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寺尾光身20060707AML7968軍ワタダ中尉を大統領侮辱で起訴;7年以上の陸軍刑務所入りに直面
寺尾光身20060706AML7967軍、ワタダ中尉を、侮辱、無作法行為および移動不履行で正式起訴
寺尾光身20060622AML7810不法な戦争に抵抗するエレン・ワタダ中尉の母からの公開書簡
益岡賢20060610抵抗する勇気 抵抗する勇気(2) OLSONSarah20060609ZNet
今井恭平20060610AML7532エレン・ワタダ中尉の声明 原文 Video VideoSubtitled(ビデオ英日字幕付)

寺尾光身20060707AML7968軍ワタダ中尉を大統領侮辱で起訴;7年以上の陸軍刑務所入りに直面 原文

7月5日、米国陸軍中尉エレン・K・ワタダ中尉は、軍事司法統一法典の3カ条、すなわち、移動不参加(第87条)、上官に対する侮辱2件(第88条)-特にG.W.ブッシュ大統領に対する、そして、将校・紳士にあるまじき不作法行為3件(第133条)によって、正式に起訴された。この6件の起訴全てに高等軍法会議で有罪となれば、ワタダ中尉は7年以上の陸軍刑務所入りを言い渡されることも有り得る。

ワタダ中尉の弁護士エリック・ザイツ氏は今朝、「移動不参加罪は予想していたが、侮辱罪、無作法罪には虚を突かれた感じで、ワタダ中尉の言辞の内容の再検討を必要とし、米国憲法修正第1項(訳者註:言論の自由条項)の重要問題を提起するものだ。我われは軍がこれらの問題を法廷の場で議論する機会を与えてくれたことに、満足している」と語った。

これまでの第88条に関わる訴追は、ほとんどが南北戦争と第一次世界大戦時のものであり、知られている直近の訴追は1965年だった(ハウ対米国)。ハウ小尉はベトナム戦争に反対していた。(訳者註:ヘンリー・ハウ(Henry Howe)少尉が米軍基地へのデモに私服でプラカードを掲げて参加し、軍法会議に掛けられ重労働2年に処せられた。おだやかな政治的意思表示にたいしては罰が厳しすぎるというのが、大方の評価だった)

ワタダ中尉が6月22日にイラクへの移動を拒否する前から、軍は中尉の発言に調査を絞っていた。実際の起訴によって、軍の主要な意図がワタダ中尉の異議を黙らせることにあることが確認された。

全国啓発および行動キャンペーンで対応

私たちは皆さんに、個人としてまた団体として、向こう数週間から数カ月、米国陸軍エレン・K・ワタダ中尉支援のためにできる限りのことをしてくださるようお願いいたします。

私たちは、ワタダ中尉の行動が、不法な戦争と占領に立ち向かい終結させるという、また、不法な戦争、占領および戦争犯罪に加われとの不法な命令を拒否する意思を貫いている勇気ある兵士や将校を支援するという、歴史的な機会を与えてくれていると確信しています。私たちは、ワタダ中尉の行動を、より良い、公正でより平和的な世界へ向かう意義深い一歩と位置づけたいと思います。

国際行動日;フォート・ルイスでの大衆行動

ワタダ中尉の家族・友人たちは、中尉の軍法会議が予定されている日-恐らく9月の何日か-の前日に、国際支援行動を行うよう呼びかけています。

私たちは諸団体に、自分の地域の適当な場所(連邦ビル、兵士募集センター、目立ちやすい交差点など)で、デモ、集会、行進、パレード、ビジル、それに啓発行動の企画を練り始めることを願っています。

太平洋岸北西地域の個人・団体、移動可能な仲間たちは、行われる軍法会議に向け、軍法会議前の一連の啓発行動に向けて、フォート・ルイス(シアトル/タコマの南、オリンピアの北)に集結して下さい。

不法な戦争と占領に対する啓発と反対行動

私たちは支援してくださる皆さんに、向こう数カ月、所属する団体、ネットワーク、地域社会に、ワタダ中尉の行動について、イラクに対する戦争と占領が不法であることについて、啓発をして下さるようお願いします。

やり方としては、様ざまなニュースレターやウェブサイトへの記事の掲載、編集者への手紙や論説の投稿、ティーチイン、ビデオ上映、などがあります。

私たちは向こう数日から数週にかけて、啓発のアイディア、資料(ビデオ、ティーチインのアイディア、ダウンロード可能な啓発用資料など)の最新の情報を送ったり、ウェブサイトに掲載するなどなどをするつもりです。

ワタダ中尉支援キャンペーンの目標

ワタダ中尉に対する支援キャンペーンがめざす目標は、以下の通りです。

  1. ワタダ中尉を処罰させないこと
  2. 不法な戦争と占領への参加を拒否することによって、国際法、軍法、アメリカ合州国法を遵守しているワタダ中尉たちにたいして、膨大な市民による支援を形成すること
  3. 無法なイラク戦争と占領を非合法化すること。
  4. 不法な戦争と占領を拒否する者を訴追したり、不法なイラク戦争と占領を継続することが、社会的にも、政治的にも、経済的にも大きな代償を払わねばできないような状況を作ること

以上、翻訳:寺尾光身


寺尾光身20060706AML7967軍、ワタダ中尉を、侮辱、無作法行為および移動不履行で正式起訴 原文

マスコミへのお知らせ~直ちに公表 エレン・ワタダ中尉の家族と友人たち

フォート・ルイス、ワシントン州-本日、2006年7月5日、エレン・K・ワタダ中尉は、軍事司法統一法典の3カ条、すなわち、移動不履行(第87条)、上官に対する侮辱2件(第88条)、そして、将校・紳士にふさわしくない無作法行為3件(第133条)によって、正式に起訴された。この6件の起訴全てに高等軍法会議で有罪判決が出ると、ワタダ中尉は7年以上の陸軍刑務所入りを言い渡されることも有り得る。

ワタダ中尉の弁護士エリック・ザイツ氏は今朝、「移動不履行罪は予想していたが、侮辱罪、無作法罪には虚を突かれた感じで、ワタダ中尉の言辞の内容の再検討を必要とし、米国憲法修正第1項(訳者註:言論の自由条項)の重要問題を提起するものだ。我われは軍がこれらの問題を法廷の場で議論する機会を与えてくれたことに、満足している」と語った。これまでの第88条に関わる訴追は、ほとんどが南北戦争と第一次世界大戦時のものであり、知られている直近の訴追は1965年だった(ハウ対米国)。ハウ小尉はベトナム戦争に反対していた。(訳者註:ヘンリー・ハウ(Henry Howe)少尉が米軍基地へのデモに私服でプラカードを掲げて参加し、軍法会議に掛けられ重労働2年に処せられた。おだやかな政治的意思表示にたいしては罰が厳しすぎるというのが、大方の評価だった)

全国のワタダ中尉支援者たちには、再度支援行動が呼びかけられ、広範な啓発行動キャンペーンの計画が練られている。ピュージェット・サウンド地域(訳者註:ワシントン州シアトルのピュージェット湾地域)の諸グループは明日7月6日午後5時に、州間道路5号線を越える119番出口のフォート・ルイスへの入り口に隣接する高架交差路で集会を持つことになっている。先週、6月27日には30を越える都市で1000人以上の市民がワタダ中尉と共に立ち上がる全国行動日に賛同して集会を行った。

ワタダ中尉は最初イラク戦争と占領が違法であることに抗議して、2006年1月に黙って辞職しようとした。6月7日の声明のビデオ(avi3分31秒25MB)でワタダ中尉は次のように宣言している。「重大な不正義に反対して発言することは、アメリカ合州国陸軍の一将校という立場にある私の義務である」と。6月22日、ワタダ中尉は第3ストライカー旅団の一員としてイラク行きの航空機に搭乗することを拒否し、配備命令を公然と拒否した最初の将校となった。

「イラクにおける戦争は道義的に許されないばかりでなくアメリカの法律を恐ろしいまでに侵害している、というのが国軍の一将校としての私の結論です。不法な行為に参加せよとの命令はやはり違法ですから、名誉と誠実を重んずる一将校として、私はそのような命令を拒否しなければなりません」とワタダ中尉は説明した。

イラクでアメリカ合州国が行っていることに反対の意思を表明する軍高官、陸軍士官学校卒業者、現役および元の従軍者の数は増えつつあるが、ワタダ中尉はそこに加わることになる。

ワタダ中尉の家族と友人たちからの情報を更に得たい方はこちらのサイトをご参照ください。


寺尾光身20060622AML7810不法な戦争に抵抗するエレン・ワタダ中尉の母からの公開書簡 原文

寺尾@多治見です。エレン・ワタダ中尉の母親、キャロライン・ホーさんの公開書簡を送ります。原文はtruthout.orgから取りましたが、ThankYouLt.orgのページでも読むことができます。

私はこれまで「アーレン・ワタダ」と表記してきましたが、「エレン・ワタダ」の方が実際の発音により近い、ということですので、今後は「エレン・ワタダ」を採用することにします。混乱を招いたことをお詫びします。

転送・転載歓迎。

―――――――― 以下翻訳 ―――――――

不法な戦争に抵抗するエレン・ワタダ中尉の母からの公開書簡

キャロライン・ホー

2006年6月22日(木)

私は、フォート・ルイスに駐留する一将校、エレン・ワタダ中尉の母です。息子はイラクに今日派遣されたストライカー旅団に属しています。部下との強い絆をもちながらも、また民主主義の理念を深く信奉しながらも、息子は部下と行動を共にすることを選択しませんでした。息子の決意は、熟慮を重ね、軍部・政府部内や在野のいろいろな分野のエキスパートの方がたと検討し協議した末のものでした。

息子は、確かな事実を検討吟味した結果、民主主義の名の下に残虐行為の数かずが行われている今、もう黙っていることはできない、という結論に至ったのでした。だましと嘘を使って一方的に仕掛けた戦争を肯定するような政権の手先に留まっていることは、もはやできなかったのです。

軍を構成するものの一人として、アメリカ合州国憲法を守ることを誓った息子は、侵略戦争に、国民としての私たちの立場を掘り崩すような国際法に違反する不法な戦争に、盲目的に加わることを拒否しています。将校としての宣誓に暗に込められているのは、不法な命令にはいかなる命令にも服しない、ということです。なぜなら、そのような命令を実行すれば、犯罪行為の加担者となってしまうからです。さらに、侵略戦争に参加するよう部下に命じれば、罪は千倍にも重くなります。息子の良心がそんなことを自分にさせるわけがありません。息子は、この戦争に反対の立場を取り続けることによってこそ、部下に最も良くつくすことができるのだ、と信じているのです。そのように行動することによって、軍隊においてさえ、正しいことを選び取る自由を放棄しない者が居ることを、正しいことを選び取る自由は、部下と軍組織に対する忠誠に由来しているということを、息子は行動で示しているのです。

一人の母親としては、息子の安全と将来が心配でしたが、起こったこと全てにより高い目的があるのだ、ということが分かるまでに今はなりました。私の息子はもはや十字路に立ち止まってはいません。息子は「人のあまり行かない道」を選んだのです。何が起ころうと、敢然とその道を歩み続けます。

エレン・ワタダ中尉への支持をご自身で確認するために、6月27日の全国行動日にお出かけください。この日、全国で多くのグループが平和なデモ、祈祷会、ろうそくを灯して行うビジル、パレード、ビラまき、新兵志願者に助言するための新兵募集事務所訪問、などなどを行います。詳細については各地の主催団体にお問い合わせください。

ワタダ中尉関連の最新のニュースや行動は、以下のウェブサイトをよくご覧下 さい。 www.thankyoult.org あるいは www.couragetoresist.org

心からの感謝をこめて

キャロライン・ホー、エレンの母、

以上、翻訳:寺尾光身

~~~~~~~~~~~ 以下、原文 ~~~~~~~~~~~~~

Open Letter From Mother of Lt. Ehren Watada, Resister of Illegal War By Carolyn Ho

Thursday 22 June 2006

I am the mother of Lt. Ehren Watada, an officer stationed at Ft. Lewis. He is part of a Stryker brigade unit that deployed today to Iraq. Despite an unflinching commitment to his men and to democratic ideals, he chose not to accompany his men. His decision came through much soul-searching and through research and consultation with experts across disciplines, inside and outside of the military and the government.

After weighing the evidence, he came to the conclusion that he could no longer be silent while atrocities were committed in the name of democracy. He could no longer be a tool of an administration that used deception and lies to make the case for pre-emptive war.

As a member of the armed forces, sworn to uphold the US Constitution, he refuses to blindly participate in a war of aggression, an illegal war that undermines who we are as a nation and violates international law. Implicit in his oath as an officer is the duty to disobey all unlawful orders, for to carry out these orders renders him an accomplice to a criminal act. Furthermore, to order his men to participate in a war of aggression multiplies his guilt a thousandfold. His conscience will not permit him to do so. He believes that he can best serve them by taking a stand against the war. In so doing, he demonstrates that one does not relinquish the freedom to choose what is right, even in the military, and that the freedom to choose what is right transcends the allegiance to man and institutions.

As a mother, I have evolved from fearing for his safety and for his future to the realization that there is a higher purpose to all that has transpired. My son no longer stands at the crossroads. He has chosen "the road less traveled." Come what may, he is committed to staying the course.

I invite you to affirm your support of Lt. Ehren Watada on June 27th, National Day of Action. On this day, groups across the country will participate in peaceful demonstrations, prayer services, candlelight vigils, parades, leafleting, visitations to recruitment stations to provide counsel to prospective recruits, etc. Please contact your local organization for details.

For updates on news and actions regarding Lt. Watada, please check out: www.thankyoult.org or www.couragetoresist.org.

My deepest thanks,

Carolyn Ho, Ehren's Mom


今井恭平20060610AML7532エレン・ワタダ中尉の声明

原文 Video VideoSubtitled

日本語訳は今井さんの訳を元に、笠井が、字幕用に整形しました。部分的に意訳も追加しています。(一朗20060709)

今井です。現役将校として、公然とイラク派兵への抗議に立ったエレン・ワタダ中尉の声明を訳しました。彼が日系米人であることを誇りに思います。 以下、転載歓迎です。(翻訳していて涙が出ました)

声明 エレン・ワタダ中尉 2006年6月7日

家族、友人、信仰心篤い地域のみなさん、マスコミのみなさん、そしてすべてのアメリカ人同胞のみなさん。本日はおこしいただき、ありがとうございます。

私はエレン・ワタダと申します。アメリカ合衆国陸軍中尉であり、3年間服務しています。

合衆国陸軍の将校として、重大な不正義に対して声を上げることは自分の義務であると考えます。私の道徳と法的義務は、憲法に対するものであり、無法な命令を下す者に対して負うものではありません。きょう私がみなさんの前に立つのは、兵士たち、アメリカの民衆、そして声を上げることもできない罪なきイラクの人たちのために何かを行い、彼らを守ることは私の任務だと考えるからです。

米国軍隊の将校として、イラク戦争は道義的に過ちであるばかりでなく、合衆国の法をも手荒く侵害する行為であるという結論に達しました。私は抗議のために退役しようと試みましたが、にもかかわらずこの明白に違法な戦争に加わることを強制されています。違法行為に参加するようにという命令は、間違いなくそれ自身が違法です。私は、名誉と品性を重んじる将校として、この命令を拒否しなければなりません。

イラク戦争は、抑制と均衡というわが国の民主的システムを侵害しています。この戦争は、憲法の規定によってアメリカの国内法と同等とされる国際条約や国際的慣習に違反しています。ほとんど満足な説明もなされていないイラク民衆への大量殺戮と残虐行為は、道徳的に重大な誤りであるにとどまらず、陸上戦に関する軍事法そのものの違反行為でもあります。この戦争に参加すれば、私自身が戦争犯罪の片棒を担ぐことになるでしょう。

平常であれば、軍隊にいる人間も、自分の思うことを話し、自分の利益になるよう行動することは許されます。そうした時代は終わってしまいました。私は上官に対して、われわれの行動の意味するところを大局に立って判断するよう求めました。しかし、まっとうな回答は得られそうにありません。私は将校に就任するとき、アメリカの法と民衆を守ることを宣誓しました。違法な戦争に参加せよとの違法な命令を拒むことにより、私はその宣誓に従います。 ありがとうございます。

~~~~~~~~~~~ 以下、原文 ~~~~~~~~~~~~~

Statement of Lt. Ehren Watada (June 7, 2006)

- Family, Friends, Members of the Religious Community, Members of the Press, and my fellow Americans - thank you for coming today.

My name is Ehren Watada. I am a First Lieutenant in the U.S. Army and I have served for 3 years.

It is my duty as a commissioned officer of the United States Army to speak out against grave injustices. My moral and legal obligation is to the Constitution and not those who would issue unlawful orders. I stand before you today because it is my job to serve and protect those soldiers, the American people, and innocent Iraqis with no voice.

It is my conclusion as an officer of the Armed Forces that the war in Iraq is not only morally wrong but a horrible breach of American law. Although I have tried to resign out of protest, I am forced to participate in a war that is manifestly illegal. As the order to take part in an illegal act is ultimately unlawful as well, I must as an officer of honor and integrity refuse that order.

The war in Iraq violates our democratic system of checks and balances. It usurps international treaties and conventions that by virtue of the Constitution become American law. The wholesale slaughter and mistreatment of the Iraqi people with only limited accountability is not only a terrible moral injustice, but a contradiction to the Army's own Law of Land Warfare. My participation would make me party to war crimes.

Normally, those in the military have allowed others to speak for them and act on their behalf. That time has come to an end. I have appealed to my commanders to see the larger issues of our actions. But justice has not been forthcoming. My oath of office is to protect and defend America's laws and its people. By refusing unlawful orders for an illegal war, I fulfill that oath today.

Thank you.