日本人だけが残虐で鬼畜だとは思いたくありませんが、リーペンクイズ（日本鬼子）となじられても仕方の無い事件の数々があったのは史実によって明らかです。どこどこの軍隊もこんなことをしたとか、従軍慰安婦は職業娼婦だったとか、、、史実を歪曲してはいけません。
今年はドロノキ（ドロヤナギ）を重点的に不要木として択伐しました。使い道のない樹種だそうですが、薪として７㎥ほど積みました。玉切りして薪割りしたものを積むのですが、どうしても端材が出ます。邪魔なのでマキ？として燃やしてみました。結構燃えました。生木で燃やすことが出来ました。水分を多く含むので、すでに熱くなっているストーブの中に投入します。すると水分が蒸発し、大量の湯気が煙筒から出ます。お隣の大野さんが火事だと思って我が家に寄ってくれたぐらいにです。私は大野さんに言いました。「あれは煙ではなくて湯気なんです。ビックリさせて済みませんね・・・」と。
今日の午前中に久保内郵便局の裏手でヒバの木を伐倒しました。風倒する恐れのある危険木でしたので、伐倒作業風景をユーチューブにアップしました。ご覧いただけたらと思います。
枯損木は外見からは判断しづらいものもあります。今回のヒバは数年前から枝が折れると云うことでしたので、二股に分かれてもいましたし、疑ってかかってました。受けを切った時点で腐れが見て分かりましたし、そのまま伐倒すれば、二股が左右に分かれて、重量のある方が母屋の軒を痛める可能性が高いと判断しました。枯損木は腐れの範囲が分からないで伐倒すれば、いきなり思わぬ方角に倒れるという危険性の高いものですので慎重に対処して下さい。ご安全にお願いします。
なお、マサカリ（鉞）は大小２種類を使いました。手前の大きい鉞は頭が１貫目（3.75kg）で、全重量4.75kg、全長1200mmです。小さい方は全重量2.48kg、全長850mmです。割れにくいものを割るときは重い方（破壊力の大きい方）が楽です。いずれにしても、木目を確認しながら、しかるべき箇所に１ｃｍ以内の誤差で振り落とさないと思うように割れてくれません。樹種にもよりますが、今回のヒバは割れやすい樹種です。欅（ケヤキ）は最も手強いと思います。栗（クリ）は緻密で重いのですが、結構割れやすいです。カラ松などはヤニが多く含まれているのでネチっこく、割りやすいとは云えないかもです。
鋸台を使っての玉切りは雨の日でも出来ます。秋も深まる夜なべ仕事にもうってつけです。ただしこの手の鋸台は注意深く作業をしないと大怪我をします。４年前、形の悪いコブだらけのオンコの木を切ったときに材料が跳ねて、どういう訳か右手の親指と人差し指の手の甲側を怪我して２６針縫いました。幸いなことに腱や神経などを痛めなかったようで後遺症はありませんでした。昨年、自伐型林業の先駆者である岡橋先生が我が家に立ち寄ったとき、本州の方では、無くなったユビを見せっこするのだそうです。まぁ、彼独特の冗談かもしれませんが、、、てなわけで私のユビは１０本とも付いてます。
なお、一度に切りきれない太い材は裏返しても切りますが、その際、必ず切り残すようにします。そして残った部分を手鋸で切ります。さもないと材が跳ねることがあります。
近所のオウチから廃材のハウスパイプを使って車庫を作ってくれと頼まれました。あるのは屋根パイプとほんの少しの材料だけで、しかも建てる場所は礫やコンクリートガラが埋まっている場所でした。
「出田建設に頼んだのだけれど、なかなか来てくれなくて、、、」、、、
こういった仕事はハウス屋さんもやりません。廃材（あるもの）を利用した場合、手間が倍以上にかかるから、、、、それと明らかに耐久性に乏しいから、、、
屋根パイプはφ２５の細いものだし先端は腐ってました。φ２８の直管をかぶせてタッパを稼ぐ、これだけで２日かかりました。そして出来たものは真新しさもなく、手間賃がかかるとなれば、正直言って誰もやりません。ご自分の手間賃をロハで計算してやるから出来るのであって、、、
でも、便利業は断りません。出来高で計算しますけどそれでいいですか？ と確認した上で、もしかして報われないかもしれない仕事に取りかかるのです。嗚呼・・・
玉井昭彦さん 2020年10月1日
何の為に作ったのか⁉️伝承館。
「伝承館だからこそ国や東電への批判を排除してはいけない」
福島県双葉町に「東日本大震災・原子力災害伝承館」が9月20日に開館した。震災から9年半、遅すぎるとも思うがまずは開館を歓迎したい。
と思っていたら数日後に気になる報道が入ってきた。23日付の朝日新聞によると、同館では、震災の記憶を伝える登録制の「語り部」に対して、特定の団体への批判を行わないよう要請し、従わない場合には登録を解除すると警告していたというのだ。口演内容の事前確認も求められたという。「特定の団体」には国や東電も含まれる。事実だとしたらとんでもない話である。方針変更を求めたい。
公の施設で国の批判が禁じられるのは当然だとの考えもあるかもしれない。昨年の「あいちトリエンナーレ」以来議論されている問題だ。百歩譲って個人の表現なら抑制を認めてもいい。けれどもこの事案はそれとは異なる。伝承館だからこそ、国批判や東電批判を絶対に排除してはいけないのだ。
なぜか。それは、原発事故のあと福島だけでなく日本中で国や東電への怒りが吹き荒れたこと、それ自体が伝えるべき歴史だからである。
歴史は客観的現実だけで構成されるものではない。人々が抱いた感情（主観的現実）も歴史の一部である。歴史を伝えるとは両者をバランスよく伝えることだ。語り部はまさにその感情を伝えるためにいる。それなのに怒りの表明を禁じてしまったら、なんのための伝承館か。
日本の博物館は客観展示が大好きである。パネル展示で数字やグラフを並べ、あとは来場者の判断に委ねる。だから語り部にも経験だけを淡々と語れと要請することになるのだろう。しかしそれがいつも正解というわけではない。
筆者はキエフのチェルノブイリ博物館を幾度かガイドしたことがある。宗教色の強い展示方式で、年表や数字は驚くほど少ない。初めての日本人は必ず戸惑う。けれどもそれはウクライナ人なりの「事故の感情」への向き合いかたでもある。
震災では多くのひとが亡くなった。原発事故では多くのひとが故郷を奪われた。新たな伝承館もその「思い」に向き合う場になってほしいと思う。
東浩紀（あずま・ひろき）／1971年、東京都生まれ。批評家・作家。株式会社ゲンロン取締役。東京大学大学院博士課程修了。専門は現代思想、表象文化論、情報社会論。93年に批評家としてデビュー、東京工業大学特任教授、早稲田大学教授など歴任のうえ現職。著書に『動物化するポストモダン』『一般意志2・0』『観光客の哲学』など多数
※AERA 2020年10月5日号
「壮瞥さとやま林業」の研修プログラムのひとつとして「丸太軸組工法の建造物 - 見学会」を９月２３日に開催しました。訪問先は、壮瞥町滝之町の岩倉畜産・立香のたつかーむ・上立香の工藤農園・弁景の笠井宅・上久保内の森下農園・大滝区荘園の増田宅です。動画をアップしましたのでご覧下さい。
写真は駐車場入り口からの撮影：右がモニュメント、その左が祭事場、その左に人骨保管施設があるが写ってない
昨日は白老に５ＰＭまでの用事があり、泊まりがけでウポポイを見てきました。週末の土日は８時ＰＭまでの営業です。新型コロナの影響で入場予約を確保するのが難しく、特に「国立アイヌ民族博物館」（博物館）は日中の予約が両日ともに空きがなく、土曜の晩からの予約を入れました。暗くなってからですので、チセの見学や屋外ステージ演劇は無しです。まぁ、２０年以上前にポロトコタンに行った事があり、その時に見てますから、、、
ウポポイのパンフレットには：
ウポポイは
- 「国立アイヌ博物館」
- 「国立民族共生空間」
- 「慰霊施設」
により構成されます。
と記述されています。翌日、白老の宿泊先から朝遅くに「慰霊施設」に行ってみました。日曜日の日中だというのに客は一人もおらず、設備を管理する人が清掃作業をしていましたので話しを振ってみました。
- 私：あまりお客さんが来ないんですか？
- 管理：そうだね、あまり来ないね。
- 私：パンフレットには「慰霊施設」もウポポイを構成すると謳っていますが、博物館には「慰霊施設」に関する記述が見当たらなかったですね。
- 管理：ないと思う。
- 私：あまり客が来ないから学芸員／説明員を常駐させるのは難しいかも知れないけど、「博物館」に「慰霊施設」の歴史や経緯に関する説明をするコーナーを設けて、要望があれば「慰霊施設」へのツアーをするくらいのサービスを設けてもいいんじゃないんでしょうか。
- 管理：ワシらもそう言ってきたんだが、、、
- 私：客の方からもそういう要望があったと、「公益財団法人 アイヌ民族文化財団」（財団）の方に伝えて下さいよ。
- 管理：分かったよ。
- 私：ところでこの「慰霊施設」はいつ作られたのですか。
- 管理：昨年だね。
- 私：じゃぁ、つい最近の事ですね。ところで、この地は以前どのような土地だったのですか？
- 管理：タダの山だったよ。
- 私：では、山林原野を造成してここを平地にして建てたのですね。
- 管理：そうだ。
- 私：そうですか・・・
人骨保管施設はコンクリート造りの重量物で、まるで高濃度放射性物質の管理区域みたいです。施設には入場できません。管理の方も一度だけ入場した事があったとの事でした。お隣に祭事場の建屋があります。中を見学できてトイレもあります。少し離れてモニュメント（塔）があります。が、それだけで、観光客相手の配慮は一切ないにもかかわらず、駐車場は有料です。ウポポイの運営主体は、公益財団法人 アイヌ民族文化財団（ウポポイ内）と云う事なので、帰りしな財団に電話してみました。
- 私：パンフレットには「慰霊施設」もウポポイを構成すると謳っていますが、観光客向けの説明など「博物館」にさえも一切ないですね。
- 財団：財団は「慰霊施設」の駐車場と建屋などの管理をしますが、運営は、国土交通省 北海道開発局 開発管理アイヌ施策推進課が所掌（しょしょう）してます。
- 私：えっ！「しょしょう」とはどういう意味ですか。
- 財団：掌握という意味です。
- 私：所管が国交省という意味ですね。でも、ウポポイがアイヌ文化民族共生象徴空間だとしてそのアイヌ文化を広報する意味合いを持つ施設だとするなら、国交省が「慰霊施設」の広報役を所管するというのは変じゃないですか。遺骨をウポポイに集約する事には一部に異議を唱えている方々もいますし、いわゆる社会問題のひとつですよ。
- 財団：財団としては「問題」になっているという認識はありません。
- 私：ニュースにもなっているじゃないですか。貴方とこの件で話しても平行線をたどるようですのでこれ以上は申しませんが、財団として議題に挙げておいて下さいね。観光客に来てもらいたいから、ウポポイを構成する一部だとパンフレットで謳っているわけですし、駐車場も有料じゃないですか。それで説明員も存在しない、博物館でも説明するコーナーが不存在で、、、それなら、パンフレットから「慰霊施設」の記述を取り下げたらいいでしょう。「開館間もないことで、、、」と云うけれど、施設は昨年には完成してたじゃないですか。説明不足も甚だしいですよ。よく考えて下さい。・・・・
平取アイヌ遺骨を考える会の木村二三夫さんは：「上貫気別（平取町）に移住させられて、そして発掘によって北大に移住させられてだよ、骨になってからも移住させられて。そして白老に集約されると３度目の強制移住になる。・・・」 と発言しています。これは事実その通りで、
- 研究目的にアイヌの人骨を断りも無しに持ち去り、
- 人種を同定するに重要な頭骨を主に、動体部は無縁仏にしたり・・・
- 大学の研究施設で長期にわたって隔離保存し、
- そういった行為は当時の研究倫理では許容されていた・・・などと詭弁を弄し・・・
- 謝罪もせず、遺憾の意を表明するだけの下りは、日本政府が戦争責任を認めず、賠償金ではなく弔慰金で誤魔化すのと似たりよったりの・・・
- 国連で先住民族の権利を認める決議が可決するも、日本では「先住民族と認める」にとどまり、そのお為ごかしに作ったのが「ウポポイ」という施設・・・
ではないかと私（笠井）は仮定してみました。なお、文中で「遺骨」と「人骨」を使い分けました。私はアイヌ人ではありませんから「遺骨」を研究目的で標本採集した側に属するヒトだと思っています。その立場で考えると、アイヌのヒトと会話するときには、そのご遺骨は「遺骨」です。私が属する日本人の社会問題として考えた場合、その「遺骨」は標本としての「人骨」です。
- 参考頁：
- ヤフーニューズ20200527どう返す？ 集めたアイヌの遺骨１２８７体 研究で持ち去られ、ウポポイ慰霊施設に
- 毎日新聞20200717アイヌとして第１部・ウポポイに問う／上 葬送と遺骨「一生かけ 信仰貫く」「遺体は土に」３代で文化つなぐ／北海道
- WEBニュース特集 20191025ウポポイでなぜ慰霊？
- 笠井一朗20130719「陸軍第一病院から軍医学校へ通じる地下道への出入口の跡」について
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- 0911週刊アサヒ芸能９月１７日号 井筒監督「政治の空白は許されない」！？ずっと国会閉じてたやないか😤
伴野克己 2020年9月10日【 週刊アサヒ芸能 9月17日号 井筒監督「政治の空白は許されない」⁉️ ずっと国会閉じてたやないか😤】
🌟週刊アサヒ芸能 9月17日号 井筒監督の毒舌ストレート時評「アホか、お前ら！」ROUND860 をご紹介します。
街の食い物屋がどんどん消えてなくなっている。近所の立ち食いそば屋も閉店し、打ち合わせで時々寄る洋食屋もカレー屋も喫茶店もなくなってしまった。どこでゆっくりしたらいいんだか。座席を減らし、間にビニール幕まで垂らして「新しい店」にしたら売り上げが5分の1、もうやめだと嘆く店主もいた。コロナで人生が狂ってしまった人たちが多い。そんな時に、なにが総裁選だ、なにが一人一人の国民の声、一人一人の国会議員の思いに働きかけますだ？ アホぬかせ。自民の首魁どもが生贄を一人、選ぶだけだろうが！
アベノミクスも失敗だった。株価は上がっても、庶民には関係なし。企業は儲けを貯め込むだけで給料も上がらないのに、なにが物価上昇率2%が目標だ。スーパーなんか昔より値段を下げてるぞ。下げないと売れないのだ。アベという男は果たして庶民に何を残したんだ。森友や加計や桜で世間を疲れさせただけだ。そして、コロナの追い打ちでついに事切れ、倒産に閉店だ。にわかマスク屋がしのぎを削り合ってるだけだろが。そこに、自民党のクソ政治屋どもが「この政治の空白は許されない」と、次の神輿を担ぎ出そうと泡を吹いている。空白だと？ アホぬかせ。7月から今までぱっくりと空白じゃないか。アベが国会を11週間も閉じ、討議もさせないまま、在任新記録を出した途端「実は持病がやばいんで辞めますわ」だ。なんじゃそらだ。そのアベに「お疲れ様」と労わないのは非国民だみたいなことをヌカしてた元議員コメンテーターや芸能人どもにもウンザリだ。一億総活躍時代などと、口で言うだけで国民を疲れ果てさせるだけのヤツに何も言うことはない。家にほったらかしのアベノマスクはどうすりゃいいんだ！
誰が次の組長になろうと所詮は「ところてん内閣」安倍政権を引き継ぎ政治をしますと、菅は自分で言う始末。森友も加計ももう終わった話だと、風呂の中で屁をこいたような精のない声で会見してやがった。シリぬぐい内閣、ケツ拭き内閣にもなれないだろう。派閥の首魁どもは身内を一人でも多く大臣の座布団につかせようと色目使って菅の神輿担ぎ。あー最悪だ。菅よ、自分は派閥に属してないと偉そうに言うなら、だったらこの際、首相も官房長官も同時にやったらどうだ。「もうカネのかかる席替えは止めときます。このままいきます」と言ってみろ。派閥じゃないなら「コロナ浪費節約内閣」でいいだろうが。どうなんだ！
閑話休題。アメコミ映画の「ブラック・パンサー」で主演していた黒人役者がガンで亡くなった。43歳。ファンは大ショックだ。実は大方の人が闘病を知らなかったとか。親しい人らにもかん口令を敷いてたらしい。黒人初のアメコミヒーローが闘病中では映画のイメージが崩れると思ったのかな。ネットやテレビで私生活を暴露して切り売りする愚か者が多い中、隠し続けるのは大変だったろうと思う。今どき珍しい、俳優らしい生きざまだな。
➡️ さすがは井筒和幸監督。本質を突いた毒舌が光る👏🏻
- 0910前川喜平の安倍政治総括と体験的「菅義偉」論
あーっ！ 世の中が悪くなってゆく・・・もーー！ 誰にも止められないのか！！！
毎日新聞（サンデー毎日）202009100500-1157官僚の「下僕」化さらにひどくなる 前川喜平の安倍政治総括と体験的「菅義偉」論
インタビューに答える元文部科学事務次官の前川喜平さん＝東京都目黒区で2020年3月19日、玉城達郎撮影 菅政権は安倍政権以上に危険だ！
本誌は前号で、十全な総裁選実施なら石破首相誕生かと報じたが、党員投票なし、安倍政権への総括なし、菅義偉氏の政策への吟味なしで、菅政権が後継となる様相だ。それは安倍政権の内実強化政権であり極めて危険だと警鐘を鳴らす前川喜平元文部科学事務次官が、安倍―菅ラインの正体を暴く。
かつての自民党であれば石破茂氏を選んでいたであろう。病気を理由に突然辞任を発表した安倍晋三氏の後継首相である。コロナ対応だけではない。その基本政策・路線そのものが深刻な行き詰まりを見せていたからだ。出口なき異次元金融緩和政策、外交なき従米軍事抑止力至上路線、説明責任なき「モリ・カケ・桜」政治不信がそれである。
トップの顔を変えることは、その基本政策・路線に軌道修正を図る好機になる。金権・田中角栄の後にはクリーン・三木武夫を、日米関係悪化を招いた鈴木善幸の後には「ロン・ヤス関係」の中曽根康弘をと、持てる人材を巧みに振り当て、いつの間にか政権のイメージ、路線を変更することによって権力の命脈を保ってきた。本格的政権交代ならぬ疑似政権交代の知恵とも言われた。その伝で言えば、安倍政治に距離を置いてきた石破氏の出番だった。
それが疑似どころか安倍政治に酷似としか言いようのない菅義偉政権が誕生する運びである。前号でも触れた菅・二階俊博幹事長ラインが、退陣表明前後から「ＧｏＴｏ政権獲得」に乗り出し、一気に流れを決めた。二階氏の仕掛けの速さ、菅氏の秘められた野心、安倍氏の「菅でＯＫ」サインが決め手となった。
それにしても、安倍政治へのまともな総括もないまま、菅氏という人物の吟味もそこそこに、政策論争が始まる前に勝負が決まっているという猿芝居ぶりだ。
ここは前川喜平元文部科学事務次官に聞く。加計(かけ)学園問題に代表される政権による権力の私物化を一貫して告発、現職官僚時代には菅氏との接点もあった人物だ。
安倍政権の内政を担った菅氏は危険
安倍退陣で何思った？
「病気でお辞めになるのは我々にとって残念だ。やはり説明すべきは説明し、是正すべきは是正し、謝るべきは謝って、責任とって辞めてもらう、そういうのが望ましかった。病気ということですべてが免罪される、そういう雰囲気になっているのが問題だと思う。次を石破（茂）氏にしないための演出だった、という見方もある。党員投票すれば石破氏に行ってしまう」
そのレガシーは？
「ほとんど何も成し遂げてない。外交の安倍と言うが、拉致問題は何も解決しなかったし、プーチン露大統領とあれだけひざ詰め談判した形はとったが結局領土は１㍉も帰ってこない。韓国、北朝鮮、中国との関係も全く良くならない。メルケル独首相のように移民、地球温暖化、人権問題でしっかりと考え方を発信したわけでもない。世界の尊敬を集めるリーダーではなかった」
「経済政策では、アベノミクスでカンフル剤をどんどん打った。その結果何が起きたか。コロナ禍でこれだけ経済が停滞しているのに株価だけ高い異常な世界が現出した。我々の年金資産までつぎ込まれている。日銀もまた国債と株を大量に抱え込まされ、後始末しようにも出口が見えないところまで追い詰められた。一方で産業はどんどん劣化、日本経済は成長してない」
「安倍政権というのは、権力維持自体が目的化していた。そのためにあらゆる手段を使った。本来公僕であるべき官僚を私的に下僕化した。あるいは私兵化した。だから、政治が私物化し放題になった。大罪だ。私の役人人生を振り返っても過去の政権にはなかった。小泉純一郎政権も官邸主導と言われたが、郵政民営化など最終決定を小泉氏がするだけで、侃々諤々(かんかんがくがく)の議論を経ていた。私の仕事で言えば三位一体の改革というのがあって、最初に削減のターゲットにされたのは義務教育費国庫負担金だった。担当課長として自分の名前を出し徹底的に抵抗した。官邸に盾突いたと見られても仕方ないのだが、省内でも各省とも官邸ともきちんと議論ができた。左遷されることもなかった」
「安倍政権になって、官邸が肥大化し、官邸官僚と呼ばれる人たちが本来各省がやるべき政策の企画立案までやってしまう。各省はその下請け機関になっていた。霞が関を骨抜きにしたわけだ。自分になついてくる、というか、自分が信を置く少数の人間だけで決めてしまう。広く議論しない。だから、間違ったことがそのまま通ってしまう」
そしてモリカケ桜だ。
「いずれも権力の私物化だ。山口敬之(のりゆき)（元ＴＢＳ記者）氏のようにお友達だと捕まらないが、お友達でなくなると籠池泰典（森友学園元理事長）氏のように捕まってしまう。私物化は官邸官僚たちにも伝播(でんぱ)した。例えば、和泉洋人(ひろと)首相補佐官だ。お気に入りの女性官僚を同伴、宿はコネクティングルームを注文する。魚は頭から腐る。まさにそれが起きていた。にもかかわらず首相が責任を問われることなく、ごまかし続け、逃げ切ろうとしている。この手の政権は危ないと思っていたが、次の政権もこの体質を受け継ぐだろう」
菅義偉政権の流れだ。
「私は安倍氏以上に危険だと思う。安倍政権の権力を支え、内政を仕切ってきたのは、実質彼だからだ。霞が関に対する締め付けはさらにきつくなり、安倍時代以上の官僚の官邸下僕化、私兵化は進むであろう」
現職時代の接点は？
「次官を務めた２０１６年のことだ。作曲家の船村徹氏が文化勲章を受章したが、『菅案件』とも呼ばれた。船村氏の実績からすればそれほど不自然なことではなかったし、加計学園のような無理をしたわけではないが、少し優先順位を上げたということはあった」
「16年の文化庁長官人事でも菅裁定があった。馳(はせ)浩文科相の了解をもらって女性の候補（役人出身）を官邸に持って行ったら杉田和博官房副長官はいいと言ったが、菅氏は『ダメだ。文化人にしろ』となった。その後意中の人として伝わってきた宮田亮平芸大学長に差し替えたらすっと通った」
菅氏とは別の軋轢(あつれき)も？
「文科省の違法天下り問題の責任を取って17年１月20日に次官を辞めた時のことだ。菅氏が官房長官会見や国会答弁で私が地位に『恋々としがみついた』と批判したことがあったが、全くの誤りだ。むしろ私は責任を取りスパッと辞める意思を杉田副長官には１月５日の段階で告げており、意図的に話を捻(ね)じ曲げたとしか思えない。今でも名誉毀損(きそん)に当たると思っている」
菅氏の立候補会見見て。
「首相になって何がしたいのか、政策が見えない」
ふるさと納税と言う。
「菅氏はふるさと納税が大好きで、盾突いた総務省自治税務局長は飛ばされた」
霞が関死屍(しし)累々とも。
「文科省でも、菅氏の注文にちゃんと答えられなかったので飛ばされた幹部がいる、と聞く。会社でもワンマン社長がイエスマンばかり集めるとつぶれるという。霞が関もそうなりかけている。同じ長期政権でも小泉政権では百家争鳴、言いたいことが言えたが、第２次安倍政権ではピタッと止まった。安倍氏と言うより菅氏の体質だろう。これまでも『安倍・菅』政権だったが、そこから『安倍』がなくなっただけだ。本質は変わらない。むしろ統制色は強まるのではないか」
権力に従順な国民がつくられた
安倍総括に戻したい。
「コロナ対応の中でもひどかったのは２月27日の全国一斉休校要請だ。直前に北海道知事が全道休校してメディア受けが良かったのを見て官邸官僚たちが政治的パフォーマンスとして画策した。だが明らかに間違っていた。日本小児科学会が発表（５月20日）した見解によると、子供は感染リスク、重症化、致死率いずれも低く、学校での感染拡大リスクは低いことが判明した。高リスクの繁華街を放置し、真っ先に学校を全部休校にする、全く本末転倒な政策判断だったわけだ」
「深刻な後遺症が起きている、学校が感染リスクの高い場だ、という潜在意識を教師や保護者に植え付けた。学校再開後も怖くて行けない子がいる。学習の遅れは２カ月から４カ月分にも及んだ。取り戻すために現場がどれだけ苦労しているか。夏休みを切り詰め、授業時間を詰め込む。マスクをしたまま、場所によってはフェースシールドも付けろと、窮屈な授業をしている。恐らく不登校が急増するだろう。子供のスマホ、ゲーム依存が進んだ。生活困窮家庭の子供は学校の給食がなくなり栄養が取れなくなった。子供には大きな受難となった。明らかに人災であり、大本は安倍氏だ。国会で検証する必要がある」
家庭内虐待も懸念？
「全国児童相談所の５月の虐待対応件数は、前年同月比で６％減少しているが、児童・青少年に対する電話カウンセリング『チャイルドライン』では相談件数が激増している。減っているのは虐待ではなく、学校、保育園、病院からの通報であり、それに基づく児相の取り扱い件数だと見るべきだ。深刻で重大な事案が生じているが、現段階では見えずに潜在化している」
的外れの政策が国策化？
「官僚だけではなくて日本の統治機構全体が安倍１強支配の下に置かれた感があった。というのも、本来学校の休校を決める権限は地方教育委員会にある。仮に首相がそれを要請し、文科省が指導、助言したとしても、各教委がそれぞれの地域の実情に合わせて子供たちに危険があると思えば休校にするし、ないと思ったら休校にしなければいい。結果としては99％が休校した。長い物には巻かれろ、権力者には従う、という意識が霞が関だけでなく日本国全体に蔓延(まんえん)している」
もし次官だったら？
「面従腹背だ。首相の要請はそれとして伝えるが、全国の教委に電話して、自分たちで、学校ごとに考えてほしいと言ったと思う。全国一斉は理不尽だった」
安倍政権の教育政策は？
「第１次政権の教育基本法改正以来の国家主義的考えがさらに強まった。道徳を特別な教科に格上げ、検定教科書を必ず使うという縛りをつけ、国が決めた道徳を子供たちに押し付ける傾向が強まった。18年に小学校、19年中学校で始まった。特定の価値観を子供に刷り込み、権力に従順な国民を作ることになる」
安倍政権の私物化問題を徹底検証せよ
モリカケの最終総括を。
「私自身が経験した加計学園問題は、17年の文科省文書、18年の愛媛県文書を突き合わせれば事件の全容がわかってくる。要はこうだ。15年２月加計孝太郎理事長が安倍氏と面談、獣医学部新設計画を報告し、安倍氏が『いいね』とコメントした。その段階でトップ同士の話はついており、そのシナリオ通りに物事は進んだが、石破氏が地方創生担当相だった２年間は進まず、石破氏が退きまた再開した。２人は面談そのものを否定しているが、わざわざ加計学園の事務局長が愛媛県に報告した内容だ」
「一方、森友学園問題はまだ事実関係がはっきりしていない。なぜ国有地がタダ同然で払い下げられたのか。近畿財務局が勝手に忖度(そんたく)した、という話になっているが、政治との関わりがブラックボックスになっている。決裁文書改竄(かいざん)も然(しか)り。理財局長だった佐川宣寿(のぶひさ)氏以下でやったとなっているが、佐川氏が独断でやったかというと疑問だ。少なくとも官邸に報告なり了解を取っただろう。いずれも官邸との関係がなお謎だ」
「本来は政権交代という機を捉え、安倍政権の私物化問題を検証する特別委員会を国会内に設けて証人喚問し、国会が行政監視機能を発揮すべき場面だ。与野党がひっくり返らない限りできないと思うが、このままでは噓(うそ)をついて逃げた方が勝ちになってしまう」
現政局にメッセージを。
「（野党は）合流を機に政策で与党との対立軸を打ち出してほしい。一国主義的ではない外交、コロナ対策では検査を広げ、休業補償し、医療体制を充実する。新自由主義的経済政策を改め、公平公正な社会を作っていく。高等教育まではベーシックサービスとして提供し国民全体で応能負担していく。国が都合のいい人間を作る教育はやめる」
「（自民総裁選は）党員投票を実施、各候補が対等に戦える土俵を作るべきだった。石破氏には国民生活全体に責任を持とうという真っ当な感覚があるように思う。安倍、菅両氏の関心は自らの権力を維持、拡大すること。そういう人に政治をやってほしくない」
前川氏ならではの政権総括、新政権への見立てであった。さて、新首相指名後の政局である。「９月25日に臨時国会を召集、29日衆院を解散、10月13日公示、25日投票」説がある。菅氏は局面で勝負することで権力の高みに上ってきた人物だ。国民からの信認獲得、安倍同情、新政権ご祝儀票を期待できるこのタイミングを逸することはないのではないか、と予想する。
まえかわ・きへい
1955年生まれ。元文科省事務次官。文科省官房長、初等中等教育局局長、文部科学審議官などを歴任。加計問題を巡り「総理のご意向」を示す文書の存在を明言した
くらしげ・あつろう
１９５３年、東京都生まれ。78年東京大教育学部卒、毎日新聞入社、水戸、青森支局、整理、政治、経済部。２００４年政治部長、11年論説委員長、13年専門編集委員
- 0906サバクトビバッタの被害、パキスタンにも
増田さんが話していたサバクトビバッタ、今年はパキスタンにも出現するようになったようです。
- 0902梅公園で草刈り作業中に蜂に刺されました
今日は増田さんと壮瞥公園の風倒木を処理し、要所要所を草刈りしました。湖畔から上がってくる道の最初の右ヘアピンカーブの先４０ｍ、道路左際の直径５０ｃｍ程の木の、ＧＬ４０ｃｍあたりにスズメバチの巣があり５ｃｍ位の穴からハチが出入りしています。
それを知らずに向こうから草刈りをしてきて通りすぎた後に攻撃を受けました。右手に３カ所ほど、特に中指の第二関節あたりに刺されたのは、とても痛かったです。挙動や痛さからしてスズメバチだと思います。既に役場に早急に駆除する事をお願いしました。現場は、歩いて梅公園の山頂に向かう人もいますので・・・
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目次
輸送機 オスプレイ x 17機 = 3,600億円 イージスシステム イージスアショア x 2基 = 6,500億円 弾道弾迎撃ミサイルセット = 4,780億円 戦闘機 F35 戦闘機 x 147機 = 6.2兆円 いずも空母化 = 費用未定 F2 後継機 x 約90機? = 1.5兆円 F15 の98機改修関連機器 ⇨ 4900億円 F35 用空対空ミサイルと関連部品 ⇨ 349億円 警戒機 E2D 早期警戒機 x 9機 = 3000億円 無人警戒機 グローバルホーク x 3機 = 3000億円 高額兵器の年間維持費、これだけかかります。 どうなる国民の生活 2020年の防衛費、6兆円に近い「防衛費約5.7兆円」!- 0831コロナワクチンの副作用、製薬企業を免責
カタワになって行政訴訟を起こしても、早く死なないかなぁ、と裁判を長期化させるのが、行政（公務員）側の常でしたね。ミナマタやフクシマは、その社会問題がそのカタカナ表現に内包されます。世界に注視されるのですね。「健康被害が出た場合の製薬会社などの賠償責任を免除する・必要な救済措置は政府が講じる」これは原賠法と同じ構図ですね。
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連続在職日数が憲政史上最長＝「偉業」と評価する県庁職員の低俗・低劣な知性は、ワガクニの「自由」で「民主的な」とされるレベルを量り知るに足る「事件」だ。この際、税金の使い方が問題なのではない・・・
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- 0515東京高検検事長の定年延長についての元検察官有志による意見書
- 0513検察庁法改正案
- 0504梅公園３分咲き未満
- 0504美輪明宏さん
- 0326入管問題
- 0102タヌキ
- 0102風雪除け
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