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日本プレスクラブ企画「311大震災」20110405飯田哲也(環境エネルギー政策研究所) Youtube Audio1h05m59s7733kB

日本記者クラブ企画「311大震災」20110405飯田哲也(環境エネルギー政策研究所) Youtube Audio1h05m59s7733kB

シリーズ「3・11大震災」の第一回として、原子力・エネルギー政策を専門とする飯田哲也さんが「二度と悲劇を繰り返さないための6戦略」を発表し、質問に答えた。福島第一原発について「石棺封じ込め方式への転換」などの出口戦略を説明した。

≪「石棺化に早く転換するしかない」「日本の原子力技術では手に負えない。世界の科学と研究者を借りるしかない」≫

飯田哲也さんは、無策、無能、無責任の「原子力村」では対応できていないし、水による冷却もあきらめた方がいい、と述べ、「出口戦略に移るべきだ」と主張した。その内容として①「原発震災管理官(仮称)」を任命し、指揮をとらせる②石棺で、崩壊熱を管理しながら閉じ込める③リアルタイムの放射能モニタリングを展開する④実測・予測データに基づき避難地域を再設定する⑤日本原子力研究開発機構(年間予算2000億円)の改廃などで、恒久的な事故処理機関を設置する⑥東京電力の賠償責任と、原発埋蔵金である再処理積立金(3兆円)などを活用した国の補償――をあげた。石棺については、ロボットでできる唯一の方法であり「これしかない」と述べた。

さらに、▽浜岡原発など地震リスクに脆弱な原発の緊急停止命令を政府が出す▽原子力安全保安院など既存の規制機関を廃止し、独立した安全規制機関を新設する③全国一体の送電会社を創設し、地域独占・鎖国状態の電力市場を改革する――などを提唱した。そのうえで、自然エネルギーへの投資を進め、2020年に自然エネルギーの比率を30%に引き上げることを訴えた。計画停電を実施しなくても対応可能な方法も説明した。

福島第一原発の現状について「注水で、良くもなく悪くもない均衡状態が継続し、作業員被ばくと放射能流出がだらだらと続くいている。再臨界のリスクや水蒸気爆発のシナリオはゼロではない」と指摘した。

司会 日本記者クラブ企画委員 瀬川至朗
環境エネルギー政策研究所のホームページ(会場で配布された2つの戦略ペーパーを掲載している)
http://www.isep.or.jp/