上記(1)~(4)いづれの放射線なのかも、全く明らかにしないまま、ただ数値報道だけが「一人歩き」し、「この程度の数値だから安全である」といった類の、お粗末な(というより恐ろしい、無責任な)報道が、ますます横行する傾向が強まってきています。
特に、ヘリウム原子核であるアルファー線の場合は、飛距離が1ミリ~2ミリ以内と、大変短く、また紙一枚でも容易に遮蔽され得るので、いったん体内に取り込まれた場合(=内部被曝した場合)は、体内の脂肪や筋肉や組織などによって遮断され、体外からは計測出来なくなってしまう。
ところが、「ホールボディカウンターを使って体内被曝を調べられる」など、という事が、まことしやかに報道されている。また世間もそれを鵜呑みしている。この「ホールボディーカウンタ」を使っても、ガンマ線しか計れないのである。一度、体内へと取り込まれてしまったアルファ線は、この「ホールボディーカウンタ」でも計測にひっかからないのです。しかし、マスコミなど報道でも、相変わらず、そうした正確な事実を全く報道していない。
そもそも、今回の原発事故以降、Bq(ベクレル)やSv(シーベルト)等という、今まで聞き慣れない放射能単位を使い、しかもそれらを政府や官庁や、自治体、教育現場などが、巧妙に使い分けて報道している。京都市教育委員会も、「一定の安全基準値以下の汚染であれば、福島県産農産物でも、学校給食の食材に使用する」と公表する始末である! しかし、国や自治体が準拠する、この放射能安全値自体が、実は「国際放射線防護委員会(ICRP)」の「丸飲み込み」「鵜呑み」でしかないことを、しっかり頭に叩き込んでおくべき。
この国際放射線防護委員会(ICRP)は内部被曝に関しては、始めから全く考慮すること無しに設けられた基準値だということを、はっきり知っておくことは大切である。内部被曝など、一旦、体内に取り込まれてしまった微量放射性物質が及ぼす健康影響は、全く無視して設定された安全基準値であることを、しっかり頭に入れておくべきです。国際放射線防護委員会(ICRP)の基準値なるものが、信用できないか・・・その証拠に、ECRR(欧州放射線リスク委員会)という別の組織も存在していて、(ICRP)の基準値よりも、更に1000倍も厳しい安全基準値を、微量放射性被曝のには適用させるべきと主張している事からも伺えるだろう。
微量放射性物質の人体へ及ぼす影響がどうかに関して、ここ数年、様々な研究、調査が行われるようになってきた。ヒロシマやナガサキでの被爆者調査が、外部被曝に焦点を限定されて行われたこと、軍事兵器の即効的効果度如何?という軍事的目的優先からの調査であった為、原爆投下後に、爆心地に救助で入った人々の外部被曝による実態調査は、全く無視されてきたのですね。そのことが、現在の(ICRP)の基準値が外部被曝しか測定の対象とされていないことを、雄弁に物語っていますよね。こうした歴史、政治的・軍事的目的を持って作成された(ICRP)の基準値が、被曝者の実態を、決して正確に反映している、信頼に値する数値ではないことは、以上のことからも明らかである。
にも関わらず、日本の政府も自治体も、この国際放射線防護委員会(ICRP)よりも更に20倍も高濃度の数値を、安全基準値であると言い切っている。政府や官僚、自治体、マスコミ、御用学者たちの、こうした「押しつけ安全数値」を、多くの市民たちも疑うこと無く「鵜呑み」するか、強いられ続けています! もっと正確な放射線数値を求める運動を押し進めていきましょう!
松元保昭(パレスチナ連帯・札幌)20110626低レベル放射能の脅威、常識から世論へ>人類は、キリスト教をはじめとする「安心」を売るイカサマ祈祷師にはさんざんな目に遭ってきました。「100ミリシーベルトでも安全」と公言する山下俊一氏はこの期に及んでもなお、放射能安心教を布教するために福島県アドバイザーに居座り続けると「闘争宣言」をしたそうです。(福島民友インタビュー)
●ブログ・カレイドスコープ参照(山下氏の発言を海外に紹介している「デモクラシーナウ」のビデオと訳、批判している矢ケ崎克馬氏のビデオなど貴重な情報が収録されています。)
小出先生は、ことあるごとに「どんな放射能でも人体には危険です」と呼びかけています。しかし実際には「100ミリより20ミリ、20ミリより10ミリ、もっと少なく」というように私たちまでが確率をみちびく数字を追いかけるように強いられています。しかも、各市町村ごとの日々の汚染線量調査はおろか、子どもの登下校範囲、自宅の周辺でさえデータがない、農業や畜産、漁業の生業を営んでいる人々が死活問題となる肝心のデータが得られない、という現実がつづいています。もはや日本列島の大気、大地、河川、海洋のすべてが今後何十年、何百年と汚染され続ける放射能新時代を迎えたと言わねばなりません。これからもなおさらに拍車をかけて、電力会社、政府、「ニセ科学者」は数字の確率で「安心」させようと国民をだまし続けると思います。しかしたとえたった一人のわが子の奇形やがん化の「確率」でも許せるものではありません。対文科省、対山下氏との攻防のように、低レベル放射能をめぐるいのちと健康を守る闘いは、すでに始まっています。
●新たな抗議要請:避難促進・自主避難者支援を求める対政府交渉~「避難の権利」確立を求めて
低レベル放射線、内部被曝の人体への影響については、すでに草分けの肥田舜太郎博士はじめ矢ケ崎克馬、崎山比早子、津田敏秀、松井英介などの諸氏によって研究、啓蒙されてきましたが、山下氏のような人物がまだ隠然たる影響力を持っている以上、まだまだ世論になっているとはいえないと思います。日本国政府が準拠しているICRP(国際放射線防護委員会)でさえ、これまでに核開発のために117万人ものガン死者、235万人という夥しい数のガン発生数を認めています。しかしもっと驚くべきは、低線量被曝理論を重視する欧州放射線リスク委員会(ECRR)の評価数値では、ICRPの数値のそれぞれ60倍近くとなっているといいますから、全世界のがん死者数はすでに7000万人を超えるということになります。ちなみに今回の福島原発事故による今後50年間の200km圏内のガンの過剰発生数は、ICRPの予測で約6,000人、ECRRが約41万7000人という恐ろしい数字もそこで報告されています。(以下紹介の新刊本『人間と環境への低レベル放射能の脅威―福島原発放射能汚染を考えるために』の訳者竹野内真理氏の「あとがき」より)
日本の学者の集まり、日本学術会議でさえもすでに事故後3ヶ月もへて「会長談話」なるもので「20ミリシーベルト」を擁護し、政府、東電、原発推進側に寄り添った声明を発表しています。「ICRP勧告よりもきびしい基準で対応している日本の基準に国民の理解を求める」などと事実をねじまげる発言をして、日本政府の汚染調査不作為、WHO疫学調査不作為の指摘もせず、この会長は2日後に退任しているということです。ここでも低レベル放射能の軽視は明らかです。
●これを批判する学者も当然います。⇒島薗進ブログ、 「東京大学環境放射線情報」を問う東大教員有志のページ
福島の事故は、もはや科学の領域を超えているといいます。チェルノブイリの20倍もの核燃料の「収束」と「放出」に今後何十年もの長期間付き合わされることは間違いありません。事故直後からの情報隠蔽と棄民政策は、この長期を見越した国家犯罪と推定せざるをえません。これからの放射能汚染時代には、私たち自身がそのメカニズムを理解し「安全神話」に犯されない理解力をもち防護と補償請求の備えをしなくてはなりません。すでに緑風出版から、ジェイ・マーティン・グールド[著]肥田舜太郎・斎藤紀・戸田清・竹野内真理[共訳]『低線量内部被曝の脅威─原子炉周辺の健康被害と疫学的立証の記録』という本が出ていますし、もうじき、あけび書房からラルフ・グロイブ、アーネスト・スターングラス[著]、肥田舜太郎、竹野内真理[訳]で『人間と環境への低レベル放射能の脅威―福島原発放射能汚染を考えるために』という新刊本も出るそうです。これら本の主題は「ペトカウ効果」についてです。この理論こそ、低レベル放射能が人体に及ぼす決定的な科学的根拠を論証したものです。ノーベル賞を受賞してもおかしくないと言われています。じっさいに原爆症認定訴訟を勝利にみちびいたのがこの科学理論でした。今後、私たち自身のいのちと健康を守るために、低レベル放射能被曝の脅威を「常識から世論」にしていかなければならないと思います。
松元保昭(パレスチナ連帯・札幌)20110324大量の被曝者救済を視野に入れた緊急の法整備を―情報隠匿は意図的>内部被爆の可能性や放射線量および放射性物質(核種)と各波長のデータを政府、東電が情報公開しないあるいは小出しにしていることは、今後のことを考えた意図的な不作為だと思います。今後、外部被爆・内部被爆をふくめて何百万という大量の被爆者が出る可能性があります。あとで被害者が訴えたとしても、政府、東電は「計測され証明された外部被爆線量」の範囲内でしか補償はできない、というでしょう。公的に計測されていない所では不明のため「証明されない」という論法で彼らは逃れるでしょう。そして何十万、何百万という人たちが泣き寝入りをしなければならなくなるでしょう。
足尾鉱毒事件の田中正造の時代から、原爆訴訟、水俣訴訟の現代まで、政府、企業はなんら変わっていません。今回の政府、東電の事故対応とTV,新聞報道のセットも大本営時代と瓜二つです。日本の「民主主義」は根幹から狂っています。
私は今回のさまざまな「風評」をたんに風評被害と片付けてしまうことには問題があると思います。日本人はヒロシマ、ナガサキ、ビキニをはじめ、死の灰(放射能)にはおそらく他国にはない独特のトラウマをかかえています。そしてそれは、じっさいの体験からくるきわめてまっとうな核や放射能にたいする恐れだと思います。
そういう日本人だからこそ、政府や東電の小出しの曖昧な情報には信をおけないのです。驚くべきことですが、東電福島原発自体のモニタリングポストが破損しているというのも、原子力安全委員会が「拡散状況と被ばく線量を初めて公表」というのも、事故後の10日以上23日になって発表しているのです。これでは、放射能を一番心配する国民にとっては納得がいかないどころかさらに不安が拡大し風評をうむ原因になってもおかしくないことだと思います。
しかも通常でさえ放射能を放出している原発が、今回の事故でさらに大量の死の灰(放射能)を放出し続けていることは間違いないのに、政府、東電は放射線量と放射性物質(核種)およびその線量を緊急に広域に調査しようとはせず、明らかに故意の不作為を行なっているように思えてなりません。私は素人ながら、すでに一部メルトダウン(核燃料損傷崩壊)がはじまっておりヨウ素、セシウムは勿論ストロンチウムと大量の各種放射性物質が、さらに3号機からはプルトニウムが漏出しているのではないかと危惧しています。それを政府、東電がぐるになって隠蔽しているようでなりません。(参照海外情報)
そしてこの期に及んでもなお、政府や財界、原子力プラントを製造輸出する大企業や電力会社は、「原子力は安全だ」「日本の技術は地震に耐えた」「人類と原子力との共存を」などと叫んでいるのですから、こういう人たちと私の孫たちがまだ付き合っていかねばならないと思うと、情けなくもなり哀しくもなり日本人であることに絶望してしまいますが、彼らには原子力推進を存続できる「国際的な武器」があるのです。ICRP,WHO,IAEAなどのお墨付きがあるのです。
すでに内部被爆にかんするわが国の先駆的研究者、肥田舜太郎、矢ケ崎克馬の諸著にあるように、外部被爆の放射線量だけでは、実際の放射性物質からの危険性を評価することができないということは明らかです。しかも低レベル放射能による癌や糖尿病の急激な増加が、原子力発電所からの恒常的な放射能排出からくるものであることを、スターングラス博士は統計的に明らかにしています。
矢ケ崎克馬氏(劣化ウラン廃絶キャンペーン・琉球大学理学部教授・物性学専攻)は、「内部被曝についての考察」の中で、
と指摘しています。
このように政府や財界、原子力推進行政のバックボーンである、ICRP(国際放射線防護委員会)もWHO(世界保健機構)もIAEA(国際原子力機関)も、外部放射線量のみを規準に、しかも現行の国際的な原子力発電推進行政を前提にさまざまな「基準設定」をしていることは確かです。そこからは、内部被爆の危険性評価は出てきません。
日本の「原子力安全・保安院」「原子力安全委員会」、食品安全の暫定基準値などを指示している「原子力施設等の防災対策」もすべて外部放射線被曝量だけを数値規準にし、しかも最大限現行の原子力関連産業の推進を念頭においたICRP(国際放射線防護委員会)が設定した「基準値」に従っているにすぎません。ここから考えられることは、今後どんな事態、結果になっても、政府、保安院、東電などはその範囲内でしか責任が問われないことになります。
この未曾有の災厄と混乱を与えた東電と政府に最後まで責任をとらせるための法体系は未整備と思います。とくにこれから予想される内部被爆による大量の被曝者救済の法整備を専門家・研究者の方々に早急に準備してもらうことが必要です。チェルノブイリで甲状腺がんになったり白血病になったり畸形で生まれてきた数十万とも百万ともいわれる人々は原発放射能との因果関係も認められず晩発性障害などといわれ補償もされずに、どうなっているのでしょうか。結局、犠牲になるのは市井の人々、民衆です。専門家の方、お願いします。
笠井一朗(元土木工学の技術者で現在は農業者)2011031813>報道では、ミリシーベルトとかマイクロシーベルトという単位で説明されていると思いますが、普段、聞き慣れない単位なので、別のたとえ話に置き換えます。自動車に乗った場合、速度をキロメートルという単位で表現しますね。これは語弊があり、実際はキロメートル毎時です。60km先の目的地まで時速60kmで走れば、1時間かかります。これを放射線量(放射能強度)に置き換えて言うなれば、時速60kmを放射線量、時間を死に至るまでの猶予時間、60km先の目的地を「死に至る時点」に喩えることが出来ます。昨日(3/18)の自衛隊ヘリによる上空からの給水活動では、タングステンの放射能防御床+防護服を着用した上で、機内の積算被曝量が100mSvになった時点で作業を中止し帰投するという条件下での作業でした。
原発上空(300フィート)の線量について、19時のNHKニュースで87ミリシーベルト/時だと言っていましたから、確かに異常値ではありますが、1時間以上ホバリングできるでしょう。何故、4回ポッキリで作業を終了してしまったのか、理由は分かりませんが、アメリカ帰りで原子力工学が専門の大阪大学の山口彰先生がTVでおっしゃるには、1日分の使用済み核燃料から排出される熱量を上昇させないだけの十分な水量だと説明していました。ホバリングもせず、ヘリのローター直下の風圧で、投下した水が霧状に雲散してしまうのをテレビニュースでご覧になったと思いますが、御用学者の立場というのもあろうかと思います。
要は、速度と距離を同じキロメートルという言葉で表現してしまうから誤解が生じるのであって、例の「X線撮影何回分に当たるから、人体に影響を与えるレベルではない」というトンチンカンな発言を許すことになります。放射線量の単位は、ある点での放射線強度を表現するはずですから、微分値であるシーベルト毎時が正しい表現となります。ちなみに英語では100mSvの放射線量を表現するとき、「one hundred micro sievert per hour」と表現します。なお、健康被害については、積算放射線量だけでなく、放射能の種類により、被爆のメカニズムが異なりますので、別の方に、その解説を待ちたいと思います。 私からは、こちらのサイトを紹介するに留めます。
武田邦彦(原子力安全委員会委員・中部大学教授)20110317原発 緊急情報(10) 政府・マスコミ、ごまかし。危ない?! 政府とマスコミがごまかしを始めた。これはどうしてもすぐ多くの人が気がついて理解しておかなければならない。それは「1時間あたりの放射線」と「そこに住んでいる子供が受ける放射線」の問題だ。実に危険なごまかしを始めた。放射線の強さを「シーベルト」で示すが、これには「年間にあびるシーベルト」、「1時間あたりのシーベルト」、「白血病になるシーベルト」、「瞬時にあびるシーベルト」と4つある。この複雑なことを利用して、昨日から政府とマスコミは歩調を合わせてごまかし始めた。子供をもつ親はその責任から、絶対に次のことを理解して欲しい。(今、私は計算中)
・・・・・・・・・
まず、法律で決められた「普通の人は一年に1ミリシーベルトまで(自然放射線を除く)」というのは、「1年間」だ。政府発表やテレビで報道しているシーベルトは「1時間あたりのシーベルト」だから、1ヶ月少し(42日)住んでいるところの場合、それを1000倍する必要がある。白血病になるシーベルトは約400ミリシーベルトで、これは1時間でも1年でもなく、そのままである。だから1時間400マイクロシーベルトのところに1時間いても大丈夫だが、1ヶ月あまり住んでいると白血病になる。レントゲンを受けると「一度に600マイクロシーベルト」の放射線を受けるが、これは瞬時である.
・・・・・・・・・どのぐらいで何が起こるか・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
1)福島原発2号炉から放射線が漏れたときに枝野官房長官が発表した数値は1時間に400ミリシーベルト。(もし、その場所に1ヶ月少し住んだら、400シーベルトになり死亡.その100分の1で死亡するから1日いたら死亡する)
2)文部科学省が3月16日に発表した福島原発から20キロの地点(福島県浪江町周辺)の放射線は1時間330マイクロシーベルトであった(1時間あたりと思う)。(そこに1ヶ月少し住んだら330ミリシーベルトになり、白血病になる数値・・・これをテレビでは「安全な放射線」と言っていた。)
3)3月15日頃の東京の高い値は1マイクロシーベルトぐらいだった。(東京に1ヶ月少し住むと、1ミリシーベルトで、1年ぐらい住むと子供はかなり危険。胃のレントゲンが1回で600マイクロシーベルトだから、1ヶ月で2回のレントゲンを受けることになる。)
・・・・・・・・・
【政府のトリック】
政府やマスコミは「福島原発から20キロのところの放射線は、330マイクロシーベルトだから、胃のレントゲンの2分の1」という言い方をしている。だから安全という。しかしそれは「そこに1時間しかいない人」の事であり、住んでいる人ではない。だから、1ヶ月あまり住む人は330ミリシーベルトを浴びることになり、子供も親も白血病になるだろう。すぐ待避しなければならない。決して「安全な放射線」ではないのだ。
・・・・・・・・・
今、私(武田)は少し動揺している. もし文部科学省が16日に発表した値が正しく、私の計算があっていれば、政府は直ちに浪江町の人をもっと遠く(風上)に待避させる必要があるからだ。 でも、まったくその気配はない.なぜなのか?私の計算が間違っているのか? それでは浪江町の少し南の人はどうなのだろうか? たとえばある地点で測定してみるとその3分の1の100マイクロシーベルトのところに住んでいる人は、3ヶ月住むと白血病になる.子供はさらに早いかも知れない。 もう一度、慎重に考えてみる.もしこの計算が本当なら大変だが、どこかに間違いがあることを願う。
原子力の専門の人、チェックしてください。もし、この計算が正しいと大変ですから。間違えていたらすぐ訂正します。でも重要な事ですから。南無三! 私の勘違いであってくれ!

武田邦彦20110330>驚くべき千葉県
ガイガーカウンター>SHOP QandA 放射線マメ知識
矢ケ崎克馬(劣化ウラン廃絶キャンペーン・琉球大学理学部教授・物性学専攻)>内部被曝についての考察
山内正敏(スウェーデン国立スペース物理研究所)>放射能漏れに対する個人対策
朝日20110323>30キロ圏外の一部、内部被曝の可能性 極端な例で試算
アーネスト・スターングラス博士200603青森講演〔提供:森田玄〕 スライド
肥田舜太郎20000909医師が見た被爆者の生と死~原爆被害、隠蔽と放置の12年間

最悪のシナリオ?

笠井一朗20110320>貴方の、推測出来き得る、最悪のシナリオを語って下さい。
飯田哲也(環境エネルギー政策研究所所長)20110320>「最悪シナリオ」はどこまで最悪か
笠井20110324>飯田さんのおっしゃる「最悪のシナリオ」というのは、チェルノブイリのような「爆発的事象」が「最悪のシナリオ」なのであって、MOX燃料を含む複数の炉がくすぶり続けて、チェルノブイリ原発(1基)が放出させてしまった放射線や放射能を含む塵芥、それを上回る量を大気中や海水中に流出させ続けて、チェルノブイリを上回る規模の放射線被害を世界中にもたらすであろうことは、「最悪のシナリオ」とはしないという考え方なのですね。

共同通信201103250154>チェルノブイリの2~5割 福島原発放射性物質で試算
産経ニュース201103240701>現場に踏みとどまる原発作業員に「死の危険」 仏専門家が増援呼び掛け
日本経済新聞201103240656>福島第1原発、3つの可能性 冷却システムが左右