Previous/阿部政雄 アラブ文化芸術情報(阿部政雄
阿部政雄20041130アラブ文化芸術情報(15)2度と戦争の加害者になってはならない ほか
阿部政雄20041120アラブ文化芸術情報(14)広い国際的視野と日本の歴史的使命を考えよう ほか
阿部政雄20041109アラブ文化芸術情報(13)加害者としての日本の戦争史も振り返ろう ほか
阿部政雄20041101アラブ文化芸術情報(12)イラク戦争を正当化するための「国際的」という隠れ蓑を与えないで ほか
阿部政雄20041026アラブ文化芸術情報(11)映画「日本の戦争」上映会を成功させよう ほか
阿部政雄20041018アラブ文化芸術情報(10)イラク戦争支持は犯罪 首相は自己責任を ほか
阿部政雄20041011アラブ文化芸術情報(9)戦中派からの一言 ほか
阿部政雄20041005アラブ文化芸術情報(8)アラブ文化情報発行の趣旨 ほか
阿部政雄20040930アラブ文化芸術情報(7)バンドン10原則は文化交流の基盤 ほか
阿部政雄20040924アラブ文化芸術情報(6)書評『自衛隊のイラク派兵 ― 隊友よ、殺すな、殺されるな!』 ほか
阿部政雄20040918アラブ文化芸術情報(5)戦争は人の心の中に生まれる ほか
阿部政雄20040912アラブ文化芸術情報(4)「日本の戦争」は戦争の悲惨さを追体験させる ほか
阿部政雄20040906アラブ文化芸術情報(3)壮大な鎮魂歌「日本の戦争」全5巻 全国上映を ほか
阿部政雄20040830アラブ文化芸術情報(2)「アラブ映画祭2005」プレイベント ほか
阿部政雄20040824アラブ文化芸術情報(1)エジプト大使館文化部アラビア語講座 ほか
以下、転送歓迎
  •     日本アラブ通信 編集長
  •     日本ペンクラブ国際委員
  • 元東海大学国際学科講師(中東)
  •            阿部政雄
  •     masao-abe@hi-ho.ne.jp

阿部政雄20041130アラブ文化芸術情報(15)

■■■■■■■■■■■■■■■ 1)巻頭言 2度と戦争の加害者にならないで
■             ■ 2)映画「日本の戦争」シリーズ 国会での上映会
■ アラブ文化芸術情報   ■ 3)憲法行脚の会「ノーモア12・8の集い」
■             ■ 4)大正バイオリン演歌ショウ
■  阿部政雄 No.15  ■ 5)イラクへ気持ち込め ナスィール演奏/長崎
■             ■ 6)モハマド君が被災者激励「頑張りましょう」
■■■■■■■■■■■■■■■ 7)新刊紹介 世界は変えられる II
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●1)巻頭言 2度と戦争の加害者になってはならない

 日米開戦の日、12月8日が近づいてくるようになると、何時もあの開戦の朝の勇
壮な軍艦マーチのあとの「臨時ニュースを申し上げます! 臨時ニュースを申し上げ
ます! 大本営発表。帝国陸海軍は本8日未明、西太平洋において、米英両国と戦闘
状態に入れリ」というラジオニュースとともに、その2日ほど前にラジオで聞いた謡
曲「紅葉狩」を思い出す。

 あれは、アメリカとの開戦の1941年12月8日の2日前の夜10時頃、当時の
JOCK(今のNHKの中部放送)のラジオでした。旧制中学一年生だった小生は、
この「紅葉狩」に聞き入っていました。

 物語は、信州戸隠の山中で、女達が紅葉狩の酒宴の場から始まります。
 鹿狩りに来て通り逢わせた平惟茂(これもち)は、誘われるままに酒宴の席に付き、
山奥に不似合いとは思いながら、女達の舞に盃を重ね、ついに酔い臥します。惟茂が
眠ると、舞のテンポは急変し、凄まじい夜嵐の音とともに女達は消え失せ、夢の中で
八幡神から身の危険を知らされた惟茂が目を覚ました時、雷鳴が天地に響き、鬼が現
れ襲い掛かりました。惟茂は八幡神護を信じて戦い、ついに鬼を斬り伏せたというス
トーリーです。

 うとうとしながら聞いていたのですが、アナウンサーは、この鬼達の姿こそアメリ
カの正体だと解説していました。私も、いざアメリカと戦争になれば、いづれ戦場に
送られるだろうという緊張感もあったのか、横笛、小鼓の軽快なテンポと相まって、
この『紅葉狩』は鮮明に記憶しています。

 そして、今の小泉首相の姿というのは、アメリカの傭兵としてアメリカ軍に奉仕さ
せられながら、日本の帝国主義の復活を目指すこの鬼となってしまっているのではな
いかという思いです。

 万一、イラクと交戦ともなり、自衛隊員が殺されたり、イラク人を殺傷してしまえ
ば、これまで中東地域で「手を汚してこなかった」日本は、一瞬のうちに「アラブ人
の血にまみれた」日本に変貌してしまうでしょう。それは、日本ばかりでなく、他の
国籍の人びとが嘆いている「暖かい笑顔で歓待」してくれたのが「冷たい疑いの視線」
になってしまうでしょう。

 イラクの建設は日本がしますと言っても、石油を輸入したいと言っても、これまで
のように、優先的に取り引きしてくれるというより、後回しにされても止むえないこ
とです。つまり、オイルショック以後これまで日本が営々と築き上げてきたアラブ諸
国にみなぎる親日感情は蒸発してしまい、それを復興するのに、今後何十年かかる
か、あるいは、もう来ないのかも判らない状態になってしまうでしょう。

 私は、「親日感情の沁み通った肥沃なアラブ大地」から「日本はやはりアメリカと
一心同体の植民地主義国家」という烙印が定着し、これまで、商社マン、戦前から親
身になって中東との関係強化に献身してきた先駆的外交官、そして湾岸戦争頃から、
現地で活動したNGOの人びとの築いてきた成果は崩壊し、金額で計り知れない程の
アラブ中東地域の人びとの日本に寄せる「期待エネルギー」はうたかたのように消え、
むしろ「反発エネルギー」の方が高くなるでしょう。

 本当にとうとう、アラブ諸国民から見て、日本がアラブにとって大事な人びとであ
るかどうかを最終的に判断される土壇場にまできてしまった。

 これは、日本の政治全体の問題と思う。イラクから目の再治療に来ているイラクの
モハメッド君(10才)が新潟の長岡市で避難生活を続けているお年寄りを日本語で
励ましたように、「一緒に頑張りましょう」という言葉につきるのではないか。

 アメリカの崩壊の方向に一歩一歩近付いているブッシュ政権はもちろん、アメリカ
とともに泥沼に沈む込もうとしている日本の未来を守るためにも、「頑張りましょう」
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●2)映画「日本の戦争」シリーズの国会での上映会にぜひ参加を!
           日 時:12月8日(水)
           会 場:参議院会館第3会議室
           開 場:13時 13時30分上映開始
        入場料金は無料(カンパは受け付けています)

映画「日本の戦争」シリーズ     ■日韓併合への道         30分
■朝鮮半島植民地支配の実態 28分 ■太平洋戦争への道 中国大陸侵略 30分
■太平洋戦争と東南アジア  29分 ■太平洋戦争と沖縄        35分

問い合わせ先:      倉橋澄子  Tel/Fax 03-3470-4141  
 岡 禮子  Tel/Fax 03-3765-8335 中村正子  Tel/Fax 03-3713-3172
 中津義人  Tel/Fax 03-3759-7920  Email nakatsu@mxh.mesh.ne.jp
 川崎けい子 Tel/Fax 03-3871-0539  Email k-grim@fb3.so-net.ne.jp
 阿部政雄  Tel 03-2\3716-5563   Email masao-abe@hi-ho.ne.jp

◆上映会参加者への通行証配布について
    スタッフが上映会の案内を持って参議院会館入り口に立っていますので、
    そのスタッフから通行証をもらって入館してください。
◆交通アクセス
 東京メトロ丸の内線・千代田線 国会議事堂前駅/有楽町線・南北線 永田町駅
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●3)憲法行脚の会「ノーモア12・8の集い」のご案内

12月8日は何の日だかご存知ですか? 1941年(昭和16年)12月8日は、
日本軍が真珠湾攻撃をした日です。二度と日本が戦争をしてはならないと、この日の
集会となりました。ぜひご参加ください。

日時:12月8日(水) 午後5時半~8時
場所:千代田区神田駿河台3-2-11
    03-3253-1771    http://www.sohyokaikan.or.jp/
    総評会館2F大会議室
会費:無料
お話しする人:野中広務さん、土井たか子さん、佐高信さん、
       落合恵子さん、小室等さん(歌)
主催:港区赤坂2-10-16赤坂スクエアビル6F-B
    電話:03-5570-5503
    FAX:03-5570-5504
    憲法行脚の会
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●4)「レイバーフェスタ2004」~「労働」を観よう・聴こう・話そう~

      大正バイオリン演歌ショウ
■日時 2004年12月4日(土)
  <夜の部>午後6時開場、午後6時15分開演  なかのゼロ小ホール
      (JR中野駅南口5分/03-5340-5000/中野区中野2-9-7)
<第二部> 魅力ある労働運動を求めて(会場/なかのゼロ小ホール)
18:15 音楽 (社会風刺たっぷりの)バイオリン演歌ショウ
  佐原新月(本名 阿部政雄)とおしげ、お富さん
 (オッペケぺ、ノンキ節、さすらいの唄など歌います。乞うご期待、
  小生の友人、知己の皆さんのご来場お待ちしています)
18:40 マイケル・ムーア『ロジャー&ミー』上映(90分)
20:15 ミニシンポジウム「魅力ある労働運動って何?」
*映画を受けて、元気なユニオンメンバーによる徹底討論! 21:15 終演(懇親会へ)
■参加費 一般当日1200円
     前売り・電話予約1000円   障害者・学生・失業者200円引き
■主催:レイバーフェスタ実行委員会
電話03-3530-8590/FAX03-3530-8578 メール laborfesta2004@freeml.com
ホームページ http://www.labornetjp.org/
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    ★ オッペケぺ ★
先駆的演歌の代表作オッペケペは、音楽的要素はたしかに貧弱ですが、しかし、よっ
く聴いていると、その内容は充実し、腐敗した当時の社会に対する批判の鋭さは、今
でも十分通用する見事なものです。明治23年(1899年)頃の作品で、社会的に
大きな反響を与えました。
 壮士俳優 川上音次郎によって舞台で歌われましたおッペケペの一節を紹介します。

    物価騰貴の今日に 細民困窮省みず
    目深にかぶった高帽子 金の指輪に金時計
    権門貴顕に膝を曲げ 芸者たいこに金を蒔き
    内には米を倉につみ 同胞兄弟見殺しに
    いくら慈悲なき欲心も 余りに非道な薄情な
    但し冥土のお土産か 地獄で閻魔に面会し
    賄賂使うて極楽へ 行けるかえ ゆけないよ 
      オッペケぺー オッペケぺッポーぺッポーポー

(リズミカルに歌うと、中々味があります。このオッペケぺ、若い人に人気があるこ
とを知り嬉しく思っています。)
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●5)祖国イラクの人々に気持ち込め 28日にナスィールさんコンサート/
   長崎被爆地ナガサキから平和と癒やしを
(ナスィール氏とはバグダードの音楽祭の折に会った時、何時の日か原爆の被災国日本
を訪問したいと熱意を込めて語っていたのを思い出す。その静かで、繊細な演奏は心
に沁みてくる。これをきっかけでイラクやアラブとの音楽の交流の活発化を願って止
まない)
 戦火の祖国の人々を思い、被爆地ナガサキから平和と癒やしの音楽を――。イラク
人音楽家、ナスィール・シャンマさん(41)がこんな気持ちを込め、28日に長崎
市でコンサートを開く。独立行政法人・国際交流基金の招きで初来日し、本人の強い
希望により長崎での日本初公演が実現することになった。【横田信行】
 ナスィールさんはイラク南部アル・クート生まれ。イラクが発祥の地とされるアラ
ブの伝統的弦楽器、ウードの世界的な奏者。ウードは琵琶に似た弦楽器で癒やしの音
色として知られる。現在はエジプト・カイロ在住。
 代表曲には、広島原爆の犠牲者にささげる「ヒロシマの苦しみ」▽イラン・イラク
戦争で片腕を失った友人のために書いた「Oriental Love Story」
▽湾岸戦争で誤爆されて死亡した市民への追悼曲「アーミリーヤの出来事」などがあ
り、戦争の悲惨さや平和への祈りを込めた曲も少なくない。
 コンサートではアラブの伝統的楽器と西洋の楽器との混成のスペシャルユニットを
結成する。11月26日朝刊(毎日新聞)

シャンマ氏の東京でのコンサートは、12月2日と3日 午後7時から
 国際交流基金フォーラムで  問い合せ Tel.03--5563-3530
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●6)モハマド君が被災者激励 握手し「一緒に頑張りましょう」

    「感激して、元気を貰った」と坂牧さん(71才)

 再来日したイラク人少年モハマド君(10)と、イラクで殺害されたジャーナリス
ト橋田信介さんの妻幸子さん(51)が28日、新潟県長岡市を訪れ、中越地震で避
難生活を続ける山古志村の人たちを励ました。
 長岡大手高校体育館で、モハマド君は「地震のことをニュースで知って悲しかった。
日本に来たら必ず来たいと思っていた」とあいさつ。この日のために覚えたという日
本語で「一緒に頑張りましょう」と呼び掛けると大きな拍手が上がった。
 モハマド君は「頑張りましょう」と声を掛けながら握手して回り、農業坂牧吉太郎
さん(71)は「わざわざ来てくれて本当にありがたい。感激して元気をもらった」
と話した。(共同通信) - 11月28日
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●7)新刊紹介 世界は変えられる II 戦争の被害者って? 加害者って?

TUP(平和をめざす翻訳者たち) 監
4-6 288頁 税込 1,890円(本体 1,800円)  出版社 七つ森書館
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●講演、大正バイロリン演歌、アラブのカラー写真展など行います。
 最近、2、3の講演会を開いて頂きました。またバイオリン演歌も好評です。
 関心ある方は、メールでお問い合わせ下さい。masao-abe@hi-ho.ne.jp(阿部政雄)

阿部政雄20041120アラブ文化芸術情報(14)

■■■■■■■■■■■■■■■ 1)巻頭言 広い国際的視野と
■             ■        日本の歴史的使命を考えよう
■ アラブ文化芸術情報   ■ 2) 12月8日(日本の戦争)試写会へ
■             ■ 3) 大正バイオリン演歌ショウ(阿部ほか)
■  阿部政雄 No14  ■      レバーフェスタで12月4日
■             ■ 4)イラク人医師、モハメドさんから私たちへ
■             ■ 5)奪われるファルージャ スレーマン
■■■■■■■■■■■■■■■ 6)いつの日か新幹線をイラクで JR西2労組
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1)巻頭言 広い国際的視野と日本の歴史的使命を考えよう
       ファルージャの虐殺は広島、長崎の虐殺と同根
      国際連帯の広がりととともに、歴史的認識を深めよう

 ファルージャへの米軍の猛爆から、私は広島、長崎の原爆投下を反射的に思い出す。
地球の寿命にも等しい45億年も放射能を温存する劣化ウラン弾を平然とまき散らす
こうしたネオコンの所業に鬼か蛇かとはらわたが煮えくり返る思いがする。

    娘のしあわせを励ます死んだ父親、名作映画「父と暮らせば」

 黒木和雄監督「父と暮らせば」(井上ひさし原作)は、前から見たいと思っていた
映画なので、16日日曜日、岩波ホールで見てきた。一瞬にして十幾万人の尊い人命
を奪う恐ろしい原爆の犠牲となった父親が生き残った愛娘に、「生き残ったことを負
い目に思ってはだめだ。勇気を持って幸福に生きるんだ」という励ます感動的なこの
映画を見ていると、あの太平洋戦争を辛うじて戦場に送られる寸前に生き延びた私に
とって、死んだ父親が生き返って娘に、しあわせな結婚をするんじゃとかんで含める
ように説き聞かせる姿は、自分の姿と思った。終戦末期、豊田市の郊外で、空母から
発進した艦載機に林の中に逃げ込んだ私を、ウサギ狩りのように、機銃掃射をされ、
松の根元でふるえていた自分を思い出す。私自身の半分は幽霊ではないかと言う思い
がつよい。

   マリア、もし君が行けば、ぼくも行くんだ 感動の映画「誰がために鐘が鳴る」

 この映画を見ていて鮮烈に蘇るのは、ヘミングウエイ原作の「誰がために鐘が鳴る」
(ゲーリィ・クーパー、イングリッド・バークマン主演)である。あの映画のラスト
シーンで、スペインの内乱で共和国派の義勇軍として参加するアメリカの大学講師
ジョーダンが、追っかけ来るファッシストとの軍隊の銃撃で馬を撃たれて落馬、足の
骨を折り一人に残って戦う決意をしたとき、恋人のマリアと次のようなやりとりをする

マリア: あなたと一緒に残るほうが私にはずっとやさしいわ。

ジョ-ダン: 行く方が君につらいことはわかっている。でも、今では、ぼくは君で
       もあるのだ。もし君が行けば、ぼくも行くんだ。(マリアすすり泣く)
       それよりほかに仕方ないんだ。君は今やぼくなんだ。きっとわかって
       くれるね、マリア。ゆうべのことをおぼえているかい。ぼくたちの時
       間は「今」なんだ。そして、その時間は永遠に終らないんだ。

マリア: (泣いて) 終らないわ。

ジョ-ダン: 君は今やぼくなんだ。さあ、わかってくれたね。さあ、立ちなさい。
       そして行くんだ、ぼくたち2人とも行くんだ。立つんだ。マリア。君
       がぼくでもあることを忘れないように。今や君はこれからのぼくの全
       てだ。立つんだ。だめだ。立つんだ。別れのあいさつはしないよ、マ
       リア。ぼくたちは別れるんじゃないからね。

 泣き叫ぶマリアの馬に鞭を打ち、馬が対岸に逃げ延びるのを見定めたジョーダンが
迫り来るファッシスト部隊に単身機関銃を構えるところでエンドとなる。
 この場合、私がマリアで、私を生きて逃してくれたのは、膨大な戦争犠牲者だと信
じている。正直言って、平和のために努力の前を遮る大きな障害に突き当たるとき、
私はよくこのシーンを思い出す。私が今生きているのも。あの戦争で無念の思いで死
んでいった人々が「阿部、おれたちの分も生きるんだ。できるだけ遠くまで行くんだ」
と耳元で囁いているような気がした。
 戦後読んだ新渡戸稲造著の「武士道」の中に引用されている水戸光圀公の「生きる
べき時に生き、死ぬべき時に死ぬ」と言う言葉に、どれだけ大きな励ましを受けたか。
戦時中耳だこのように聞かせられたのは「桜の花のように潔く散れ」という教えだっ
たからだ。
 「父と暮らして」の主人公美津江(宮沢りえ)は、愛する者たちを一瞬の閃光で失
い、自分が生き残ったことへの負い目に苦しみながら、息を殺すようにひっそりと暮
している。
 実は、私は昭和3年生まれで、もう76才も半ばになった。しかし、髪はまだ薄
くなったとはいえまだ黒く、一見、50過ぎぐらいに見えるらしい。そして、気持ちは
終戦末期の16、17才のままである。同期の級友も一人二人と不帰の人になりつつ
ある。
 われわれの世代は、朝鮮戦争あたりから、日本の社会が再び戦前の歴史に回帰する
道を辿ろうとして来た頃からこれまで、「聞け、わたつみの声」とか「沈黙は共犯」
と本や言葉を心に戒めながら、自分を含め、若い世代のために、日本を戦争に向かう
進路を取るのを阻止しようと努めることこそ死んでいった人々への鎮魂だと思ってき
た。
 米軍とイラク暫政府軍によるファルージャでの殲滅作戦。あれは、まさに、オキナ
ワ、ヒロシマ、ナガサキであり、ジェノサイドである。空爆によるビル崩壊の下敷き
になり、動くものは何でも発砲するという米兵の銃撃で殺される子ども、病院で薬も
ないまま息絶える人々、生き地獄とはこのことかと思う。想像するだけで自律神経が
おかしくなる。
 しかし、いたずらに嘆いていても事態は改善しない。イラク国民の運命は、平和な
生活を求める世界中の人々の運命と密接に連動して以上、それこそベトナム戦争の時
に言われた「内なるベトナム」(この言葉は鶴見良行氏の言葉だったか)という思い
をわれわれは「内なるイラク」、「内なるパレスチナ」として心の中で反芻すべきと
思う。今こそ冷静にこの大義なき戦争を情け容赦なく突き進める元凶(世界最大の大
量破壊兵器を平然と使用しているネオコン、そして最近ではキリスト教原理主義と合
流)と人種主義国家のシオニズムを見定め、それを倒すために、国内的にも、国際的
にも総力を挙げて凶暴なゴジラのような野獣と戦わねばならないと思う。
 悲しいかな、あの悲惨な戦争から、不戦の誓いを立てた憲法9条を持つこの日本が、
この野獣の意のままになる首相を頂く国にまで、堕落、そして“民主化”されたかと
思うと戦中派の生き残りとして怒髪天を突くの思いである。
 サマワの自衛隊員の人々も一人一人、前途ある若い人たちと思う。それが情け無用
の無法国家、アメリカの世界制覇の歯車の中に組み込まれた場合、あとで後悔しても
しきれない犠牲を彼我に与えかねない。撤退期限の12月14日は奇しくも赤穂浪士
の吉良邸討ち入りの日である。この日までに、自衛隊を撤兵しなければ、日本国民は
平服のまま、首相官邸におしかけて、「小泉殿、先の国家での岡田民主党党首への、
神聖な国会、政治の根本をわきまえぬ愚劣きわまる答弁、天人ともに許さざる所業、
日本の政治史を汚濁にまみえさした罪重大なり。武士の情けだ。この場にてご生害
(しょうがい)あれ」と迫りたいところだが、「ケセラセラ主義」の小泉首相は「ま
だオペラや歌舞伎を見たりない。外遊も続けたい」など逃げ回るだろう。それとも勘
ぐりたくなるが、ブッシュ政権に毒まんじゅうを食らわされたので、人間性を喪失し
たのでないだろうか。
 こちらは何も切腹などして血を見ることなどまっぴらで、ただ日本を平和国家の国
是に返し、憲法9条の無念の思いを晴らすことができればいいいのだ。小泉首相はこ
れ以上、日本の名誉のためにも、恥を知って首相の座を降りてほしいだけである。そ
れはいつにかかって小泉首相が「自己責任」をどれだけ自覚するかに他ならない。与
党の善良な議員諸公も「国難に等しい一大事」をもっと国民に分かるように説明頂き
たい。戦争で罪なくして死んで行った人たち、今なお殺されつつある人々の「生き地
獄」を地球の上からなくするためにも。
 死んだ亡霊が乗り移ったのか、またまた恨み言を長々と羅列してしまったが、幸い
多くの真摯な翻訳者のおかげでイラクやパレスチナの人々の苦悩やその凄惨な修羅場
が伝わり始めている今、私たち日本人は日本の歴史を今一度真剣に振り返り、戦争が
どうして起ってきたか、日本自身がどんな歴史を歩んできたかを知り、広い国際視野
に立った、日本の果たすべき歴史的役割を見つめるべきではなかろうか。

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 この意味で、「アラブ文化芸術情報」の第3、4、11、13(先号)でお知らせ
した下記の「日本の戦争:シリーズ(全5巻)の試写会には是非ご参加下さい。戦争
というものが如何に人間性を獣性に変えっていってしまうかを知る貴重な体験となる
でしょう。私自身、戦後を通じ、これだけまとまった現実を凝視した長編ドキュメン
タリー映画「日本の戦争史」を見たことはない。是非、誘い合わせてご参加ください。
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2) 映画「日本の戦争」シリーズの国会での上映会にぜひ参加を!
           日 時:12月8日(水)
           会 場:参議院会館第3会議室
           開 場:13時 13時30分上映開始
        入場料金は無料(カンパは受け付けています)

◆上映会参加者への通行証配布について
    スタッフが上映会の案内を持って参議院会館入り口に立っていますので、
    そのスタッフから通行証をもらって入館してください。
◆交通アクセス
 東京メトロ丸の内線・千代田線 国会議事堂前駅/有楽町線・南北線 永田町駅

              呼 び か け
 2001年のアメリカ同時多発テロ以降、世界は大きく変わろうとしています。アメリ
カに追随する小泉政権のもと、日本では自衛隊のイラク派遣が現実のものとなり、法
改正が当然のこととして語られる流れができようとしています。しかし、第二次世界
大戦であまりにも多くの戦死者を出し、「もう二度と同じ過ちは繰り返しません」と
不戦を誓った決意を、私たちは、けっして風化させらないと思います。
 そのためにはどうしたらいいかを模索するなかで、私たちは東映が教育映画として
製作した「日本の戦争」シリーズ(全5巻)と出会うことができました。この映画は
授業時間内で利用しやすいようにと1本約30分で構成され、内容が一目でわかるよう
なタイトルがついています。
 第二次大戦のドキュメンタリーフィルムで構成された内容は、戦争に至る道のりや
戦争の実態をあますところなく冷静に伝えています。例え戦争加担のためにどのよう
な理屈をつけようとも、戦争とは人間同士が殺しあうことであり、無惨きわまりない
ことをこれらの映画は事実として映し出しています。こうした戦争を日本がやってき
たという事実を、特に子供たちや若者たちにぜひ観てもらいたいと思います。また、
戦争体験を風化させつつある熟年世代にももちろんのことです。もしも、全国でこの
上映会ができたら、多く国民が戦争や憲法を考える上での大事な手がかりを得ること
になるでしょう。そのためには、できるだけ多くの方に、まず、これらの映画を観て
いただき、知っていただくことから始めようと考えました。
 そこで、今回、戦争への道を踏み出さないために国会議員とともに観、ともに考え
る上映会を開くことを企画しました。「ニ度と戦争への道はいやだ」と考えていらっ
しゃる方、今の風潮に首をかしげている方など、できるだけ多くの方々に、まず、観
ていただきたいのです。お忙しいとは思いますが、万障お繰り合わせのうえ、ご参加
をお願いいたします。
        12/8「日本の戦争シリーズ」国会での上映会呼びかけ人一同
(呼びかけ人)
中村正子-環境ジャ-ナリスト/田中喜美子-KK「わいふ」編集長/加藤 孝-品
川平和市民/倉橋澄子-環瀬戸内海会議/岡 禮子-グル-プ輪/佐久間やす子-目
黒区会議員(無所属・目黒独歩の会)/坂本史子-目黒区会議員(無所属・目黒独歩
の会)/阿部政雄-日本アラブ通信編集長
________

「戦中派のしんがり組」の発起人として、また中東問題専門家として「よびかけ」に
一言補足させて頂きます。
    ファルージャの虐殺の加勢者にならないためにも、
    「日本人の戦争」の歴史を冷厳に見つめよう

映画「日本の戦争」シリーズ
■日韓併合への道         30分
■朝鮮半島植民地支配の実態    28分
■太平洋戦争への道 中国大陸侵略 30分
■太平洋戦争と東南アジア     29分
■太平洋戦争と沖縄        35分

問い合わせ先:
  倉橋澄子  Tel/Fax 03-3470-4141
  岡 禮子  Tel/Fax 03-3765-8335
  中村正子  Tel/Fax 03-3713-3172
  中津義人  Tel/Fax 03-3759-7920  Email nakatsu@mxh.mesh.ne.jp
  川崎けい子 Tel/Fax 03-3871-0539  Email k-grim@fb3.so-net.ne.j
  阿部政雄  Tel 03-2\3716-5563   Email masao-abe@hi-ho.ne.jp


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3) 大正バイオリン演歌へどうぞ 佐原新月(阿部ほか)へどうぞ

■■■「レイバーフェスタ2004」~「労働」を観よう・聴こう・話そう~■■■
■日時 2004年12月4日(土)
 <午後の部>午後1時30分開場、午後2時開演  中野勤労福祉会館
     (JR中野駅南口3分/03-3380-6941/中野区中野2-13-14)
 <夜の部>午後6時開場、午後6時15分開演  なかのゼロ小ホール
      (JR中野駅南口5分/03-5340-5000/中野区中野2-9-7)

 ■東京プログラム
<第二部> 魅力ある労働運動を求めて(会場/なかのゼロ小ホール)
18:15 音楽 (社会風刺たっぷりの)バイオリン演歌ショウ
  佐原新月(本名 阿部政雄)とおしげ、お富さん
 (オッペケぺ、ノンキ節、さすらいの唄など歌います。こうご期待、
  小生の友人、知己の皆さんのご来場お待ちしています)
18:40 マイケル・ムーア『ロジャー&ミー』上映(90分)
20:15 ミニシンポジウム「魅力ある労働運動って何?」
    *映画を受けて元気なユニオンメンバーによる徹底討論!
21:15 終演(懇親会へ)

■参加費 一般当日1200円
  前売り・電話予約1000円   障害者・学生・失業者200円引き

■レイバーフェスタって何?   リストラ・失業・過労死、こんな言葉があたりま
えになっている日本で、あなたはこれからどのように生きていきますか?
「レイバーフェスタ」は、映像や音楽などを通じて、身近な「労働」「生活」を見つ
め直す、はたらく人々のお祭りです。
2002年秋に第1回を開催し、今年は3回目。「3分ビデオ」をはじめ企画内容は
ますます充実してきました。「労働運動なんて関係ない」と思っているあなたも、心
に響く作品や歌声にふれることで、新しい何かが始まるかもしれません。

■主催:レイバーフェスタ実行委員会
実行委員長 伊藤彰信(レイバーネット日本代表)
〒173-0036 東京都板橋区向原2-22-17-403
電話03-3530-8590/FAX03-3530-8578
メール laborfesta2004@freeml.com
ホームページ http://www.labornetjp.org/


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4)イラク人医師、モハメドさんから日本の私たちへのメールです。

**************************
    友人のみなさん
 重要なことをお伝えしなければなりません。サウジアラビアのイスラム指導者たち
がイラク国民に、外国軍の支配とたたかうようよびかけました。また、イランのシー
ア派指導者も、イラクの人々に占領支配とたたかうようよびかけています。イラク国
民にとってはすばらしいこの2つのニュースは、事態を一層悪化させるでしょう。イ
ラク国民はこれら指導者たちを信頼しています。
 日本はこの点について考えなければならないと思います。日本の軍隊も外国の軍隊
ですし、米軍を支援していると見られているからです。
 みなさんは何を待っているのですか。もっと多くの日本人の命が失われるのを待っ
ているのですか?!!!
 イラク国軍は昨日、北部のクルド人自治区を除いたイラク全土に非常事態宣言を出
すことを決めました。
 昨晩、ファルージャへの攻撃が始まりました!!! 私たちは民間人の命が助かる
ようにと祈りを始めました。米英軍は日曜日の朝からファルージャ市を完全に包囲し
てしまっています。みんな大きなストレスにさらされた状態です。
 ずっと祈りをささげています。
 みなさん、書き続けられません。今事態が心配で心配でならないのです。
 つい数時間前にファルージャの病院が爆撃され、医療関係者がとらえられたという
ニュースを聞いたところです。新しいニュースが届くのをまって対処しなければなり
ません。
                                  モハメド
イラク戦争に反対する市民と議員の会・事務局 no-war@syd.odn.ne.jp


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5) 奪われるファルージャ

 このメールの発信者は、イフサン・アリ・スレイマン氏です。彼は、高遠菜穂子さ
んのボランティア協力者の一人であり、高遠さんたちが誘拐されたとき、3人の解放
に渾身の努力を傾けて下さった、バグダッドのエンジニア(会社経営者)です。
 高遠さんがイラクから離れることを余儀なくされた後、彼はストリートチルドレン
(「ナホコの代わりに俺が人質になる」と訴えた少年もいました)の自立支援プロ
ジェクトを、高遠さんと連絡を取りながら軌道に乗せました。失業率数十パーセント
のイラクで、社会から無視されていたストリートチルドレンの一人ひとりに合う仕事
を斡旋しているのです。またファルージャを初めとする各地の病院へ医薬品を届けた
り学校再建へ働きかけたりと、高遠さんの想いをしっかりと受け継いでいます。
 高遠さんの本やブログを読むと、忍耐強く、思慮深く、勇敢な人物像が浮かんでき
ます。そのスレイマン氏がこのメールを世界に向けて発信したのです。ファルージャ
に対して沈黙を続ける世界に対する怒りと哀しみとが、穏和な彼の胸を焦がしている
のを、私は痛く感じます。

***************** 以下、TUP速報より転載 ****************

奪われるファルージャ

ファルージャの誰もが、
そのすべてが 奪われようとしている
女も、子供も、家族も
歴史も、人間性も、平和も

なのに世界は
米軍がどんなふうに市民を殺すのかを
軍用機がどんなふうに使われるのかを
ただ見ているだけ

ファルージャに
今度はどんな兵器が使われるのかを

世界はまるで死体のように
感情も持たず
なんらの反応も示さない

ファルージャが何を意味しているのか、わかるだろうか?
それは世界のどこにでもある町のこと
それは広島であり、カブールであり
ファルージャは、人類の暗黒の未来であり
民主主義と平和の名における殺戮だ

ファルージャは、ファルージャの民のものにとどまらず
今日の世界の象徴となっている
大きな魚が小さな魚に食らいついている 今の世の

沈黙していれば、次はあなたの街の番が来るだろう
あなたの歴史が 次の餌食となるのだ
最新のテクノロジーがいかに安易に
なんの罪もない子供や、力のない人々を殺せるか
見ているがいい
そうしたら次はあなたたちの番だ

今日の犯罪に目をつぶっているすべての人々は
歴史と人類の前に この犯罪の共犯者となるだろう
そして、誰も卑怯者や臆病者を許しはしないだろう
シェイクスピアが "to be or not to be" と言ったように

ファルージャは、泣いてくれることを期待などしていない
ファルージャは、強烈な悲鳴を必要としている
すべての良心を叩き起こすための悲鳴を

(翻訳 千早/TUP翻訳メンバー)

***************** 以上、TUP速報より転載 ****************


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6) いつの日か 新幹線を イラクで走らせよう JR西2労組

 何号にも報告したJR西2労組によるイラクの破壊された鉄道復旧の計画はその後
「新幹線でイラク復興」という構想に発展している。このことは、東京新聞11月1
0日号824頁)の「ニュースの追跡」で紹介されている。
 イラクの鉄道の幅は新幹線と全く同じということで、両労組は同じ鉄道魂を持つも
の同士なので、治安が安定した暁には、ペルシャ湾までの2300キロを新幹線が走
れば工事のための雇用創出に役立つと意欲満々。
 この囲み記事には小生(阿部)の談話も引用されているが、元防衛庁防衛研究所員
で桜美林大学の加藤朗教授(国際政治学)は、自衛隊の活動は応急手当式のものでし
かすぎず、「結局、日米同盟維持のアッピールが第一の目的で、地域への貢献は2の
次になっているのが実態だろう」と分析。
 興味深いのは、同教授が今回の労組の試みを「興味深い」と表しつつ、もうひと回
り大きな“夢”、つまり、600万人の連合の組合員が1万円ずつ出して600億円
の予算を持ち“連合PKO部隊”をつくり、600万人の大部隊が“連合PKO部隊”
として、鉄道に限らず医療など様々な分野で活動すれば、自衛隊の何倍もの貢献がで
きるのではないかと提案している。
 これこそ、イラクの真の復旧にも、イラクばかりか日本の雇用の拡大に繋がり、日
本本来の役割も果たすことができ、3方も4方も結構づくみの「大岡裁き」であり、
「世界に役立つ日本の姿」をPRできるという“夢”であり、賞賛したい。

阿部政雄20041109アラブ文化芸術情報(13)

■■■■■■■■■■■■■■■ 1)巻頭言
■             ■    加害者としての日本の戦争史も振り返ろう
■             ■ 2)ファルージャ攻撃激化に反対する署名
■ アラブ文化芸術情報   ■ 3)国連アナン事務総長への書簡
■  阿部政雄 No13  ■      ファルージャ市民代表
■             ■ 4)推薦図書 「戦争という悪魔」
■             ■
■■■■■■■■■■■■■■■
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1)巻頭言 ファルージャ攻撃激化に反対する署名

 日米開戦記念日12月8日が近づいている。1941年末の、この太平洋戦争開始
の時、中学一年生だった私は、約4年後に日本が廃墟になってしまう終戦までをつぶ
さに見守ってきた。「五族共和」「東洋平和」のスローガンの下、「八紘一宇」のア
ジア支配を目論むあの大義なき戦争があと一年続いていれば、私は確実に外地か本土
で死んでいたに違いない。

 その姿は、今、道義なき戦争を始めたが、頑強なイラク国民の抵抗で、ますます凶
暴になり、それがイラク民衆の抵抗を増幅し、泥沼の中にぶくぶく沈み始めたアメリ
カの姿に二重写しになる。

 しかし、悲しいことに、ひめゆり女子挺身隊等非戦闘員が若い命を落とした沖縄地
上戦の惨劇、原爆投下による広島・長崎での地獄絵、本土大空襲の下で炎の中を逃げ
まどう母子の悲劇等々を味わった日本が、今、ブッシュ大統領との「一蓮托生」を生
き甲斐とする小泉首相のかけ声とともに、アメリカと一緒に泥沼の深みに入ろうとし
ている。

 そして、私が一番心配なのは、不当な軍事攻撃で尊い命を奪われていくイラク市民
の命運とともに、全土戒厳令下に入ったイラクのサマワに駐屯する自衛隊隊員のこと
である。空爆、ミサイル攻撃、さらに今後は使われかねない新型殺戮兵器、小型核爆
弾により、「情け無用の大虐殺」は、ますますイラクの憎悪を高めていき、「自爆テ
ロ志願者」の数を増やしていくだろう。米軍の総攻撃の中で抵抗勢力ばかりか、一般
市民の間で反米感情は高まるであろうし、混乱から、争乱にまでなったとき、反米の
憎しみが自衛隊に向けられるのは、時間の問題とさえ思えてくる。

 終戦前年の1944年頃、16歳だった私たちは、送り込まれた軍需工場の中で、
「俺たちの命はあと2年」と覚悟していた。(しかし、この覚悟を受けいれるには、
どんなに精神的に苦悩したかはとても短い文章で書き尽くせるものでなく、殆ど長い
精神的格闘の末であった。)サマワの自衛隊員たちにとっては、「あと2年の命」ど
ころか「明日の命を誰が知る」というさし迫った恐怖に包まれようとしている。それ
に、万一、イラクのゲリラと戦うことになった時、果たしてイラク人と日本人が殺し、
殺される立場になる必要があったかどうかを振り返ってみることが重要だ。イラク人
にとっては、日本はいわばプラトニックラブの対象と見なすような”憧れの的”だっ
たのに、この敵対行為までもってきた元凶は誰かを。

 こうした予想だにせぬ悲劇的結果になることは、本来なら、自衛隊派遣を決める以
前に十分討議すべきであった。それが小泉首相の「ブッシュのためならエンヤコーラ」
とばかりのかけ声の下、日本国民や野党の心配なども歯牙にもかけず、とうとうここ
までやってきてしまった。

 こんな"国難"とも言うべき事態の中で、自民党のベテラン議員が都内で会談して、
「首相は独裁的」との見方で一致したという。(8日付けの朝日ほか数紙)。参加し
たのは、綿貫前衆院議長、亀井元政調会長、加藤元幹事長、堀内前総務会長、野呂田
元農水相、武藤元外相、野田元自治相ら(古賀元幹事長は当日主席してないが同じ流
れである)。綿貫氏は、首相の政治的手法について、「暴走族のようだ」と批判。自
衛隊のイラク派遣延長には、加藤氏が反対を明確にしたほか、慎重論が大勢を占めた
そうだ。

 こうした声こそ、国民の危惧を代弁するものであり、日本の未来に一条の光を投げ
かけたものと歓迎したい。大新聞もこうした重要な記事を2段扱いで小さく報じるの
ではなく、「オレオレ詐欺」に紙面の3分の1を割くようなアンバランスな報道ぶり
を止めて、日本の命運にも関わる問題を大きく扱うような「社会の木鐸」としての役
割を発揮してもらいたい。私が今の大新聞が、だんだん戦時下の新聞の報道ぶりに似
てきていることを憂うものである。

 自衛隊の駐屯延長が、今後の日本にどんな影響を与えるか、国会で徹底討論をして
ほしいし、国民の間でも討議してほしい。隊員の家族間でも話し合うことが必要では
ないか。私も小学生の頃から、おそらく20回以上、「日の丸」の旗を手に、「大日
本国防婦人会」のエプロンを着たおばさんたちと一緒に出征兵士を駅頭で「万才!、
万才!」と送ったものである。時には、遺骨の入った白木の箱を胸に下げて悲しみに
くれて歩く遺族を迎えに行ったものだ。

 軍国主義路線が展開しだした昭和の初頭から、第2次大戦の終結までに日本は、一
時的に満州に傀儡政権を樹立し、中国では点と線ではあったが大勝利、そして太平洋
戦争での緒戦勝利、と国民は提灯行列までしたのだが、しかし、戦線拡大の中で国力
も尽き、ついに日本の国土を廃墟としてしまった。

 今、日本人にとって必要なことは、少なくともこの昭和の初めから、日本が“八紘
一宇”の御旗の下に“大東亜の盟主”としてアジアを支配しようとして超国家主義
(ウルトラナショナリズム)をつっぱっしてきた歴史を振り返らねばならない。それ
は、キリスト教右派の原理主義を旗印に“世界のグローバリゼーション”を目論むブッ
シュ政権の「十字軍」的中東侵略の結末をも示唆しているようだ。

 アメリカは、自国の経済が軍事費の増大という負担に耐えきれず、全面的崩壊の道
を転がり落ちていくのではないか。そうした窮地に追い込まれれば追い込まれるほど、
アメリカは、ブッシュ大統領を誰よりも愛する奇特な政治家を首相にいただく日本に
“運命共同体”として、一層の軍事的一体化と財政負担を強制してくるのではないだ
ろうか。

 幸い、多くの真摯な翻訳家の活動によって、中東問題やイラクの人々の置かれた実
情、その苦しみ、嘆き、つぶやきまでが聞こえてくるようになった。問題は、この極
限的窮状にある人々を救うのは、日本自身が、イラク侵略の共犯者となることを是が
非でも食い止めることである。それが本当の意味のイラク国民との連帯ではないだろ
うか。それが日本とイラクを始め、多くの中東、アラブの諸民族との協力を保障し、
かつての信頼をとりもどすことではないだろうか。


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2)ファルージャ攻撃激化に反対する署名

 どすのメッキーさんからの訴えです。
 mekkie@nifty.ne.jp      HP DON'T FLY!! EAGLE 
 http://homepage2.nifty.com/mekkie/peace/peaceidx.html

スンニ・トライアングル、特にファルージャは建物が爆撃で破壊され、米軍の戦闘の
環境が整えられつつあります。今回の攻撃は4月の攻撃を超える規模のものとなるこ
とが予想されます。反対の意思をお持ちの方は、意思表示をお願いします。
 以下、Bertrand Russell Tribunal のオンライン署名です。

これは4日に益岡さんの翻訳で一度ポストしたものですが、そのあとウェブページが
整られ、オンラインでフォームで署名ができるようになっています。この機会に、こ
のウェブログでも再掲しておきます。

イラクの死者100,000人 攻撃激化に反対する署名
100.000 IRAQI DEATHS ! WORLD WIDE PETITION AGAINST THE
ESCALATION !   http://amigaphil.planetinternet.be/BTpetitiontxt.html

「10月29日に出されるランセットのレポートは、ファルージャからの情報を除外して、
侵略が行われなかった場合に予想される死者数よりも100,000も多くのイラク人が死
亡したと推定している。報告された死の84パーセントは、連合軍の行動によるもので
あり、95パーセントは空襲や砲撃によるものである」 (Reuters, October 28, 2004)

イラクでの戦争は始まったばかりである。終結したなどとはとても言えない状態だ。
米国はこれまで用いてきた手段では、イラクのレジスタンスを負かすことはできない
ようである。しかし米国は退却を受け入れることもできない。この戦争が宣戦布告さ
れ行なわれたその傲慢さゆえに、米国はイラクでその威信を、そして、数十年かけて
築いてきた世界のトップの地位を、危険にさらすことになってしまった。危険はヴェ
トナム戦争よりも大きいほどである。米国は、友好的な政府を作って残していかない
限り、イラクから出ていくことはできない。しかし現在、この地域には米国の友人は
極めて少なく、民主的な選挙を行なった場合、そのような政府が選ばれることはあり
えない。

その結果として、(米大統領)選挙後に軍事行動が激化することは、真剣に予期して
おかねばならない――ブッシュが再選された場合は即座に、ケリーが勝利した場合に
はじわじわと、軍事行動が激化するであろうと。しかし民主党候補に撤退の意思がな
いのは、ブッシュに撤退の意思がないのと同様である。米国政府は、ありとあらゆる
手段を講じて、レジスタンスを打ち負かそうとするであろう。この作業はすでに着手
されている。レジスタンスと、アラブ世界のいかなる政治組織からも事実上糾弾され
ている誘拐や殺人とを結びつけることによって国際世論においてレジスタンスを悪魔
化しようという作業は、もう始まっている。

私たちは米国が現実を直視し、無条件でイラクから軍を撤退させることを、そして受
け入れがたい性質の予防戦争に関して必要な決着をつけることを、要求する。イラク
が平和になるまで、あるいは安定するまで、米軍が留まるよう頼むことは、幻想であ
る。というのは、米軍がいること自体が憎悪の対象であり、米軍がいること自体が、
あらゆる種類の平和にとっての最大の障害となっているからである。

私たちは、平和的かつ合法的なあらゆる手段を用いて、米国がベトナム戦争で試みた
ようにイラクのレジスタンスを軍事攻撃の激化によって潰そうとするすべての行為に
反対することを確認する。私たちは、イラクでの兵役を拒否する米軍兵士に亡命資格
を与えるようすべての政府に求める。私たちは、戦争プロパガンダに対抗して入手で
きる情報を広めるために尽力し、2002年のときと同様に国際世論を動員して米国にイ
ラクでの軍事解決をごり押しする政策を放棄するよう求める。

------------------------------------------------
オンライン署名するには、フォームで、
http://amigaphil.planetinternet.be/BTpetitiontxt.html#sign
1)Name: 名前 *必須
2)Country: 国名 *必須
3)Email: メールアドレス *入れなくてもいい
4)Profession: 職業 *入れなくてもいい
5)Organisation: 所属組織 *入れなくてもいい
を半角英数字で入力してください。
------------------------------------------------
翻訳担当  益岡賢・いけだよしこ
この文書のURL 
 http://teanotwar.blogtribe.org/entry-03ccc2d2211dfe9372da6ac2171f6e8d.html
文書作成日時    2004年11月7日 午後11:00ごろ


****************************************************************************

3)国連アナン事務総長への書簡
(國場さんより。 以下のメールが回ってきましたので紹介致します。
ーー・---・---・---・---・---・---・---・---・--ー
10月14日
ファルージャ市民代表 ファルージャ人権民主センター
カシム・アブドゥルサタル・アル・ジャマイリ所長より

国連アナン事務総長への書簡
**************************

アメリカ軍がイラクで毎日、大量虐殺を続けていることは、証拠を提出するまでもな
く明らかです。そして、この手紙を書いている今、アメリカはファルージャの街に対
して、この大量虐殺を実施しています。アメリカ軍は自らが保有する中で、最も破壊
能力の高い爆弾をファルージャの市民に向け投下し、罪のない多くの人々をを殺傷し
ているのです。そして地上では、アメリカ軍の戦車が、激しい砲撃で街を破壊してい
ます。
ご存知のように、ファルージャ市の代表とアラウィ政権との間で交渉が続いているた
め、現在ファルージャに軍は駐留していません。またここ数週間、抵抗勢力も行動を
控えています。

しかし、新たな爆撃は、イスラム教の断食月ラマダンで、人々が断食をしている時に
開始されました。その結果、多くの市民が、瓦礫の中に埋まり、外からの援助も断ち
切られている状態です。10月13日の夜、アメリカ軍は爆撃機1機で、民家50件
を破壊、多くの人を殺害しました。これは大量虐殺という犯罪行為ではないのでしょ
うか、それともアメリカ民主主義の教訓なのでしょうか。アメリカ軍は、占領を認め
させるために、ファルージャの人々に対しテロ行為を繰り返しているのです。

あなた(アナン事務総長)は、アメリカとその同盟国が、大量破壊兵器の脅威を口実
に、私たちの国の破壊を続けて来たことをご存知のはずです。彼らは自らの大量破壊
兵器を用い、多くの市民を殺害しました。そして今になって、イラクに大量破壊兵器
はなかったことを認めています。しかし、彼らは自分たちが犯した罪については口に
しようとしません。世界中が沈黙しているのです。イラクの一般市民を殺害すること
すら非難の対象にならないのです。アメリカは、1991年の戦争の後、イラクに賠
償金の支払いを強制しましたが、今回アメリカはイラクに賠償金を支払うでしょう
か。

私たちの住んでいる世界はどうやら、二つの異なった基準があるようです。ファルー
ジャでアメリカとその同盟国はアル・ザルカウィという新しい、正体不明の標的を作
り出しました。ザルカウィはアメリカの犯罪行為を正当化する新たな口実です。この
新しい人物は一年前に、でっち上げられました。そして、その一年の間、アメリカは
民家、モスク、レストランを攻撃し、女性、子供を殺害しました。そして、常に「わ
れわれは、アル・ザルカウィに対する攻撃を成功裡に遂行した。」とだけ言い、決し
て、ザルカウィを殺したとは言いません。言えない筈です、ザルカウィなど実在しな
いのですから。

私たちファルージャの住民は、この人物が市内にいないことを保証します。そして、
多分イラク国内にいることもないでしょう。私たちは、これまで何度も、「誰でもい
いから、ザルカウィを見かけたら、殺せ」と訴えてきました。しかし、今、ザルカ
ウィはアメリカがでっち上げた幻だということがわかりました。
私たちの代表は、これまで繰り返し、市民の誘拐や殺人を非難してきました。私たち
は、非人間的なことをしているグループと何のかかわりもありません。ファルージャ
に対する犯罪行為をやめ、軍をファルージャから撤退させるよう、あなたそして世界
の指導者がブッシュ政権に大きな圧力をかけることを要請します。

ファルージャからアメリカ軍が一時撤退した後、ファルージャは平和で静かな街と
なっていました。混乱はまったくありませんでした。資金不足にもかかわらず、街の
文民行政もうまく機能していました。私たちの唯一の犯した「罪」は、占領軍に来て
ほしくないと主張したことのようです。しかし、占領に反対するということは、国連
憲章そして国際法、また人間としての常識に照らし合わせてみても、私たちが持つ当
然の権利のはずです。
今、あなた、そして世界の指導者が、新たな惨事を防ぐために早急に介入することを
要請します。私たちは、イラクの国連の代表と連絡を取って、このメッセージを伝え
ようとしましたが、ご存知の通り、国連はバグダッドで一番警備の厳しい、外の社会
と遮断されたグリーン地域にあり、立ち入りは許されませんでした。私たちは国連に
ファルージャの状況に目を向けて欲しいと願っています。


ファルージャに住む市民一同   ファルージャ人権民主センター
ファルージャイスラム評議会  教職員組合   部族長会議
ファトワ宗教教育議会etc 


☆.☆.☆.☆☆.☆.☆.☆.☆.☆.☆.☆.☆.☆.☆.☆.☆☆.☆.☆.☆.☆.☆.☆.☆.☆.

4)推薦図書 「戦争という名の悪魔」すすいすたいとる
戦争とは、平和とは、そして国家とは…。悪魔の行為に否を叩きつけたメッセージ集。
   藤田あかり(ふじたあかり)
「許されぬ 戦争(いくさ)の恨み テロと化し」
「世界一  核持つ国の  平和論」
「非常識  違法も通す  無法国」(本文より)──。
 世を憂い、自身のメッセージによって少しでも戦争という悪魔の行為を減らす事が
できればと考える著者の反戦短詩集。アメリカ、戦争、神、テロ、死、平和、正義、
生命、国家、国民、総理、政治などなど……さまざまなテーマにそって紡がれた“言
葉”に込められた強烈なメッセージに、心震える一冊!

 短い文章と川柳風の短詩から成る歌文集。 アメリカ主導のイラク当地や日本の政
治を批判し、タイトルにもあるように、戦争反対の立場を強く表明している。気迫あ
ふれる著者の反戦メッセージは、読者の胸を打つ。
 冒頭作品「No Warと 共に祈らむ No Warを」こそ、本作の主眼であろう。
 著者は、家庭の主婦であるが、戦争の本質を突くその批判力の高さは、日本の将来
にとっても心強い。1949年生まれ、熊本県宇土市出身。
定価 1,000円

〒160-0022 東京都新宿区新宿1-10-1
株式会社 文芸社    tel.5369-2299 or 3060

なお、文芸社では中東、アラブに関する本として、下記の本を出版している。

『渡り鳥と秋』ナギーブ・マフフーズ著・青柳伸子訳
http://www.bungeisha.co.jp/search/detail.php?bid=8445
『アルジェリア危機の10年』渡部 伸著
http://www.bungeisha.co.jp/search/detail.php?bid=7908
『ナイルの樹陰で』小田絢子著
http://www.bungeisha.co.jp/search/detail.php?bid=22062
『アラブ諸国・一期一会の旅』山崎久雄著
http://www.bungeisha.co.jp/search/detail.php?bid=21039
『人間の中へ 中東』菊池絵美著
http://www.bungeisha.co.jp/search/detail.php?bid=21801
『ニュー・アラビアン・ナイト』海堂史郎著
http://www.bungeisha.co.jp/search/detail.php?bid=21800
『美しきイスラム』中寒ニ著
http://www.bungeisha.co.jp/search/detail.php?bid=21586
『聖戦布告』原田健男著
http://www.bungeisha.co.jp/search/detail.php?bid=21525
『らくだとオリーブ』中島幸子著
http://www.bungeisha.co.jp/search/detail.php?bid=11869
『光と風の回想』石井三雄著
http://www.bungeisha.co.jp/search/detail.php?bid=1790
_______

地中海アラブ音楽シリーズ第1回

ナスィール・シャンマ・グループ 初来日公演
 1月30日付けの「アラブ文化芸術情報」No10~で紹介した如く、イラクで育ま
れた深遠な癒しの音楽団ナスィール・シャンマグループが11月下旬に来日します。
正統アラブ文化を受け継ぎ、イラクで育まれたナスィール・シャンマの深遠な癒しの
音楽が紹介されます。

日程
12月2日(木) 12月3日(金)
東京公演 国際交流基金フォーラム 開演19:00(開場は30分前)
チケット:3000円(当日3500円)
CNプレイガイド(Tel.03-5802-9090) にて発売

セミナー開催:3日(金)16:00~18:00
入場無料、要予約
主催 独立行政法人 国際交流基金(ジャパンファウンデーション)
CNプレイガイド(Tel.03-5802-9090) にて03-5562-3530

阿部政雄20041101アラブ文化芸術情報(12)

■■■■■■■■■■■■■■■ 1)巻頭言 自衛隊を撤退させ、
■             ■        企業・NGOと交代を
■             ■ 2)イラク戦争を正当化するための「国際的」と
■ アラブ文化芸術情報   ■    いう隠れ蓑を与えないで
■  阿部政雄 No12  ■             ライードさんの公開状
■             ■ 3)教育基本法の前文など
■             ■ 4)常味裕司(ウード)演奏会 スケジュール
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1)巻頭言 小泉首相は自衛隊を撤退させ、企業・NGOの進出に取り組むべし
       それがイラクの真の復興に繋がる
                        『アラブ文化芸術情報』編集長
                                  阿部政雄

 香田さんの遺体が確認されたという悲しいニュ―スに接した。やりきれない怒りが
身体中を駈け廻っている。1950年の終わり頃、インドの独立運動に関心を持ち、マハ
トマ・ガンジーの著書を夢中に読んだ時期があった。ガンジーの教えの中で、最も感
銘を受けた言葉は「目的の正しさを手段の正しさの中に活かす」であった。とかく濁
りきった世の中で、理想を貫くことは困難なことだが、私は、私なりにこの教えを守
ろうと努力してきた。この意味で、今回のテロリスト・グループの香田さん殺害は、
「日本の自衛隊の撤退を求める」点で正しいとしても、「罪のない人を殺傷するとい
う犯罪を実行する」点で大きな過ちを侵している。

 それは、テロリストがイスラーム教徒ならば、攻撃してくる敵ではない人間を殺す
ということは、イスラームの教えにさえ背く行動ではないか。イラクやアラブ諸国の
民衆の殆どがこのグループの行為を非難していることは頷かれるし、そうあるべきと
思う。しかし、考えねばならぬことは、いうまでもなく、大量破壊兵器を隠匿してい
ると決めつけて、国連憲章を無視してイラク攻撃を開始した元凶は誰かということで
ある。それは言うまでもなく、アメリカ・ネオコンの番頭役を努めている非人間性の
象徴のようなブッシュ大統領であろう。そして、その大義、正義のひとかけらもない
戦争にまるで、パブロフの条件反射のように、ブッシュが手を振る度に、「ワン、ワ
ン、大賛成!」と尾っぽを振るような日本の宰相小泉氏の姿を見ていると、戦中派し
んがり組の私は、悪夢にうなされているような気持ちになる。

 「天知る、地知る、われ知る」という。なぜ小泉首相がブッシュに瞬間的に追随の
意を表明するのかは、小泉氏自身が一番知っているはずだ。個人の安全保障、つまり、
具体的には、外遊と国内の観劇に明け暮れる結構な地位に一日たりと長く座っていた
いためではないかと勘ぐりたくなる。時代錯誤の戦前回帰の確信犯の面もあろう。外
交、内政の一切合切を他人に丸投げし、「皆のもの、よきにはからえ!」では、日本
国民はますます、泥沼の中に沈んでしまう。

 そもそも、小泉政権が誕生して2002年だったかその翌年だったか、正確に記憶して
いないが、訪米してブッシュ会談に臨むにあたり、その出発直前にイラクとの戦争に
ならないように、アメリカに「友情ある説得」すべきであるということを、宮澤喜一、
中曽根康弘、河野洋平氏ら元総理、総栽経験者からアドバイスを受けたことがあった。
しかし、これまでの所、小泉首相は、外交政策でも“自己責任皆無性”の“丸投げ方
針”に終始してきた。それが有能だった奥田・井ノ上の2人の外交官、橋田信介・小
川功太郎の2人のジャーナリストの尊い命、そして今回の前途ある香田証生さんの殺
害に繋がってきた。こうした貴重な人材の喪失は、今後、減るどころか、増大する可
能性が高まっていくだろう。

 小泉首相は、相変わらず、「残虐非道に憤り」「自衛隊徹退はしない」と「何とか
の一つ覚え」のように叫んでいるが、たとえ「正義なき戦争」でも、ブッシュ大統領
の始めた戦争である以上、軍事的にも支えねばならないというおぞましい犯罪を続け
てきた。しかし、小泉首相が忘れてならないのは、先月28日に発表された、米、イ
ラクの大学の共同研究チームが、昨年3月のイラク戦争開戦後、米軍の武装ヘリコプ
ター攻撃などによるイラク人の死者数が、科学的な推計によれば10万人を超えたと
いう事実である。これをアメリカのケ-スで考えれば100万人と気の遠くなる数字
となる。

 小泉首相、このイラク人犠牲者の過半数が女性や子どもだったという数字を見て、
貴方は、ひたすら、おれはイラクの「復興支援」を続けてきたと胸を張ることができ
ますか。死んでしまった人びとはイラクの復興に大きな可能性を持った人びとではな
かったですか。それでも、「おれは正しかった。復興につくしてきた。」というのな
ら、貴方はかって田中真紀子元外相が言ったように、「変人」である、いや「変人」
などの段階を通りこして「奇人」「鬼人」の類いだと思う。戦争末期豊田市軍需工場
で働いていた16才だった私は、来襲したアメリカの艦載機の機銃掃射で危うく殺さ
れそうになった。イラクの現状は決して人ごとと思えない。

 確かに、イラク人は将来の内戦を恐れて自衛隊でもいて欲しいと思っている人も多
少いるかもしれない。しかし、溺れるもの藁を掴むという心理もあろうが、本当は日
本が一番好きだという日本への思慕の裏返しに過ぎない。もし、日本が自衛隊派遣に
掛ける費用を、現地の人びとが待ちに待つ、日本の企業やNGOの進出のために切り
替え、イラクには日本の企業を守ってほしいと言えば、イラク国民は大歓迎すると思
う。

 これと関連して報告したいのは、『アラブ文化芸術情報』No11にも掲載したが、
JR西労組(森正暁委員長)と国労西日本本部(上村隆志委員長)が10月18日、駐日
イラク大使館を訪問、大使館側に、治安が安定した段階で技術者らがイラク入りをし、
鉄道網の復興に努力することを申し出た。ガーニム・アルジュマイリ・駐日イラク大
使は、「国内の鉄道は厳しい状況で、是非力を貸して欲しい」と述べたという。これ
こそ将来日本がやるべきことを示唆している。

 アメリカが反対したら、どうするかって? そうしたら、小泉首相が「こうしたイ
ラクのニーズに応えるのがイラク復興のマスタープラン。現地にも喜ばれ、われわれ
にとってもいい仕事になる。今こそ、アメリカも少し政策を転回する時期ではないで
すか。』と説得すればいい。それでもアメリカが聞かなければ、日本で国際会議を開
き、世界の知恵を集めて問題の解決に当たりたい」ぐらい言って、そのために汗を流
せばいい。新潟では大地震の被災者が10万人も寒さにふるえながら、難民生活を送っ
ているという。口先のパーフォマンスは見あきた。要は実行すること。これしかない。

 そうなれば、小泉さんはこれまで国民の税金を勝手に使って、かって親日的であっ
た日本を嫌日的、あるいは反日的にしてきた罪の一端を償うことになるのではないか。
小泉首相殿、どうか、日本の国民を、さらには、自衛隊を勝手に“他衛隊”に変えう
ることによって「殺すことも殺されること」も恐れる罪なき自衛隊員に恐怖を与えて
きたことへの償いになるのではないだろうか。

 さきにアメリカはすでに、イラク人10万人以上を殺していると書いた。これは明
らかにイラク国民やパレスチナ国民、そしてアラブ・イスラム諸国民へのジェノサイ
ドである。それはかってヒトラーによるユダヤ人撲滅、沖縄地上戦、本土の空爆によ
る焦土作戦、広島長崎への原爆投下の継続として、現在、イラクにおける大量殺戮が
あるのである。こうした無辜の市民を殺して、莫大な儲けと、植民地の拡大を図ると
いう21世紀になっても今なお地球上をあらしまわっている怪獣とは、一体何か?
それは、「双頭の大蛇――つまりネオコンとシオニズム」に外ならない。

 これにどう対処するか。かってユネスコの文化交流部長も務めたモロッコの政治学
者エルマンジェロ教授が『第一次文明戦争』(お茶の水書房)に書いたように、それ
は、正に「文明と野蛮の戦い」である。われわれ世界の平和勢力は、知恵を出しあっ
て、この怪獣退治に協力しなければならないし、できることなら。怪獣自身を変革し
なければないと思う。

 言いいたいことは、山ほどあるが、なにはともあれ、あの強大かつ凶暴なアメリカ
に一国で抵抗を続けているイラク国民に心から感謝したい。イラク国民の抵抗がなけ
れば周辺諸国ももっと早く、アメリカに蹂躙されていたであろうし、イラクや中東の
石油権益を手中におさめたアメリカは、経済、技術の分野で積年のライバル日本の崩
壊に本格的に取りかかっていたであろう。

 思い出すのは、幕末の日本は、19世紀に欧米の帝国主義国家群が中東、アフリカ、
インド、東南アジア、中国などの植民地化に手間どっている間に、日本の志士たちの
活躍により日本の国内統一を達成し、欧米の餌食になるのをまぬかれることができた
という事実である。

 『第一次文明戦争』を読みながら、私は、ときどき、イラクは、崩壊しはじめてい
るアメリカを盟主とする世界の幕藩体制に対抗し、新しい時代を切り開こうとする日
本の長州藩のような役割を演じているのではないかと思っている。是非、みんなで、
「死の商人」ネオコンが金にあかせて作っているシンクタンクに負けない未来への展
望をつくっていきましょう。

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●11/6(土)「ホットライン・フォーラム」(反戦講座)第一回の開催
  ●1830~ 中野勤労福祉会館
  ●講師 阿部政雄氏「イラク戦争と日本」
  ●特別発言 渡辺修孝氏「人質を見殺しにした小泉首相の責任を追及する」
  ●入場カンパ800円

●好評発売中
★新刊『自衛隊のイラク派兵―隊友よ、殺すな、殺されるな!』
(小西誠・渡辺修孝・矢吹隆史/著)
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/shakai/top/63-8.htm

★新刊『戦場イラクからのメール―レジスタンスに「誘拐」された3日間』
(渡辺修孝/著)
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/shakai/top/61-1と

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関連  推薦図書

 10月30日、ナカニシヤ出版から、
   本山美彦著『民営化される戦争―二一世紀の民族紛争と企業―』
    (定価2000円)が出版されました。

 『日本の進路』は本山美彦氏の研究会報告を、5月号(株式交換に関する米国の圧
力)、6月号(イラク侵攻と軍産複合体)で紹介しましたが、その内容もこの本の中
で展開されています。以下、目次を紹介します。

第一章 アラブの惨状と軍事請負企業(PMC)の蹉跌
第二章 新しい軍産複合体
第三章 ベクテルのアバーブ・ザ・ライン
第四章 兵站技術の革命家ウォールマートと労働の破壊
第五章 サダム・フセインの世界経済史的意義
第六章 『日米投資イニシアティブ報告書』に見る米国の対日株式交換圧力
第七章 ブッシュのイラク攻撃決意とユーロ
第八章 消えたアフガニスタンのドル化案-偽札の論理
第九章 株式交換による企業の巨大化
第一〇章 ルパード・マードック帝国とメディア戦争
第一一章 近年の民族紛争略史

加藤 毅
kato@kokuminrengo.net

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マフディ・エルマンジュラ著『第一次文明戦争』
2001年刊、お茶の水書房から出版。


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2)イラク戦争を正当化するための「国際的」という隠れ蓑を与えないで
    -イラクのライードさんがオープンレター(2004年10月30日)-

 香田さんの拘束をめぐって、イラクのライードさんがオープンレターを公開しまし
たので、ご紹介致します。訳者のいけだよしこさんから提供頂きだきました。
  nofrills nofrills_web@yahoo.co.jp
 転送・転載の際は、英語原文・日本語へのリンクをつけてください。
*転送可。ウェブサイトやウェブログへの転載もどうぞ。
Raed Jarrarさんのウェブログを日本語にしているいけだと申します。
http://raedinthemiddle.blogspot.com/    ←原文
http://raedinthejapaneselang.blogspot.com/ ←日本語

 つい先ほど、30日午前00:50ごろ、Raed さんから今回の人質事件についてのオープ
ンレターを受け取りました。今、急いで日本語にしました。
http://raedinthejapaneselang.blogspot.com/
にポストしてあります。彼は4月の日本人拘束事件のときも、日本に向けてのオープ
ンレターを書いています。
http://ch.kitaguni.tv/u/917/voices_from_iraq/0000071180.html 取り急ぎ。

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以下、Raedさんからのオープンレターの内容
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日本の方々への公開書簡(4月に引き続き)

 今、イラクで起きていることをいかに僕が悲しく思っているかを、みなさんにお伝
えしたいと思います。そして、一般のイラク人には、事態に無関係な若い日本人人質
の香田さんを見つけるために、あるいは彼を解放するためにできることは、何もない
のだということをお知らせしたく思います。

 どうかわかってください、一般にイラク人は日本には敬意を抱いています。第2次
世界大戦後に国を再建した日本の方々を尊敬しています。あの残虐で非人間的な一般
市民に対する核攻撃は、人間の歴史始まって以来、最悪の大量殺人のひとつです。イ
ラク人は日本の文化的体験を信じているし、日本のみなさんがなさってきたこと、今
なさっていることから学ぼうとしています。

 どうか知っておいてください。僕はこれまで、日本の人々に対して憎悪や敵対心を
抱いているイラク人には、まったく会ったことがありません。これらの誘拐事件は、
イラク人の多数が抱いている日本の方々への感情を表しているものではありません。
僕たちのほとんどは、これらの事件が起こらなかったらよかったのにと願っています。
僕たちの文化の関係が、このような暴力的な事件で始まらなければよかったのにと願
っています。

 しかし残念ながら、今回の誘拐は、前回の日本人誘拐とは異なっています。イラク
がこの6ヶ月の間にいかにややこしく混沌とした状況になってしまったか、それを僕
は知っています。

 どうかみなさんの政府に、イラクから日本の軍隊(military Forces)を撤退させる
よう、もっと圧力をかけてください。事態の解決は、ブッシュ政権(あるいはケリー
政権)とイラク人に任せてください。これは彼らの為すべきことなのです。ブッシュ
政権に、イラクに対する彼らの戦争を正当化するための「国際的」という隠れ蓑を与
えないでください。イラクにあなたがたの国の武装集団(your military groups)が
いることは、ただ単に、政治的なものなのです。米国政権の誤った対外政策を支持す
るためだけなのです。人種差別的な「アメリカ帝国のための戦争」を支持することは、
あなたがた平和的な国民のしたいことではないでしょう。

 どうかお願いです、あなたがたの息子さんや娘さんを、イラクで戦死させないでく
ださい。お願いです、あなたがたの一般民間人の息子さんや娘さんがイラクで殺され
るようにしないでください。あなたがたの政府にこの新種の大量殺人に参加させ、あ
なたがたと僕たちの間に暴力と憎悪の恐ろしい歴史を始めないでください。新たな広
島・長崎を作るのを手助けしないでください。

http://raedinthemiddle.blogspot.com/
http://raedinthejapaneselang.blogspot.com/


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3)教育基本法の前文と第1条
   世界に誇りうる世界の教育憲章の格調をもつ

 10月31日付けの朝日の投稿欄に興味深い投書が載っていた。退職間際、今年3
月の都立高校の卒業式で、君が代斉唱のときに起立しなかったとして戒告処分を受け
た人からの文章であった。秋の園遊会で、東京と教育委員を務める棋士の米長邦雄さ
んが天皇陛下に「日本中の学校で国旗を掲げ、国家を斉唱させることがわたしの仕事」
と話しかけた際、天皇陛下は「やはり強制でないことが望ましい」と述べられ、対し
て「もちろん、そう、本当に素晴らしいお言葉を頂き、有り難うございました」と答
えたそうである。投稿者は、米長氏は「強制は望ましくない」と受け止めたかどうか
と、本当にそうなら、不当な処分の取り消しのために努力されると考えていいかと問
いただしている。

 東京都の教育委員のレベルがこの程度なのは、都知事と余り違わない水準だと寂し
くなった。恐らく米長さんも教育基本法など読んでいないのではないか。まだ、教育
基本法を読んでおられない方のために、老婆心(いや老爺心)から教育基本法の前文
と第1条をご紹介したい。私も恥ずかしながら、1985年まで読んだことはありません
でした。

           教育基本法(1947年3月31日施行)
     われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的国家を建設して、
    世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現
    は、根本において教育の力にまつべきものである。

     われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期す
    るとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普
    及徹底しなければならない。

     ここに、日本国憲法の精神に則り、教育の目的を明示して、新しい日本の
    教育の基本を確立するため、この法律を制定する。

    第一条(教育の目的)教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会
        の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたっとび、勤労
        と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成
        を期して行なわれなければならない。

    ・・・・・・

    第一○条(教育行政)教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対
        し直接に責任を負って行われるべきものである。
       2 教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な
        諸条件の整備確立を目標として行われなければならない。
   (他の条項は、http://www.houko.com/00/01/S22/025.HTM を参照して下さい)


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4)常味裕司(ウード)演奏会 スケジュール

11/6(土) ウード & フラメンコギター
吉祥寺・ロンロン  13:00~、15:00~、16:30~
高木潤一(フラメンコギター) 常味裕司(ウード)
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11/7(日) 第59回一期一会コンサート
ウードソロ 山梨・上九一色村冨士ヶ峰1260  13:00~
常味裕司(ウード) お問い合せ 0555-89-2129(松尾)
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11/8(月) アラビンディア in F 20:00~
太田惠資(バイオリン) 吉見征樹(タブラ) 常味裕司(ウード)
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11/10(水) 荒木郁代イスラム細密画展にて 吉祥寺・井の頭画廊
15:00~ 平松加奈(バイオリン) 常味裕司(ウード)
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11/11(木) ウードソロ 生活クラブ生協 浦和ロイヤルパインズホテル
伊藤アツ志(ダルブッカ、他) 常味裕司(ウード)
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11/12(金) ウード&19世紀ギターの響き 大阪高槻・スタジオ73
OPEN18:30  START19:00  前売券¥3,000 当日券¥3,500
明石現(19世紀ギター) 常味裕司(ウード) お問い合わせ・お申し込み
studio73 (072-66-7300) E-mail:studio73@saxonz.com
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11/13(土) アラビンディア 鳥取・河原町中央公民館大ホール
17:30開場 18:00開演 19:30終了 高校生以上:前売り¥2,000
(当日¥2,500)、小学生:¥1,000、幼児:無料 留学生と二世の方 80名後招待
太田惠資(バイオリン) 吉見征樹(タブラ) 常味裕司(ウード)
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11/15(月) ウード&19世紀ギター ~アラブ音楽路ヨーロッパ音楽の邂逅~
京都・法然院(075-771-2420)京都市左京区鹿ヶ谷御所一段町30)7時開演
前売り¥2,500 当日¥3,000 明石現(19世紀ギター) 常味裕司(ウード)
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11/18(木) STOY猿楽神社 午前中(奉納演奏) 夜(コンサート)
佐藤允彦(ピアノ) 太田惠資(バイオリン) 吉見征樹(タブラ) 常味裕司
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11/19(金) 古の響き(詳細はこちら) 沼袋・ちめんかのや(03-3386-3910)
19:00 open / 19:30 start¥3,000(前売り) ¥3,500(当日)
安延佳珠子(オリッシーダンス) 慶九(ヴォーカル) )寺原太郎(バーンスリ)
 常味裕司(ウード)-古の響き お問い合わせ・ご予約
Studio Odissi安延佳珠子インド舞踏スタジオ
phone : 03-3949-4737 E-mail : studioodisi@nifty.com
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11/21(日) 古の響き(詳細はこちら)コア石響(303-3355-5554)
15:00 open / 15:30 start ¥3,000(前売り) ¥3,500(当日)
安延佳珠子(オリッシーダンス) 慶九(ヴォーカル) )寺原太郎(バーンスリ)
常味裕司(ウード)
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11/23(火・祝) 古の響き 横浜・シルクロード舞踏館
(045-473-3407 進藤) 15:00 open / 15:30 start ¥3,000(前売り)
¥3,500(当日) 安延佳珠子(オリッシーダンス) 慶九(ヴォーカル)
原太郎(バーンスリ) 常味裕司(ウード)
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11/24(水) ウードソロ
西荻窪・音や金時(03-5382-2020) 19:30~ 常味裕司(ウード)
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11/28(日) ヴァイオリン&ウード 国立・音楽茶屋「奏」(0425-74-1569)
太田惠資(バイオリン) 常味裕司(ウード)

阿部政雄20041026アラブ文化芸術情報(11)

■■■■■■■■■■■■■■■ 1)映画「日本の戦争」上映会を成功させよう
■             ■ 2)★シンポジウム★
■ アラブ文化芸術情報   ■      戦争を語り継ぎ、平和を構想する
■             ■ 3)講演会 嵐の中のイラク 青葉国際ラウンジ
■  阿部政雄 No11  ■ 4)講演会 世界最大のウォルマート日本進出
■             ■ 5)JR西2労組 技術者派遣 イラク大使へ
■             ■ 6)良書推薦『野口英世は眠らない』
■■■■■■■■■■■■■■■ 7)ベリーダンス入門 ダンスアラベス
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1)ドキュメンタリー「戦争を見つめ、戦争を考える」映画(シリ―ズ全5巻)の
  上映会  全国的に展開しよう。12月8日 国会議員会館で試写会

 戦争は国の運命ばかりか、個人の幸福も粉砕する。昭和初頭の満州侵略に始まる1
5年戦争の末、沖縄への米軍侵攻、広島、長崎への原爆投下による日本の敗戦によっ
て焦土と化した国土に立ったわれわれ日本人は「二度と戦争しない」という決意を平
和憲法にこめて、平和日本の再建を誓いあった。

 しかし、今、日本では、あの忌まわしい軍靴のザックザックザックという響きが次
第に高まろうとしている。

 原因すら謎めいたあの9・11事件を切っ掛けに、まるで「真珠湾攻撃を忘れるな」
を想起せしめる慌ただしいアフガ二スタンへ空爆に続いて、架空の大量破壊兵器の隠
匿を「世界の驚異」と喧伝し、アメリカは国連を無視してイラクへの先制攻撃に踏み
切った。そして、大義などなくてもブッシュ大統領の「絶対支持」を護持する小泉首
相は、イラクへの自衛隊派遣、その多国籍軍への参加を電光石火の如く、決定、実行
した。

 このブッシュ大統領への盲従を信条とする小泉首相とその路線に沿って日本は、あ
れよあれと言っている間に「いつか来た」おぞましい軍国主義復活の路線をひた走っ
ている。

 この危険な戦前回帰の趨勢は、なんとしてでも食い止めなければならない。それは
あの戦争で尊い命を奪われた中国大陸、東南アジア、そして、日本の膨大な数の犠牲
者の死を無にしないためにも、また、次の社会を担う人びとのためにも果さねばなら
ぬわれわれの義務である.

 日本でも、「戦争を知らない子どもたち」ばかりか、「戦争を知らない大人たち」
までが人口の大多数を占めるようになってしまった。しかし、われわれの周辺には、
その悲劇を体験した高齢者の数もまだまだ多く、また若い日本人の間にも、父親が、
祖父が、中国大陸に、東南アジアに兵士として派遣され、戦死、戦傷者として帰還し
たり、母や、祖母も大日本国防婦人会、女子勤労報国隊として、戦争の苦難を嘗めさ
せられた思い出を持つ人は数知れない。原爆の犠牲者ばかりでなく、B29の大空襲
の中で命を落としたという人びとの霊を慰める催しも盛んに開かれていることも事実
である。

 河野洋平衆議院議長も、朝日新聞の紙上などで、「われわれの背中に張りつき、な
かなか見ることのできない日本の現代史を知る重要性」や「自衛隊派遣より外交努力」
を説き、「日本は米国一辺倒であってはならない」、「テロリストを肯定するつもり
はありませんが、テロをやる理由あってそれが解決されればテロをしない人たちなの
かどうかも、もう少し考える必要がある」と事実を学ぶ必要を強調している。

 戦争の愚かさ、戦争が如何に人間性を破壊してしまうかということをわれわれは今
一度、真剣に振り返らねばならない。そのためには、まず、過去の戦争の実態を見つ
める必要がある。

 解説にあるように、日韓併合に始まり、沖縄戦終結までを、5本約2時間半にまと
めたこの『日本の戦争』シリーズは、その優れた映像、音楽、ナレーション、とりわ
け、その圧倒的な真実の力で、見るものの魂を揺さぶり続ける。終戦後に作られた数々
の独立プロの名作にも劣らぬ、いやそれを上回る重厚な鎮魂歌、叙事詩といえよう。

 この映画を、日本の老若男女、あらゆる人びとが観てほしい。そして、日本が再び
とりかえしのつかない悲劇の道を辿るのを防ぐばかりか、むしろ、明るい未来の展望
を切り開くチャンスとすることを切望して止まない。山川草木轉荒涼、十里風腥新戦
場といった光景は、戦中派のしんがり組としてニ度と見たくない。

                          阿部政雄
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       「日本の戦争」(シリーズ全5巻)試写会
    日時: 12月8日  午後 (11月8日頃に確定します)
    場所: 国会議員会館    


 映画「日本の戦争」シリーズについて種々、感想をのべたり討論を行ったり、この
映画を広く全国に普及する方法などを話しあいたいと思っています。

 議員会館の会場は臨時国会が終了したあとですから、しーんとしていますが、なる
べく東京近郊の国会議員、地方議員、平和運動に携わっている市民の方々など数多く
参集していただきたいと思っています。ただ、国会議員会館は、午後5時までしか使
えないので、あとは、近くの場所に移して討論をすることも考えております。皆様か
ら、賛同者になって頂く方々をお待ちするとともに、「アイデア、ボランテア、カン
パ」などを積極的にいただき、この会が真に国民的な運動として成長していくことを
願ってやみません。

呼びかけ人(10月25日段階)
・環境ジャ-ナリスト -中村正子
・KK「わいふ」編集長-田中喜美子
・品川平和市民    -加藤孝
・環瀬戸内海会議   -倉橋澄子
・グル-プ輪     -岡禮子
・佐久間やす子    -目黒区会議員(無所属・目黒独歩の会)
・坂本史子      -目黒区会議員(無所属・目黒独歩の会)
・阿部政雄      -「日本アラブ通信編集長」
    (順不同)
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映画「日本の戦争」シリーズ

日韓併合への道(30分)
朝鮮半島 植民地支配の実態(28分)
太平洋戦争への道 中国大陸侵略(30分)
太平洋戦争と東南アジア(29分)
太平洋戦争と沖縄(35分)

■日韓併合への道(30分)
明治維新後、朝鮮半島支配をもくろみ雲揚号事件を起こした日本は江華条約を結び半
島侵略の第一歩を踏み出す。日本の雑貨が出回り、米が日本に運び出されたため米の
値段が跳ね上がり、農村や都市の手工業が打撃を受けた。反日感情が高まり農民たち
は反日の戦い、甲午農民戦争を起こす。やがて、半島の権益を巡り日清・日露の戦争
となり、勝って半島の単独支配に道を開くと保護条約を押し付け、統監府を設置。反
日義兵闘争が各地で勃発する中、安重根が朝鮮統監伊藤博文を暗殺。その半年後に日
本は韓国を併合する。日韓併合に至る35年もの長い道のりとその歴史的背景を現存
する遺跡や原風景、生存者の証言などで描く。

■朝鮮半島 植民地支配の実態(28分)
韓国を併合し、朝鮮半島の植民地支配にのりだした日本はまず、土地調査事業を開始
し農民から土地を奪う。1931年(昭和6)、中国侵略を機に半島はその後方支援とし
ての役割を担わされ、戦争遂行に必要な木材や鉄鋼、金属などの地下資源の調達に追
われる。また、皇民化教育により日本語を強要し言葉を奪い、創氏改名により名前さ
えも奪う。1941年(昭和16)太平洋戦争に突入するや半島にも徴兵制を敷き、徴用
や強制連行を行う。北海道浅茅野海軍飛行場跡、美唄炭鉱、長野県松代大本営跡など、
今なお日本各地に残るそうした強制連行、強制労働の痕跡を追う。

■太平洋戦争への道 中国大陸侵略(30分)
日本は肥沃な大地と豊富な資源の眠る満州を「日本の生命線」と位置付け、1931年
(昭和6)満州事変を引き起こし、清朝最後の皇帝溥儀を元首とする傀儡政権の満州
国を樹立。こうした日本の武力侵略に中国各地で抗日闘争が繰り広げられ、撫順市の
平頂山虐殺事件など各地で虐殺事件が起こる。また、満蒙開拓団を満州に送り込み、
結果、中国の農民から土地を奪うことになり、ますます反日闘争を激化させていく。
そして、1937年(昭和12)北京郊外の蘆溝橋で日中両軍が衝突。本格的な日中戦争
へと突入する。北京、天津を相次いで占領し、上海では無差別都市爆撃を行い、南京
では敗残兵狩りを名目に虐殺を行う。抗日の戦いは激しさを増し、日中戦争は泥沼化
していった。

■太平洋戦争と東南アジア(29分)
泥沼化する日中戦争。その打開の道を南進政策に求めた日本は1941年(昭和16)、
ハワイ真珠湾攻撃の2時間前にマレー半島上陸作戦を敢行し、太平洋戦争へと突入し
ていった。その目的はゴム、スズや鉄鉱石、石油という豊富な資源の確保とビルマか
ら雲南省を経て重慶にいたる蒋介石支援ルートの遮断であった。日本軍はシンガポー
ルやマレーを占領すると華僑義勇軍、共産党員、抗日分子、重慶の国民政府への献金
者などの摘発を目的に中国系住民を対象とした検証を行い、疑いのある人々を拘留し
ては虐殺していった。大勢の中国系住民が抗日軍ということで殺され、その犠牲者の
数は未だつかめていない。その歴史的事実を現地に追い、元日本兵の証言に耳を傾け
る。

■太平洋戦争と沖縄(35分)
1944年(昭和19)の暮れ、米軍はB29による本土空襲を開始。日本の殆どの都市
が壊滅的打撃を受け、もはや日本の敗戦は決定的であった。しかし、大本営はあくま
で本土決戦を叫び、沖縄では本土決戦の時間稼ぎのために持久戦の作戦が立てられ、
根こそぎの総動員体制が敷かれた。1945年(昭和20)4月1日、米軍は総勢54万
の大部隊で沖縄本島宜野湾の海岸に上陸。そして、4月8日、浦添丘陵で日本軍と米
軍の死闘が始まる。米軍の戦史は伝える。「ありったけの地獄を一ヶ所にまとめたよ
うな戦闘であった」と。沖縄の戦いはまさに肉弾戦であり、そこは地獄の戦場だった。
生き残った元日本兵、鉄血勤皇隊や学徒看護隊の人々の証言をもとに沖縄の戦いとそ
の意味をみつめる。


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2)広島市長を招いたシンポジウムが開かれます。ご案内です。
★シンポジウム★
   戦争を語り継ぎ、平和を構想する

   イラクでの戦火はやまず、日本も自衛隊を派遣しています。
   来年、’終戦’と被爆60年を迎える今、改めて戦争の真実を見つめ、
   平和をどう構築していくか、秋葉・広島市長を交え、考えたいと思います。

日時:11月5日(金曜) 午後1時~4時
    *開場は、12時30分から
場所:上智大学図書館 L921教室
    *JR中央線・総武線、地下鉄丸の内線・南北線四ッ谷駅下車

第1部 <基調講演>  報復ではなく和解を--被爆60年を来年に控えて
     秋葉忠利(広島市長)
第2部 <シンポジウム>
 報告1  平和構築の課題--反テロ戦争と地域紛争
     村井吉敬(上智大学外国語学部教授・日本平和学会会長)
 報告2  戦略的平和思考と軍縮の展望--軍縮大使を務めて
     猪口邦子(上智大学法学部教授・前軍縮会議日本大使)
 報告3  戦争と報道--ジャーナリズムが果たすべきこと
     田島泰彦(上智大学文学部教授・コーディネータ)
 コメント
     秋葉・広島市長

*入場無料で、参加自由です。
秋葉市長の新著、『報復ではなく和解を』(岩波書店)のサイン会あり。
なお、講演、報告のタイトルは一部仮題を含みます。

◆主催◆ シンポジウム実行委員会+社会正義研究所
◆後援◆ 岩波書店

[問い合わせ]  
    岩波書店  メールentry0@iwanami.co.jp    FAX 03-5210-2274
    田島研究室 FAX 03-3238-3628
    飯島和夫  iijima20@pf7.so-net.ne.jp    03-5328-0656


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3)講演会 嵐の中のイラク 横浜市青葉国際交流ラウンジ

ゲスト : 日本ペンクラブ国際委員 日本アラブ通信、アラブ文化芸術情報主宰
      元東海大学国際学科講師

 世界に36%の石油を供給するアラブ地域、アメリカがイラクに信仰して侵攻して
フセイン政権は倒れましたが、イラクに平和が訪れるどころか、各地のテロは烈しさ
を増すばかりです。それは何故なのか?
 今、アラブ、イスラムを知らずして世界を語ることが出来ません。
 アラブ世界に60回を越す訪問取材をされた講師とともに、アラブ、イスラムの世
界を考えてみませんか?

 日時:2004年11月23日(祝) 午後1時30分~3時30分
 場所:横浜市青葉国際交流ラウンジ2階会議室
    (青葉区役所別館、田園都市線市ヶ尾駅よリ徒歩3分)
 参加費: 300円(当日受付で)
 定員:  100名
 申込先: 青葉国際交流ラウンジ TEL 045-971-2040(第4日曜日休館)
      横浜市青葉国際交流ラウンジ


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4)21世紀日本の進路を考える講演会

「世界最大の小売業ウォルマートの日本進出と米国防総省の世界戦略」

 今日、従属的な日米関係は、安全保障や外交の分野ばかりでなく、経済や金融の分
野でも、とくに目立つようになってきました。いま私たちがちょっと注意深く見回す
と、アメリカの証券・生保・銀行、そして大型店にすっかり街が覆い尽くされようと
していることに気付かされるはずです。アメリカではウォルマートによって商業者ば
かりか地域の労働者も、自治体さえも大きな打撃を受けているそうです。そのウォル
マートが本格的に日本進出を始めました。ウォルマートの企業活動はペンタゴン(米
国防総省)の世界戦略としっかり結びついています。ここ十数年、急速に日本に進出
してきた米国流通業の実態とその背後にある戦略について、ご専門の本山美彦さんに
お話いただき、対抗しうる政策をいっしょに考えていきましょう。ご参加をお待ちし
ております。

日時 10月30日(土)午後1時半開場
会場 全水道会館(大会議室)  JR・水道橋駅東口徒歩2分
                都営地下鉄水道橋駅徒歩1分

 講師 本山美彦さん(京都大学大学院経済学部教授 国際経済労働研究所所長)
1943年、兵庫県生まれ。現在、京都大学大学院経済学研究科教授。京都大学経済学部
卒。甲南大学助教授を経て、京都大学助教授。86年、同教授。00年~02年、同学部
長。(社)国際経済労働研究所所長。著編書:『グローバリズムの衝撃』(2001年東
洋経済新報社)、『売られるアジア』(2000年新書館)、『貿易論序説』(1982年有
斐閣)‥多数。

参加費 一般1000円 学生500円

主催: 自主・平和・民主のための広範な国民連合・東京(東京都文京区本駒込v 

講師 本山美彦さん(京都大学大学院経済学部教授 国際経済労働研究所所長)
1943年、兵庫県生まれ。現在、京都大学大学院経済学研究科教授。京都大学経済学部
卒。甲南大学助教授を経て、京都大学助教授。86年、同教授。00年~02年、同学部
長。(社)国際経済労働研究所所長。著編書:『グローバリズムの衝撃』(2001年東
洋経済新報社)、『売られるアジア』(2000年新書館)、『貿易論序説』(1982年有
斐閣)‥多数。

<参加費>一般1000円、学生500円
<主催>自主・平和・民主のための広範な国民連合・東京
    (略称 広範な国民連合・東京)TEL 03-3943-0575


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5)-読売新聞 10月19日(大阪版)-

   鉄道 治安安定段階 技術者派遣
      JR西2労組 駐日イラク大使に申し出

 戦争で打撃を受けたイラクの鉄道再建を支援するため、JR西日本の労働組合のJ
R西労組(森正暁委員長)と国労西日本本部(上村隆志委員長)の代表が18日、駐
日イラク大使館(東京都港区)を訪れ、支援を申し出た。大使館側は支援を歓迎し、
治安が安定した段階で技術者らがイラク入り、鉄道網の復興に努力することを申し合
わせた。

 森、上村両委員長らとガーニム・アルジュマイリ・駐日イラク大使が会談、組合側
の申し出に対し、大使は、「国内の鉄道は厳しい状況で、是非、力を貸して欲しい」
と述べた。

 同大使館などによると、イラク戦争前の鉄道はバグダッドーウマール間など5線区
で、総延長約2千キロあったが、爆撃やゲリラの破戒工作などで寸断され、貨物線な
ど一部を除いて機能していないという。

 国鉄時代から対立してきた2労組は、阪神大震災の復興の際も協力しており、森、
上村両委員長は、「全国のJR労組に呼びかけ、イラクの復興に役立ちたい」と話し
た。

 今後、現地技術者を日本に招くなどして、派遣の時期や規模などをイラク側と具対
的に話しあう。


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6)良書推薦  『野口英世は眠らない』   山本厚子著

発行:綜合社 発売:集英社
四六判ハードカバー、288頁
2004年10月26日集英社より発売
定価1890円(税込)

 21世紀に野口英世は甦ります。
 24歳で米国に渡った野口は、ロックフェラー医学研究所で働き、不眠不休の研究
態度で出世街道を驀進します。そして、ついに「世界のノグチ」と言われる地位に登
りつめ、ノーベル賞候補には3回も名を連ねました。
 51年の人生をアフリカのガーナで閉じますが、後半の約10年間はラテンアメリ
カ諸国での黄熱病研究に駆け巡りました。
 11月1日、新千円札に登場する彼の顔は、南米エクアドルに黄熱病研究に出かけ
た頃の誇り高い肖像です。

著者プロフィール
山本厚子(やまもとあつこ)
東京生れ。慶応義塾大学文学部史学科卒。スペイン・マドリッド大学留学。
作家、日本ペンクラブ国際委員。早稲田・東京農業大学講師。
著書「野口英世知られざる軌跡」
  「メキシコに生きる日系移民たち」「榎本武揚」その他


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7)ダンスアラベスクから

ベリーダンス人門への誘い
(★火曜日16:00~17:30/入門~初級クラス☆
  ダンスアラベスクスタジオ@都立大学

★お問合せ先: info@dancearab.com
主宰者:松本真寿美さん

「LazyBones」ライブ
日時☆11月6日(土)OPEN 19:00 START 20:00
出演☆Musicians:Atsushi Ito(Perc。) Ryuich Imai(Oud)
   Dancer: Nenuphar

場所☆横浜レイジーボーンズ http://www.lazybones.jp/
チャージ等不明(スミマセン!)

阿部政雄20041018アラブ文化芸術情報(10)

■■■■■■■■■■■■■■■ 序)イラク戦争支持は犯罪 首相は自己責任を
■             ■ 1)『ショクラン(感謝の心)』モハマド君CD
■ アラブ文化芸術情報   ■ 2)「おとなになれないイラクの子ども」救おう
■  阿部政雄 No10  ■    どすのメッキーさんと三鷹市の嶋やんから
■             ■ 3)ナスィール・シャンマ・グループ初来日公演
■             ■ 4)講演会:「イラク戦争と日本」
■■■■■■■■■■■■■■■ 5)新刊 N・チョムスキー 中東 虚構の和平


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
巻頭言  正当性なきイラク戦争支持は犯罪 首相は”自己責任”を自覚すべし

 13日の衆院本会議でいよいよ始まった論戦で小泉首相は、イラクに大量破壊兵器
はなかったとする米政府調査団の最終報告書により、開戦支持の根拠は失われた、と
する民主党の岡田代表の主張に、案の定、「イラクが12年間、国連安保理決議に違
反し続け、最後まで国際社会の真摯(しんし)な努力に応えなかった、との認識に基
づくものだ。過ちではない」と述べ、正当性を改めて強調した。民主党の岡田克也代
表が「(イラク戦争支持が)重大な過ちであったと認め、国民及びイラク国民に対し
て謝罪すべきだ」と迫ったのに答えたものである。

 12月に期限が切れる自衛隊によるイラク復興支援活動の延長問題に関しては「復
興状況、現地治安情勢などを総合的に検討し、適切に判断したい」と語った。

 相変わらずのこんにゃく問答だが、大義がないのに、他国を攻撃し、無辜の人びと
を大量に殺し、その資源を強奪するなど、アナン国連事務総長のいうように、国連憲
章違反の大罪であり、さしずめ「鬼平犯科帳」に出てくる火付け、強盗の類いなのに、
それに協力した小泉首相の立場は正当であったなど、よくも人ごとみたいに応えるも
のだと唖然として顔を見つめていた。岡田代表の方ももう少し、大義もないのに殺し
たイラクの市民への補償や自衛隊までのこのこ派遣して使った国民の税金をどう弁償
するつもりなのか」ぐらい言って欲しかった。まだまだ、経験不足な感じは否めない。
流星光底長蛇を逸すと言ったら、やや大げさかな。いやいや、今朝の朝日の社説では、
米英の非政府組織は、イラク戦争が始まってから市民の数字は、16日に、その数字
は「すくなくとも1万3254名」と発表している。米軍の死者も千人を超えたとい
う。

 戦前、添田唖蝉坊がはじめた「ノンキ節」を歌い一世を風靡し、戦後、国会にタレ
ント議員第一号として当選した石田一松代議士が歌っていたノンキ節にこんなのがあ
った。

  お相撲や拳闘やレスリングなんぞは
  高い入場料を払わされるけれど、
  国会の茶番劇などただ見せる
  道理で税金が高くつく ははノンキだね

 石田代議士は、「ははノンキだね」と歌っていても、心中、とてもノンキではなかっ
たに違いない。

 小泉首相の答弁ぶりを見ていても、こんな国民を小馬鹿にしているような答弁で一
国の総理大臣が勤まるものかと、日本とは不思議な国になったものだと、暗涙を飲む
思いがする。

 第2次世界大戦の直後、新聞紙上に盛んに登場したのは、アンデルセンの童話『裸
の王様』であった。本当は丸裸の王様が、周囲の佞臣に騙されて、立派な衣装をまとっ
ていると思い込んで得々と行進していると見学していた幼い子どもが無邪気に「ア!
あの王様、裸で行進しているよ!」という話である。

 今の小泉首相の答弁だってこの類いで、「朕(チン、いやポチだったか)は、日本
の総理なり、チンの理屈が判らないのは、勉強不足なり。御名御璽」というつもりか
もしれないが、随分と日本国民や世界の人びとを嘗めきったものだ。 私としたこと
が、つい烈しい言葉を使ってしまったが、こうした木で鼻をくくったような小泉首相
の答弁を見聞していると、あの戦争で死んでいった人びとが哀れでならなくなり感情
が抑えられなってしまう。小泉さんもことの重大さをたまには訪問してきた美人と握
手してヤニさがっている時間を割いてでも、この戦争犯罪について、沈思黙考しても
らいたいものだ。イラクでは今この瞬間、幼い子を含め多くの市民が殺されているこ
とを忘れてもらっては困る。

 正直いって、私もはじめの頃は、イスラーム教徒が一日に5回もお祈りをする姿に、
「この忙しいのに、そんなに長くお祈りをしているなんて」と思っていたものである
が、やはり、一日に何回となく我が身の所行を振り返って見ることは大切なことでな
いか。まして一国の総理ともなれば、それくらいの心掛けが欲しい。孔子さまだって
一日のうちの「三省」を説かれた。こんな教育の根本さえわきまえないでいる人びと
が「教育基本法」を変えると躍起になって声高に騒いでいることも実に摩訶不思議、
喜劇というより「日本の悲劇」である。日本もそこまで、いや国会もこれだけ無責任
な人を首相に選ぶほどに堕落してしまったのかと、ご先祖様たちに申し訳ない思いで
一杯である。与党の国会議員中に「殿、殿中でござるぞ、国会でござるぞ、そのよう
な幼稚な答弁はお止めくだされ」と浅野内匠頭を羽交い締めした梶川與惣兵衛のよう
なサムライはいなのだろうか。小泉氏を浅野内匠頭に比較しようなど毛頭思わないけ
れど、国会の答弁は命懸けでするぐらいの気構えを持って頂きたいものだ。


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
1)『ショクラン(感謝の心)』(モハマド君)のチャリティCD完成
 (今年、5月に目の治療のために来日したモハマド君は、イラクで見た多くの少年
少女のように、爽やかで、明るく、苦難にもめげず、よりよい明日の日のために頑張
るイラクの代表的少年でした。モハマド君の滞在中、日本の友とのつながりの中で、
この歌が生まれたのは素晴らしいハートとハートをつなぐ贈り物です。)

『ショクラン(感謝の心)』が生まれるまで。
              橋田メモリアル・モハマドくん基金
 
【始まりは故・橋田信介さんの熱い想いでした。】
 今年の5月にイラクで凶弾に倒れるその時まで、橋田信介さんは、妻の幸子さん、
友人の一杉真城さんと、彼を中心とした沼津ロータリークラブ、沼津ローターアクト
クラの人々と共に、イラクで戦火の中、眼に傷を負い失明の危機に瀕していたモハマ
ド・ハイサム・サレハくんの来日実現に奔走していました。日本の高度医療技術をもっ
てすれば、モハマドくんの瞳にもう一度光が甦るという希望を胸に、募金活動を展開
していたのです。
 
【想いをみんなで受け継いで。】
 橋田さん亡きあと、その遺志を幸子さん、一杉さんが引き継ぎ、何より全国の人々
の暖かい協力のおかげでモハマドくんの来日は実現。無事に手術も成功しました。

【人々とのふれあいを通じて生まれた「ショクラン」の歌。】
 モハマドくんは手術後、父親のハイサムさんと一緒に、沼津市内をはじめ数多くの
小・中学校を訪問。こどもたちは日本語の分からない親子を歌で迎え、歌で励まして
くれました。言葉は違っても、世界の共通語である「音楽」を通じてこどもたちみん
なの心はしっかりと二人に届いたのです。モハマドくん親子は何度も何度も「ショク
ラン(イラクの言葉で“感謝の心”の意)」と言って頭を下げていました。
 その光景を見て、音楽の持つ力に感銘したスタッフたちが集まり、自分たちも歌で
感謝の心を伝えようと「ショクラン」と題した曲を自主的に作りました。

「ショクラン(感謝の心)」はこうして生まれたのです。

    「ショクラン(感謝の心)」
      詩:草下一美  曲:清原樹 うた:青山ともみ

  青きチグリス ユーフラテス 鮮やかな緑と 白い花
   みんな笑顔 きれいだった ぼくらのまち

  海をこえた やさしい気持が とまどい生きてる 毎日に
   ほのかな光 そっと 投げかけてくれた

  感謝の心で きずいていく 新しい街に 光を

  この心に 咲かせよう やさしさの 大きな花
   この世界に 見つけよう 求めた 未来を

  小さな種を 一粒まこう きっといつか 強い木になって
   ここからずっと つづく道を  支えてゆく

  感謝の心を ひろげていく 言葉はなくても わかるよ

   この大地に 描いていく このいつか見た 夢の色を
   この歌声 響かせて 明日へと はばたこう

   この心に 咲かせよう やさしさの 大きな花
    この世界に 見つけよう 求めた 未来を
   この大地に 描いていく いつか見た 夢の色を
    この歌声 響かせて 明日へと はばたこう

 (感想:一人のイラクの少年のやさしい、素直な心、厳しい逆境にめげず、未来を
見つめるたくましい魂、長い歴史への誇りを忘れないその小年らしい心が周辺の子ど
もたちや日本人に感動を与え、こうした時空を越えた広がりのある歌が生れたのでし
ょう。私も1973年春、初めてバグダードに3泊4日滞在したことがある。チグリ
ス川に近い、キリスト教会のそばにある小学校の教室の窓越しに授業を受けている子
どもたちが余りに可愛いので、窓越しに写真をとろうかとためらっていたら、ドアが
あいて担任の若い女教師が
    「日本の方でしょう。どうぞ教室にお入りになって。遠慮はいらないから、
     授業風景をとって下さいな」
と言ってくれ、天にも上る心持ちだった。この写真は帰国後、外務省の外郭団体の雑
誌の表紙にも使われ懐かしい思い出となった。おまけに「日本の子どもたちのことも
生徒に話して下さい」と言われ、日本の子供は童話が好きで、よく本を読みます」と
言ったような記憶がある。イラクやアラブの子どもたちに「赤い鳥運動」以来の日本
の童話がもっともっと紹介出来ればいい」と今でも思っている。阿部)


チャリティCD「ショクラン(感謝の心)」
         お問い合わせ:cd@agora1997.com (担当/森崎・三浦)

~チャリティーCD「ショクラン(感謝の心)」活用のお願い~
 2004年8月22日「橋田メモリアル・モハマドくん基金」が発足致しました。
 みなさまは2004年6月に戦渦のイラクで目に傷を負い、手術のため来日したモハマ
ド・ハイサム・サレハくんを覚えていらっしゃるでしょうか? 戦争終結宣言が出さ
れても、今なおイラクではたくさんの子どもたちが、不安定な政治状況下で満足な手
当も受けられないまま、病気やケガで苦しんでいます。
 しかし、そういった子どもたち全員をモハマドくんのように来日させて治療を受け
させることは到底不可能です。
 わたしたち基金は2004年6月にイラク少年モハマド・ハイサム・サレハくんの来日
実現と視力回復手術に寄せられた募金を元に、イラク中部の都市ファルージャに「子
ども病院」建設実現を目指しています。モハマドくん来日に奔走し、5月に凶弾に倒
れた橋田信介さんの妻幸子さんと支援者の人たちが中心となって、「少しでも早く、
少しでも多くの子どもたちの安らぎの場がイラクに生まれるように」と精力的な活動
を展開しています。
 その活動の中心にチャリティーCD「ショクラン(感謝の心)」があります。この
一枚にはモハマドくん来日と手術実現へ寄せられたみなさまからのあたたかいご支援
への感謝と、子ども病院建設実現への願いが込められています。
 歌はモハマドくんが来日中、繰り返し口にしていた「ショクラン(アラビア語であ
りがとう)」をテーマにしています。感謝の気持ち、未来への希望が歌詞には託され
ており、モハマドくん親子からの感謝のメッセージも入っています。
 またジャケットの絵はモハマドくんが心に描いていた色鮮やかなバラの花の絵です
(モハマドくんは本当のバラの花を見たことがありませんでした)。バラの花には、
「ありがとう 日本 モハマド」という言葉が添えられています。
 このCDの収益金の一部は基金に寄付され、イラク・ファルージャ子ども病院建設に
役立てられます。
 橋田メモリアル・モハマドくん基金がこのチャリティーCDを出す意義を、できるだ
けたくさんの人々にご理解頂き、その経緯と主旨にご賛同いただけますことを切に願
う次第であります。

株式会社アゴラ 森崎芙美
-------------------AGORA Co.Ltd.---------------------
FUMI MORISAKI
162-0845 東京都新宿区市谷本村町2-28
E-mail : morisaki@agora1997.com
Tel : 03-3268-5501
Fax : 03-3268-5222
-------------------------------------------------------------


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2)「おとなになれない子ども」イラクの子どもたちをすくおう
この問題を取り上げたお2人の文章を紹介します。


a)どすのメッキー@管理人です。
 ユニセフは、10月、乳幼児死亡率低減の取り組みに関する最新レポート「子ども
たちのための前進」(Progress for Children)第1版を「このままでは、世界は子
どもの命を守る約束を達成できない」("World failing short on promise to
reduce child death")という悲痛な警告とともに発表しました。

■日本語概要
http://tinyurl.com/53tup
■報告書全文(英語pdf)やビデオクリップは↓
http://www.unicef.org/progressforchildren/2004v1/

 報告書は、予防接種のように、低コストで効果が実証された方策があるにもかかわ
らず、改善は遅々として進んでおらず、国や地域間の格差がますます広がっているこ
とを明らかにしました。

 中でも、特に行を割いて強調しているのが、イラクの現状です。

「武力紛争の拡大も明らかに子どもを犠牲にしている。1990年から2002年の
間に、イラクやコートジボワールのような国では、5歳未満児の死亡率が急上昇した。
例えば、イラクは中東・北アフリカ地域で乳幼児死亡率が上昇した唯一の国である。
イラクでは、10人に1人の子どもが5歳未満で亡くなっている」

 イラクは、この期間の乳幼児死亡率の改善率が「マイナス」7.6%と統計が取ら
れた国の中で最悪の数字を示しています。

 その原因は、過去の別のレポート
http://www.unicef.org/infobycountry/iraq.html
で指摘されているように、子どもたちが20年間で3度も戦争に巻き込まれ、慢性的
な疾病と栄養失調に陥っていたことによります。5歳以下の子どもの実に4人に1人
は慢性的栄養不良であり、このため、開戦前広島の秋葉市長らがとりあげたように、
イラクは人口の半分が18歳未満という子どもの国になっていました。

 イラクは、中東でも医療技術やサービスの最も進んだ国でした。しかし、80年代
および91年の湾岸戦争とイランとの8年の戦いが、イラクのインフラストラクチュ
アを破壊しました。さらに12年以上に及ぶ国連の非人道的な経済制裁が、失われな
くてよい150万人の命(そのうち50万人以上が5歳以下)を奪いました。このこ
とは、いくら強調してもしすぎることはないと思います。「石油と食糧の交換プログ
ラム」やユニセフの支援措置も、簡単な薬さえ武器転用の恐れありと難癖をつけた米
英の壁の前で、大勢を変えるにはいたりませんでした。

 だからこそ、米政府調査団の最終報告書でも、大量破壊兵器の備蓄も開発計画もイ
ラクになかったことを結論付けるとともに、フセイン政権の最大の関心事は、大量破
壊兵器の開発ではなく、経済制裁の解除だった、と言っているのです。

 米英は、他国を侵略する武器を作る意志も能力もない子どもの国に、雨あられと爆
弾を落とし、日本は全面的にそれを支持しました。この犯罪の恐ろしさ、醜さは、と
ても言葉で言い表せるものではありません。

 さて、ユニセフのこの報告書は、米政府調査団の最終報告書とあわせ、日本の針路
を判断する上で極めて重要な文献だと思うのですが、日本のマスコミは、下記2件以
外ほとんど取り上げていません。あきれ果てたものです。

【<乳幼児死亡率>イラクで2.5倍に ユニセフ報告】
(毎日8日)http://tinyurl.com/5otx2

【イラクで幼児死亡率が悪化=旧政権の圧政、経済制裁が影響-ユニセフ】
(時事8日)http://tinyurl.com/3sst4

 しかも、時事の記事と見出しは何でしょうか。
 ユニセフの報告書の中から、「旧政権の圧政」という記述を、つたない英語力で探
してみましたが見当たりません。少なくとも、「経済制裁」より優先順位が高くない
のは間違いありません。時事の記事は、子どもたちの命を奪い続けている責任者を事
実を捻じ曲げて免罪するものだと思います。ブッシュ大統領と小泉首相の国際法的道
義的責任が問われる今、意図的なものさえ感じます。

 時事通信への抗議・問い合わせ先は↓
 webmaster@jiji.com
 〒104-8178  東京都中央区銀座5-15-8 (03)6800- 1111(大代表)


************* WAR IS OVER. IF YOU WANT IT **************
イラクはまだ全土が戦争状態です。

私は世界のメディアや国連やNGOの情報から
どこそこで人が何人死んだ、という記録をつけています。

でも想像してみてください。
年表の裏には
アメリカ軍があえてカウントせず
新聞もいちいち報道しない
膨大なイラク人の死があるのです。

今も住む家を奪われ
アメリカ軍がばらまいた放射能に冒され
理不尽な侵略戦争にいらだつ兵士に撃たれた
人たちで病院はいっぱいです。

これでもフセイン大統領がいた時代より幸せだと思いますか?

フセイン政権の問題はイラク国民の問題です。

でも、
今イラクの子どもたちを死に追いやっているのは、
わたしであり、
あなたなのです。    (対イラク戦争 略年表の序文より、2003/12/1)

ML NOFORCE 投稿先 noforce@mlc.nifty.com
管理人 どすのメッキー mekkie@nifty.ne.jp
HP DON'T FLY!! EAGLE
http://homepage2.nifty.com/mekkie/peace/peaceidx.html


*******************************************************
b)どすのメッキーさんへ。三鷹市の嶋やんです。

 イラクの子どもたちの実態、胸がつまり、痛みます。
「おとなになれなかった子どもたち」をつくってしまった、私たちの国、そして
国民は、この罪を背負い続けなければなりません。
「今日の出来事」の日記【別冊8日】↓に次の通り記しました。
http://www.parkcity.ne.jp/~shimayan/kyounodekigoto.htm

▼イラク戦『大義』否定、米調査団が最終報告↓(「東京新聞」10月7日)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20041007/eve_____kok_____000.shtml

▼ブッシュの命令で、米英軍殺されていった1万人を超すイラクの人々、とりわけ大
人になれなかった子どもたちへの謝罪と償いを一体誰がするのか、死んでいった米兵、
英兵、人質の人々生命は何であったのか
▼他国に先駆けて米軍の軍事行動を支持した愚かな、ある国の首相は『米調査報告書』
について「(イラクが)国連決議に従えば戦争は起こっていなかった」と述べ、米英
によるイラク戦争を支持した日本の判断に誤りはなかったと強調した
▼この首相コメントを承認すれば、時の権力(首相)が疑いをかければ、先制攻撃で
あろうが身柄拘束であろうが何でもできることになろう軍事国家になる。【憲法九条
を放棄する】ということは、そうした専制・独裁国家になるこをも意味する
▼このコメントを支持したポスト鈍一郎とどこからか言われ始めているA氏は声の調
子といい表情といい冷たい、もっと“ヤベー”ヤツである
▼B&B&Kがいつの日か犯罪人として裁かれる日を世界中の人々は迎えねばならな
い
▼私たちは、米国の軍事侵略を支持した日本国の国民として、殺されていった人々と
向き合い、責めを負っていかなければならない。決して目をそむけてはならないので
ある。

*****************************************
嶋崎英治・三鷹市議会議員 
無所属・市民派<憲法9条の人>
◆市民自治をめざす三多摩議員ネット
ホームページ:http://www.parkcity.ne.jp/~shimayan/
E-メール:mailto:shimayan@parkcity.ne.jp
三鷹市新川5-18-11
電話090-3082-2640
Fax 0422-46-3665
*****************************************


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
3)ナスィール・シャンマ・グループ 初来日公演
 9月30日付けの「アラブ文化芸術情報」No7~で紹介した如く、イラクで育まれた
深遠な癒しの音楽団ナスィール・シャンマグループが11月下旬に来日します。
(国際交流基金HPより)

ウード、カヌーン、ナーイ、レック、バイオリン、コントラバス
日本ツアーのためのスペシャルユニット

かつてメソポタミヤ文明揺籃の地であり、アラブ世界の文化的中心地に花開いた爛熟
した正統アラブ文化を受け継ぎ、イラクで育まれたナスィール・シャンマの深遠な癒
しの音楽が紹介されます。

主催 独立行政法人 国際交流基金(ジャパンファウンデーション)
日程
11月28日(日) 長崎公演 メルカつきまちホール 開演19:00
11月30日(火) 広島公演 ゲバントホール    開演18:30
12月2日(木) 東京公演1 国際交流基金フォーラム 開演19:00
12月3日(金) 東京公演2 国際交流基金フォーラム 開演19:00
*12月3日は、公演前にセミナー(無料)が開催されます(16:00~18:00)

来日メンバー
MR. NASEER SHAMMA(ナスィール・シャンマ) ウード
MR. SABIR ABDEL-SATTAR(サビール・サブデルサッタール) カヌーン
MR. SAEED KAMAL(サイード・カマール) バイオリン
MR. AMR MUSTAFA(アムル・ムスタファ) レック
MR. HANI AL-BADRI(ハーニー・アルバドリ) ナーイ
MR. SALAH RAJAB(サラーハ・ラジャブ) コントラバス

ナスィール・シャンマ プロフィール
 1963年、イラク南部、ユーフラテス川とチグリス川に挟まれたメソポタミア文明揺
籃の地、アル・クート(ワーセット県)生まれ。14才でウードを始める。バグダッド
音楽院でアズ・シャリフ・ムヒッディーン、ジャミール・バシール、ムニール・バシ
ール、サルマン・シュクル、アリ・アルイマムなどに師事。85年のフランス公演を契
機に頭角をあらわす。87年にディプロマ取得。
 国内外で数々の受賞歴。86年ベスト・メロディー賞。88年ヨルダンのジュラシュ・
フェスティバルでベスト・アラブ・ミュージシャン賞。88、89、90年イラク・アーテ
ィスト・ユニオン賞。90年チュニジアのカルタゴ国際芸術祭でベスト・シアター・コ
ンポジション賞。92年モロッコ、チュニジア、96年にポルトガルでメダル受賞。
 25才でアル・バヤリクというウードのグループを創立。その後、9世紀に活躍し
た著名な音楽学者であるアル・ファラビの著作の修復を行い、8弦ウード(通常は6弦)
を復元し、ウード演奏の新しい地平を切り開いた。93年から98年にチュニジアのアラ
ブ音楽院で教える。現在は98年に自らが設立したカイロのアル・ハラウィにあるアル・
ウード・アル・アラビ(アラブ・ウード・ハウス)のディレクターとして後進の指導に
あたる一方、アル・オユーンというグループを設立。

代表曲:「An Eastern (Oriental) Love Story」という曲は、100万人以上の犠牲者を
出したといわれるイラン・イラク戦争に行き片腕を失った友達(ウード仲間)のために
書いたユニークなウードのOne-hand奏法(片手だけで弾く)の曲。また、「アーミリー
ヤの出来事」という曲は、湾岸戦争で誤爆され多数の市民婦女子が死亡したバグダー
ド市のアーミリーヤ・シェルター事件の追悼曲(最後のほうで、ウードでサイレンを
模した音を出す部分もある。)ナスィール自身、サッダーム政権下で数ヶ月投獄され、
サッダームの息子の支配する諜報組織の工作員となることを強要された過去がある。
さらにはヒロシマの原爆の犠牲者に捧げる曲(『ヒロシマの苦しみ』)を86年に作曲し
ている。
Webサイトhttp://www.naseershamma.com/


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
4)講演会:演題「イラク戦争と日本」

■11/6ホットライン フォーラム(第一回)
●演者:阿部政雄(「日本・アラブ通信」、「アラブ文化芸術情報」編集長)
    演題「イラク戦争と日本」
●場所:中野勤労福祉会館(JR中央線中野駅南口より徒歩3分)
●日時:11月6日(土) 午後6時から
●入場カンパ 800円
★主催:米兵・自衛官人権ホットライン
★連絡先 東京都中野区東中野 1-41-5 2F 03-3369-3977
    (受付時間 月~土 18:00~21:00)

 この講演では、イラク戦争勃発の背景、大義なき戦争に日本が参加することによっ
て、罪なき多くのイラクの人びとを死傷せしめ、日本自身が破滅の道を転がり落ちる
のを食い止め、平和日本、文化日本、技術日本の原点に立ち戻る好機とすべく、国民
的運動に発展させなければならない。それが日本国民へのイラクやアラブ諸国民の要
望であり、それに応えるのが日本国民の義務、真の連帯となるのではないか。
 日本政府は、イラクの復興のためと言っているが、厳しい情況下にありながら、民
族的誇りを忘れないイラク国民から、国民的プライドを取り戻すことを学ぶのは日本
の方ではないかといつも思う。
 劣化ウランをばらまき、1万数千人の市民を殺した戦争に加担することが復興への
第一歩ではない。イラク、パレスチナなど中東問題に取り組むには、虚心な目で現地
の実状を、日本と比較しながら見つめる必要がある。
 「災い転じて福となす」。新生日本の進路を確立する未来像を国民の力でもう一度
築いていく必要を訴えたい(阿部)


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
5)★新刊案内★
謹啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
このたび、チョムスキーの邦訳としては初めて中東問題に切り込んだ書籍を刊行させ
ていただくことになりました。

ノーム・チョムスキー
中東 虚構の和平
MIDDLE EAST ILLUSIONS by NOAM CHOMSKY  訳=中野真紀子

米国とイスラム社会の確執。その根源を鋭くえぐる!
●イスラエル・パレスチナ紛争、アフガン、そしてイラク戦争――。中東地域は半世
紀以上にわたりアメリカ帝国主義に翻弄されつづけた。
●ユダヤ人リベラリストとして、自らの出自に関わるイスラエル・パレスチナ紛争に
対する見解を明らかにし、アメリカが介入し続ける中東の半世紀を克明に検証し批判
する。
●日本から遠い中東問題の真実を、闘う知性チョムスキーが鮮やかに浮かび上がらせ
る!

◆新しい論考を前半に、1960年代後半~1970年代の論文を後半に収録。30年前から現
在まで、チョムスキーの視座は揺らぐことなく、中東に対する彼の立場の一貫性がよ
くわかる。チョムスキーの政治的発言を論じるためには欠かせない一冊です。

四六判ソフトカバー 412ページ 2004年8月23日発売 定価2310円(税込)

本書に関するお問い合わせは下記まで、お気軽にご連絡ください。
講談社学芸図書出版部
担当・篠木(ささき)和久
〒112-8001 文京区音羽2-12-21
電子メール: k-sasaki@kodansha.co.jp
電話 03-5395-3522
ファックス 03-3047-4843
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転送大歓迎

阿部政雄20041011アラブ文化芸術情報(9)

■■■■■■■■■■■■■■■ 序)戦中派からの一言
■             ■ 1)パレスチナ子ども作品展
■ アラブ文化芸術情報   ■ 2)JVCが緊急救援を開始
■  阿部政雄 No9   ■ 3)「ナギーブ・マフフ―ズ短編集」の魅力
■             ■ 4)詩 おしっこ 谷川俊太郎
■             ■ 5)アフリカ・アラブ料理を食卓に
■■■■■■■■■■■■■■■ 6)催しを3つほど紹介


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
序)戦中派からの一言
    「災い転じて福となす」
    もう戦争ごっこの永田町『三文オペラ』は幕にしよう

 米国のドルファー調査団の最終報告書は、ついに「イラクにはWMD(大量破壊兵
器)もその製造能力もなかった」と結論づけた。ブッシュ大統領は、この事実を認め
たけれど、それでも、イラク戦争については「正しかったと信じている。米国は安全
になった」と強弁している。確たる証拠もなく一方的に侵略し、1万人を超すイラク
の市民を殺し、今なおジェノサイド(大量虐殺)を続けているアメリカの行為は桁外
れの国際犯罪でなくてなんであろう。すでにイラクでは、この不法な戦争への損害賠
償を求めようとする動きもあるという。

 一方、わが日本の小泉首相は、「大量破壊兵器が存在しなかったとしても、日本の
立場に影響は与えない。国連決議にのっとって日本は支持した。イラクが国連決議に
従えば戦争は起こらなかった。なぜ、戦争を回避する努力をしなかったのか不思議だ。
(米国は判断を誤ったとの指摘があることは)それは米国としてはあるでしょう。米
国の立場と日本の立場は違う」などとあいも変わらず、ブッシュ大統領への忠誠ぶり
を誇示している。まるで「ブッシュとならばどこまでも、地獄の底までいとわせぬ」
という心境だろうが、日本は国際社会の中でますます孤立化し、蔑まれていくことは
必定だろう。

 もっとも、この路線が、小泉首相にとっては、その首相の座を守る最高の「安全保
障」政策かもしれないが、小泉氏個人や歴史の教訓から学ばない和製ネオコン族のた
めに、膨大な国民の税金が浪費され、あれよあれよという間の自衛隊の「他衛隊」へ
の変身、親日の沃土だったイラクの反日の拠点への変貌、揚げ句の果てに、いづれ日
本が国際戦争犯罪法廷で被告の座に座らさせられるのをわれわれは座して見守ってい
る訳にはいかない。

 こんな強いことを書くのも、信じていた祖国日本の指導者たちに裏切られて苦しん
だことのある戦中派のしんがり組に小生が属するからに外ならない。「15、16、
17と」小生の人生が軍国主義の灰色だった終戦までの3年間のうち、一番衝撃的だっ
たのは、「東洋平和のため」、「アジアの共存共栄のための”聖戦”」であった筈の
「日本の戦争」が実質的に侵略戦争であり、中国大陸で罪なき民衆の家を襲い、食糧
を強奪し、女性を輪姦して、銃剣で突き殺すという残虐行為をしていた話を上級生か
ら聞かされた時だった。

 あの時以来、この戦争は日本の敗戦の日がいづれやっているという予感が心に芽生
え、本土の大空襲による焦土化、沖縄決戦、原爆投下など次第に現実となっていった。
小生の動員されていた軍需工場の中でも、軍隊の秩序は崩壊し、30才過ぎの新兵が
24、5才の上等兵を組み伏せて「よくも理不尽な命令で俺をいじめたな」と殴り続
けていたが、周囲の兵隊はおろおろして見守るばかりであった。日本の敗戦は、直ぐ
そこまで来ていたという思いがした。

 ブッシュ大統領にたいして、小泉首相は、「股肱の忠臣」として目覚ましい働きを
するつもりかもしれないが、日本国民にとってはおぞましい「反面教師」としての醜
悪な役割を演じさせられ続け、日本をますます破滅の道へ辿らせていくことだろうと
予感している。

 友人のメールで読んだのだが、7日付けの New York Times には「現地イラクの日
本への期待と日本のささやなプロジェクトの溝が広がれば、日本への失望は敵意に変
わりかねない」、「自衛隊は、人道的仕事のためにムサンナにやって来たという。し
かし、大きなプロジェクトなど一体何処にある? 真相は、自衛隊はアメリカのイラ
ク占領を助けているだけじゃないか」という痛烈な現地の声を伝えている。そして最
後に「日本の軍隊は、引き揚げてしまったあとでも、長く記憶されるべき大きなモニュ
メントのようなものを作る必要がある。例えば、発電所とか、廃水設備、あるいは地
下鉄でさえもつくることもできるのでないか」と結んでいる。現地で小学生に鉛筆を
配って悦にいっているのは、永田町の田舎芝居では受けるかもしれないが、現地の日
本への期待に水を引っかけるようなものだ。

 産經新聞によれば、防衛庁は9日、イラク南部サマワで人道復興支援活動を行って
いる陸上自衛隊「イラク復興支援軍」の態勢を強化するため、派遣枠を千人規模に増
員するとともに輸送用ヘリコプターや対迫撃砲レーダーを新たに配備する方向で検討
に入ったという。「こんな知恵しかないのか」と現地の人の反応が心配だ。

 しかし、率直に言って、小泉政権もここいらで「戦争ごっこ」のために国費を湯水
のように使って、イラクの人びとの日本人への「えびす顔」を変えるような愚策中の
愚策はうち止めにしたらどうだろうか。いっぱしの背広をきた大人の政治家がしてい
るなど、あの15年戦争で死んでいった人びとに、恥ずかしっくて見せられたもので
はない。

 イラクの真の復興という問題こそ、日本のいやイラクの、そして広く世界全体の安
全保障に繋がる大事な問題である。しかし、どうも憲法改正の国会議員がぼうふらの
ように異常発生している日本の国会の現状をみていると、アメリカのネオコンや新興
和製ネオコンの安全保障を「最も身近かな義務」に考えている議員の比率が次第に高
まっているのでないかと、不安になる。高齢者の杞憂であってほしいが、戦中派にあ
まり心配をかけないで頂きたい。

 自称「改革宰相」こと小泉首相は、無責任極まる政治家で、いわば国難とも言える
お人柄と思う。小泉氏を「反面教師」として、国民が発奮して、これからの日本の政
治に新たな進路を発見できれば、小泉首相の「外遊内歓」政策も無駄ではなかったと
いうことになる。「災い転じて福となす」という。日本国民はもちろん、イラク、ア
ラブなど世界の人びとに、なるほどこれが「本当の日本の政策だ」だと納得してもら
える日本の未来像をみんなで作りたいものと思う。


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
1)「パレスチナ子ども作品展」のお知らせ

 中東のレバノン共和国(地中海東岸に位置・人口は360万人)には現在、約38
万人のパレスチナ難民が暮らしています。1948年のイスラエル建国時に祖国を追われ、
その後もイスラエル軍の侵攻・内戦等で家や肉親を奪われたパレスチナ難民の人々は、
現在もレバノン政府によって基本的人権を著しく制限され、厳しい状況下での生活を
強いられています。難民キャンプに暮らす子どもたちは、多くが一切の美術教育を受
ける機会が無く、アーティストになる道も閉ざされています。

 「パレスチナのハート アートプロジェクト」では絵画指導の講師がカリキュラム
を作り、また寄付を募って集めた画材を持参して、2001年夏より、レバノン各地のパ
レスチナ難民キャンプにおいて子供たちに美術教室を行ってきました。今年2004年の
夏は、首都ベイルートのパレスチナ難民キャンプのシャティーラで子どもや青少年達
に絵画指導を行いました。子供たちは目を輝かせ絵を描き、造形の楽しさを学び、多
くの作品を制作しました。

 そこで制作された絵画や造形の展覧会を下記の通り開催いたします。作品から彼ら
の心の叫びを感じ取っていただければと思います。

開催期間:2004年10月29日(水)~11月7日(日) 11/1日休み
会場  :市立相模原麻溝公園 多目的ホール
     相模原市麻溝台2317-1  (TEL. 042-777-3451)
主催  :パレスチナのハート アートプロジェクト
共催  :パレスチナ子どものキャンペーン
後援  :(財)相模原市みどりの協会
※カタログ 1,500円  絵はがき3枚セット 200円 を販売し寄附といたします。

お問い合わせ:「パレスチナのハート アートプロジェクト」
       代表 上條陽子 042-743-9047


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
2)JVC(日本国際ボランティアセンター)が緊急救援を開始
 
 皆様もご存知のようにイラク情勢が緊迫しております。ファルージャやサドルシティ
では毎日のように空爆が続いています。また、サーマッラでは、10月1日から米軍、
イラク軍を投入した反米勢力掃討作戦では2日間で125名のテロリストを殺害した
という発表がなされていますが、病院側の発表では多くの一般市民が含まれていると
の情報もあり、赤新月社のスポークスマンは500世帯が難を逃れて食や水のない状
況であると報告しています。

 これは、来年1月の選挙を予定通り行うために、米軍が、選挙を妨害しそうな反米
勢力を壊滅させようという戦略です。アメリカも大統領選挙を控えイラク戦争の成功
を訴えたいというブッシュ政権の意向も強く反映されています。日本の外務省も、こ
ういった選挙が日程通りに行われることを強く望んでおり、復興の弾みにしたいとい
う意向のようですが、私たちは武力の行使は選挙に役立つどころか、多数の市民の殺
害と破壊をもたらし、イラクの更なる混乱と不安定化を導くものと考えます。

 実際、武装勢力側の抵抗や、自爆テロなども多発しており、9月30日には、米軍
を狙った爆発で、周囲にいた人たち42名が死亡、37名はお菓子などをもらいに来
た子どもだったという悲惨な事件も起きています。

 これから選挙まで、こういった衝突は続き、一般の犠牲者が増えるものと思われ、
医薬品の不足が心配されます。そんな矢先、バグダッドのセントラル小児教育病院の
ムハマッド医師より、緊急救援を要請するアピールがメールで送られてきました。さ
らに、現場でのJVCのイラク人協力者にも打診して、最低限必要な薬や医薬消耗品
などのリストをあげてもらいました。セントラル小児教育病院、ファルージャ中央病
院、サドルシティ、サーマッラ(この2箇所は赤新月社などの野戦病院)に総額で約
130万円の医療消耗品の支援を行うことを決定しました。

 日本国内のNGO、セイブイラクチルドレン札幌、名古屋、イラクホープネットな
どにも声をかけ、現在資金集めを行っています。佐藤真紀・伊藤和子で編集した「イ
ラク人質事件・私たちはこう動き、こう考えた」の印税も使用する予定です。今回の
要請は最小限に見積もっていることと、今後、更なる必要性が出てくることも考えて、
第2段、第3段の医療支援のための資金も集める必要があります。

募金目標金額:300万円
実施:日本国際ボランティアセンター
現地での協力:イラクホープネット、ピースオン

 プロジェクトの実施は、JVCが行いますが、イラクホープネットからのボランテ
ィア協力も期待しています。ヨルダンでイラク人協力者(アンマンで落ち合おう)と
調整しながら進めていきます。実際にはJVCの原と高遠菜穂子(イラクホープネッ
ト)がヨルダンで一緒に動くことになります。イラク人とは電話とメールで連絡を取
るとともに、アンマンに出てくるといっています。

 また、ちょうど、研修でカイロに行っているイラク人ドクターたちがアンマンを経
由してバグダッドに戻るので、そのときに薬の一部を託すなどが可能です。

募金先:郵便振替:00190-9-27495
    加入者名:JVC東京事務所
    通信欄 :『イラク緊急』とお書きください

問い合わせ:イラク担当:佐藤真紀 日本国際ボランティアセンター
         電話:事務所 03-38342388 090-5412ー2977
メール   :makisato@jca.apc.org
携帯メール :kuroyonmaki1961@docomo.ne.jp
ホームページ:http://www1.jca.apc.org/jvc/


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
3)「ナギーブ・マフフ―ズ短編集」の魅力

アラブ世界初のノーベル文学賞に輝くマフフ―ズの「短編集」(塙治夫訳)は、「ア
ラブ文化芸術情報」No7で紹介しました。
  近代文芸社 東京都文京区目白台2-13-2   電話 03-3942-0869

 かって、1955年のバンドン会議、1957年末のカイロでのアジア・アフリカ連帯会議
の開催後、アジア・アフリカ作家会議などの運動への関心が高まった頃、1978―80年
にかけて野間宏・前嶋信次編『現代アラブ小説全集』全十巻が河出書房新社から出版
されるなど、アラブ文学の日本語への翻訳本も20冊前後読むことが出来た。しかし、
今では殆ど殆ど絶版になってしまい大きな図書館でしか残っていないのは残念である。

 この「短編集」の訳者、塙治夫氏は、1994年に駐オマーン大使を最後に退官された
外務省きってのアラビア語の堪能者で、『現代アラブ文学全集』では現代アラブ文学
の第一人者、ナギーブ・マフフ―ズの代表的な長編小説『バイナル・カスライーン』
を二巻に分けて出されている。塙氏は、世に3部作と言われるこの大河小説の残りの
2部も翻訳されており、いづれの日にか、その出版が実現することを願っておられる。
レアリズム文学の傑作と称せら、エジプトの現代史を垣間見ることが出来るこの3部
作は、映画化もされ、80年代に日本でも紹介されたことがある。この小説の出版、映
画の再上映が実現し、エジプトの文学や映画などが鑑賞できることを願って止まない。

 さて、この「短編集」も多くの作品から5編しか選べないのを訳者は歎いておられ
たが、筆者は、とりわけ最後の中編小説「頂上の人びと」が最も素晴らしいと思った。
塙氏は、次のように紹介している。
 「これは長い作品で、サダト大統領の経済自由化政策に伴うインフレや住宅難の時
代に、有能だが貧しい警察士官と、スリから一躍金持ちになる男との葛藤を軸とし、
士官の美しい姪が非運の境遇から元スリによって救済される話で、読みでのある作品
となっている」

 実はこの短編小説は「カイロの泥棒たち」(アリー・バドラハーン監督)という題
名で日本でのアフリカ映画祭(国際交流基金主催、1981)で上映されたことがあった。
清純な美しい姪にスア-ド・フスニ―、スリを演じるのはトップスターのヌール・シ
ャリーフ、正義漢の警察士官にイッザト・アラーイリーら芸達者な俳優が演じ、黒澤
明の『悪い奴程よく眠る』を彷佛させる優れた映画であった。美しい清純な異性に惹
かれ、スリという職業に恥じて真人間に変わり、遂にその恋を遂げるというスト―リ
ーといえば。ハリウッド映画史上に残る壮大なスペクタルの名作「バグダードの盗賊』
(ダグラス・フェアーバンクス主演)を思い出す。バグダード第一のスリが美しい王
女に魅せられ、遂に七つの島の王子と偽って王宮に乗り込み、最後に姫と結ばれると
いう波瀾万丈の物語と好一対である。(このビデオはTSUTAYAで借りられます。)

 例によって「千一夜物語」流に脱線ぎみでしたが、アラブを理解する上で、文学、
映画などにも御注目下さい。


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
4)優れた詩こそ歌って見たい!(市民の意見30の会・東京ニュースNo85から)

   おしっこ    谷川俊太郎

 大統領がおしっこをしている
 おっしこをしながら考えている
 戦争なんかしたくないんだ
 石油がたっぷりありさえすれば

 テロリストもおしっこしている
 おっしこしながら考えている
 自爆なんかしたくないんだ
 恋人残して死にたくないもの

 兵隊さんもおしっこしている
 おしっこしながら考えている
 殺すのっていやなもんだぜ
 殺されるのはもっといやだが

 男の子もおっしこしている
 おっしこしながら考えている
 マシンガンを撃ってみたいな
 きっと気持がすっきりするから

 武器商人がおっしこしている
 おっしこしながら考えている
 銃がなければ平和は守れぬ
 金がなければ自由も買えぬ

 道で野良犬おっしこしている
 おっしこしながら考えている
 敵もいなけりゃ味方もいない
 ただの命を生きているだけ

 (編集後記に、「今、この詩の作曲家を交渉中です。乞う御期待」とあった。
  曲が出来るまで、おっしこする度、この詩を思い出してみようっと!)


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
5)アジア・アフリカを味わおう『New  African and Arab Cooking Book』
    アフリカ・アラブ料理を食卓に
 あまり馴染みのないアフリカやアラブの国のことを知るのに、いちばんいい方法は、
食文化や料理を知ることです。日本中近東アフリカ夫人会ではその活動の一環として、
アフリカ・アラブのクッキングブックを出版しています。『African and Arab Cooking
Book』では28ヶ国、85種類のレシピを、『New African and Arab Cooking Book』
では31ヶ国、91種類のレシピを、それぞれの国の食文化と共に紹介しています。
レシピの重複はありません。記事の内容はそれぞれの大使館の、主に大使夫人の提供
です。ほとんどの食材はふつうのスーパーでも手に入るものばかり。いちど挑戦して
みませんか。アラブ・アフリカがぐっと身近になります。

『African and Arab Cooking Book』A5版 200ページ
    価格 1500円 梱包および送料(実費)1冊の場合400円
『New African and Arab Cooking Book』A5版 278ページ
    価格 1800円 梱包および送料(実費)1冊の場合450円
2冊組み合わせなら梱包および送料(実費)は490円
申し込み先 井上毬子 Tel/Fax 042-374-0328 http://www.yamaboshi.com/africa/


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
6)催しを3つほど紹介

a)10/14(木)女神あふれる大地アナトリアへ
    ASMARA BELLY DANCE LIVE ANATORIA
 トルコの大部分を占めるアナトリア半島。その名は母に満ち溢れた土地を意味する
トルコ語のアナドルに由来する。地母神の鼓動を思わせるアナトリア民謡にのせて、
華麗かつ神秘の舞が繰り広げられる。ご期待ください。

Isis Atsumi(ベリーダンス)
伊藤アツ志(ダルブカ)
FUJI(サズ)
19:00 open 20:00start 2500円(1ドリンク付き)
予約問い合わせ オーガニックレストランアスマラ 03-3791-5470
    目黒区祐天寺1-1-1リベルタ祐天寺 東横線中目黒駅下車10分

それでは会場でお待ちしております。http://www.alpha-net.ne.jp/users2/aptal


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b)10/02(火)国際反戦デー
    普天間基地の即時閉鎖を!
    辺野古の新基地建設阻止!
    沖縄民衆の怒りと希望を東京へ!
とき :10月21日 午後6時開場 6時半開会
ところ:文京区区民センター3F

ウチナ―ンチュの闘いの報告 糸数慶子さん(参議員議員)
世界平和音楽賞を受賞して  喜納昌吉さん(参議員議員)

ビデオ上映:辺野古の闘い、100日の勝利
連帯のメッセージ その他

(会場案内・交通機関)
  地下鉄: 営団丸の内線  後楽園駅4B出口
       営団南北線   後楽園駅6出口
       営団三田線・都営大江戸線 春日駅A2出口
  JR総武線: 水道橋駅 徒歩10分


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
c)新座交響楽団 第4回定期演奏会
    リムスキーコルサコフ 交響組曲「シェヘラザード」
    チャイコフスキー 眠れる森の美女から「ワルツ」
    ラマニノフ ピアノ協奏曲第2番
指揮   木村宏
ピアノ  三浦沙織

2004年11月23日(火・祝)「勤労感謝の日」
  開場: 1:00pm  開演2:00pm

主催: 新座交響楽団
後援:新座市、新座市教育委員会、新座市文化協会
お問い合わせ:090-3428-7908(飯島)
URL:http://geocities.co.jp/music-Hall-Horn/3944/Index-n.htm

阿部政雄20041005アラブ文化芸術情報(8)

■■■■■■■■■■■■■■■ 序)本「情報」発行の趣旨
■             ■ 1)「ピース・ルネッサンス」への誘い
■ アラブ文化芸術情報   ■ 2)国際子ども権利センター・ワークショップ
■  阿部政雄 No8   ■ 3)☆もし日本がイラクだったなら☆
■             ■ 4)図書紹介「イラクとともに30年」
■■■■■■■■■■■■■■■ 5)催し:音楽会、魅力のトーク、講演など満載


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
序)「アラブ文化芸術情報」発行の趣旨
 この「アラブ文化芸術情報」発刊の趣旨は、小生のHP『日本・アラブ通信
(Japan-Arab News)』(http://www.japan-arab.org)と同じで、読者とアラブを結ぶ
新しい総合通信です。

 本『情報』は、アラブと日本人との心と心の交流の場でもあります。日本とアラブ
の「心の架け橋」(ハート・ロード)、これが、本『情報』の目的です。アラブに関
する各分野の専門家、関係団体の協力を得ながら、悠久の歴史に育まれた豊かなアラ
ブの文化・芸術の紹介はもちろんのこと、技術協力、日本の関係など豊富なアラブに
関する情報源としての役割も果たしていきたい、そして日本の、日本人の世界に果す
役割を考える一助になればと存じます。

 日本の身近な場所で展開されている様々なイベントなど“耳寄りな話”も満載する
予定です。お気軽に、ご意見、ご要望をお寄せ下さいますよう、皆様からの積極的な
情報の提供もお願いいたします。出来るだけ活用させて頂きます。また、このメルマ
ガ購読希望者をお広め下さいますように。


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
1)『ピースルネッサンス』への参加への誘い
       一人ひとりからはじまる  平和への意志
 平和の実現という大きなビジョンに向かって、自立した個人が、所属、団体、組織、
国籍、世代や立場を越えて手をつなぎ、心と心のネットワークを築くことから全ては
始まる。世界に向けてここからつながっていく、平和への意志。

●10/17(Thu) @梅窓院 祖師堂 18:30~20:50
 ピース・アピール2004 「今、ここから平和への結集を」
 内容:2003年10月7日記録ビデオ上映~パネリストによるディスカッション
 Q&A Live
★出演者 ★相澤恭行(ピース・オン 代表)/小川真吾(ネットワーク『地球村』)
      鬼丸昌也(テラ・ルネッサンス)/きくちゆみ(グローバル・ピース・
      キャンペーン)/小林正弥(地球平和公共ネットワーク・研究者)/
      田中優(未来バンク事業組合理事長・コーディネーター)/
      上村雄彦(日本自立プロジェクト・コーディネーター)
★ライブ出演者 ★河添雅子、真荷舟、KP
共催:10/7ピース・ルネッサンス実行委員会/地球平和公共ネットワーク
   (会場案内 梅窓院 祖師堂 定員350名)
    東京都渋谷区南青山1-26  地下鉄神宮外苑下車 1b出口 徒歩1分)

●10.19(土)  @横浜情報文化センター   12:00~20:00
 12:00~ 事実を知ろう―<テロリストは誰?>上映 120分
 14:00~ 事実とは:きくちゆみさん(<テロリストは誰?>の翻訳者)
       による映画解説 30分
 14:30~ もう一つの視点からー 「第二の侵略」上映 90分
 16:10~ 生涯をかけて伝えるー 高岩監督
         (「教えられなかった戦争シリーズ」)による映画解説 30分
 16:40~ 今、私たちに何ができる?―ピースワークショップ(参加型)70分
 17:50~ プレイバックシアター: コンダクター 松本恵子 60分
   *プレイバックシアターとは、語り手(参加者)のストーリーを役者(アクタ
ー)が即興の劇と音楽で表現し、舞台と会場の一体感・わかちあいの場を生み出す。
 19:00~ ピース・コンサート 60分

★ライブ出演者 ★Morphle(河添雅子)、KENYU/ケンユー、ほか予定
  (会場案内 横浜情報文化センター 定員 239名
   横浜市中区日本大通り11 JR・市営地下鉄 関内駅 徒歩10分
               みなとみらい線 日本大通り駅 地下鉄連絡口直結

問い合せ:10/7ピース・ルネッサンス実行委員会
事務所:東京都渋谷区桜丘調22ー6 グレンバーク桜丘302
OFFICIAL HP :http://www.peace-renaissance.org
mail:info@peace-renaissance.org
*メーリングリストへの参加、HPより随時受付け中
チケット代
     10/7 チケット         10/9 チケット
      前売り    当日        前売り    当日
一般   700円 1000円      1200円 1500円
学生      500円            1000円
   *小学生以下の方は 全日程無料


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
2) ■国際子ども権利センター子どもの権利ワークショップ
   □世界に通用する自分を見つけよう!
   □自分の人生の主人公になるためには
   ■10月30日(土)10時-16時
____________________________________

 国際子ども権利センターでは国内外の「子どもの権利」について活動を続けて
きました。そもそも権利ってなんだろう?「子どもの権利」を語る前に、自分自
身が権利をどうとらえているのかについて、感じて、考えてみたい、そこからは
じめたい。。。そんな思いでこのワークショップを開催します。

 長引く経済不況。明るい展望のない政治。これから10年後、20年後の日本で自
分の生活はどうなっちゃうんだろう?そんな不安を誰もが感じています。それな
ら、いっそのこと、国や組織に頼らず、自分で切り開く人生を生きてみたいって
思いませんか?

権利を学ぶことは、そんな生き方を身に付けることなのです。

今回のワークショップでは、わたしたちの身近な問題から、権利について、そし
て自分らしい生き方についてみんなで楽しく考えていきたいと思います。今の自
分を見つめ直してみたい方、権利について考えてみたい方、気楽にご参加くださ
い!(ジーンズ、Tシャツ、サンダル履きでど~ぞ)

講師:森田明彦さん (子どもの権利活動家、国際子ども権利センター会員)
日時:2004年10月30日(土)10時~16時
会場:東海大学短期大学部〔高輪〕4号館2階の425教室
   アクセスhttp://www.ttc.u-tokai.ac.jp/
参加費:一般 1000円 会員500円
 ※当日会員になられた方は会員価格です。

★★申し込み:担当 西村jicrc1030@hotmail.com★★
までお名前、連絡先をご記入の上、件名に【10/30WS申し込み】と記入して送信して
ください。
主催:国際子ども権利センター TEL/FAX 03-5817-3980
   http://www.jca.acp.org/jicrc jicrc@jca.apc.org

【プログラム】
第一部(午前)
グローバル時代の生き方<地球上どこでも生きていける人間になるには>
『わたしの幸せCOMES FIRST !』
『人間には、自分の好きなことを、好きな仲間と、好きなペースで、
好きなようにやる権利がある』
そのためには、オンリーワンの生き方=〈ほんもの〉の自分を見つけて、
実現することだ
〈ほんもの〉の自分って何だろう?
〈ほんもの〉の自分はどうやって見つけるんだろう? 
『〈ほんもの〉の自分は、〈ほんもの〉の仲間によって発見される』
〈ほんもの〉の仲間って、どんな仲間かな? 

第二部(午後)
〈ほんもの〉の仲間と、〈ほんもの〉の自分が生きていける社会って、
どんな社会だろう?
どんな社会、仲間の間にもルールがある。
でも、従いたくなりルール、納得できないルールを押し付けられたら、
どうしたらよいだろう?
『ひとには、自分の嫌なことには、NOという権利がある』
自分が従うルールは、自分で決めるのが、〈ほんもの〉の社会だ
〈ほんもの〉の社会は、自由な社会だ
自由な社会を作るのは、〈ほんもの〉の自分を求める人間の責任だ!(^o^)/


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
3)”優れた論考” 発見
    ☆もし日本がイラクだったなら☆ 
パンタ笛吹によるホワン・コールの今日の論考のパロディー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ブッシュ大統領は今週、「イラクはどんどんと改善されており、民主化の進展
を喜んでいる」と自慢していました。それを聞いたミシガン大学のホアン・コー
ル教授は、「もしアメリカが今のイラクのような状況だったら、そんなのんきな
ことが言えるのかい?」という論説を書きました。
 コール教授をお手本にして、日本版を書いてみました。
                     パンタ笛吹 /TUPメンバー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

☆もし日本がイラクだったなら☆
パンタ笛吹                      04年9月24日
 プロ野球がストをするしないがニュースのトップをにぎわしている今日このご
ろである。そんな平和日本が、もし、今のイラクのような状況だったならって、
想像したことがあるだろうか?

 まず、日本の人口はイラクの5倍以上なので、いろんな数字をイラクの5倍に
する必要がある。先週一週間だけで、300人のイラク人がさまざまな暴力にま
きこまれて殺された。その数字を日本にあてはめると、先週一週間で1500人
の日本人が殺されたことになる。

 もし先週、1500人もの日本人が車両爆弾や、空爆や、ロケット弾や銃撃の
流れ弾で当たって殺されていたなら・・・・・それは地下鉄サリン事件による死
者数の100倍にもおよぶ。しかも、それらの暴力は毎週、毎月と繰り返し続い
ていて、犠牲者は増大するばかりである。

 また、それらの無残な死が、東京だけでなく、日本中で起きているとしたらど
うだろう? 名古屋、京都、大阪、それに仙台、札幌、福岡、鹿児島・・・・?

 もし、皇居や国会議事堂や霞ヶ関の官公庁ビル街が、毎日のように迫撃砲弾の
攻撃を受けているとしたらどうだろう? 政治家や官僚たちは一日中ビルの地下
に避難していて、一般道を歩く勇気もなかったとしたら?

 もし、東京にいる大新聞の記者やテレビのレポーターたちのすべてが、赤プリ
やニューオータニなどの高級ホテルに引きこもってしまったらどうだろう? 機
関銃の流れ弾が危なくて、ホテルの外で取材できないし、その気力もないのだ。

 またもし、元気のいいジャーナリストが、長野で起きている反乱を取材しよう
とするなら、自衛隊の戦車に乗せてもらうしか方法がなかったとしたら・・・?

 いま現在、イラクには推定2万5千人のゲリラがいて、襲撃をくりかえしてい
る。

 もし日本各地に、12万人の狂信的な愛国者たちが私設軍隊を組織して、機関銃
やロケット弾など有りあまる武器を手にして、米兵や自衛隊員を襲っているとし
たらどうだろう? そしてこれらの愛国者軍団が、横浜と神戸と大宮と岡山から
すでに米兵を追い出し、自治区として手中に収めているとしたら?

 米軍も自衛隊も、それらの自治都市にはもうお手上げで、市内に入ることさえ
できないとしたら・・・・?

 もしも、この一年間で、外務大臣(アキラー・ハシェミ)、首相(イゼディン
・サリム)それに法務大臣(アル・ハッキム)が暗殺されていたとしたら? 

 もし、日本中の都市が何千何万という殺人、強姦、誘拐、強盗などの犯罪の嵐
に見まわれているとしたら?

 もし、米軍の戦車が京都を包囲して、愛国者たちが応戦している西本願寺のお
墓を破壊し、ヘリが金閣寺の壁に銃撃を加えたとしたら?

 またもし、米空軍の戦闘機が、彼らが「ギャングやテロリストの隠れ家」と呼
ぶ民家を毎晩のように爆撃し、多くの老婆や子供たちを殺しているとしたら?

 地対空ロケット弾が危なすぎて、JALやANAの民間航空機が一機も日本の
空を飛んでいなかったら? かといって、道路を走るのは死を覚悟の移動手段で
特に東名高速と首都高速は車泥棒と誘拐と道路脇爆弾の名所だらけだとしたら?

 もし一日の半分以上が、停電だったとしたら? 35度Cを超える真夏にエア
コンが止まり、雪のふりしきる極寒の夜にコタツに入れなかったとしたら? 
ガソリンを買うのに、半日以上、行列を作って待たなくてはならなかったら? 
いま5%で大騒ぎしている失業率が、40%に跳ね上がったら?

 もし、米軍が自分たちの意のままに動くコイズミを日本の首相にすえたら?
(あっ、もうそれは現実か)

 そして、もし、もしもだ、ブッシュ大統領が選挙でわきあがっている米国民に向
かって、「日本侵略は正しかった! 日本はどんどんと改善されており、民主化
の進展を喜んでいる」と自慢したら・・・・・・?

(参考) 「もしアメリカがイラクだったなら」
     ホワン・コールhttp://www.antiwar.com/cole/?articleid=3632


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
4)イラクに関する図書紹介

誇り高き文明の国イラクを理解する絶好の書。
戦争前のイラクを知る!

『イラクとともに30年 ~ 誇り高き文明の国』
  阿部政雄著 出帆新社刊  (電話 03-3439-0705)
   2003年4月22日発行 定価(1300円)

 この本は、小生の著書で面映いのですが、イラク戦争が始まってしまってから、店
頭に並び始めてため、余り売れ行きはよくありませんでした。しかし、最近は『図書
館で借りて読んでみたら、易しく楽しく書かれていたため一気に読みおえた、大変勉
強になった』と励ましの葉書を頂くことがよくあります。

 以下の書評は、HP「爆弾はいらない 子ども達に明日を!」の主宰者どすのメッキー
さんが発刊当時お書き下さったものです。(2003.4.26)
http://homepage2.nifty.com/mekkie/peace/iraq/
    新刊「イラクとともに30年」
 イラク侵略戦争で、米国は軍事的には圧勝した。「湾岸戦争」と同様、それは戦争
というより虐殺に近い。しかし、バグダッド「陥落」後の報道は、米軍を歓迎する市
民の映像や、復興の2文字に埋め尽くされ、この戦争はイラクの人たち自身が期待し
ていたかのようだ。
 そんなことがあるのだろうか。
 私たちは、イラクの人たちについて、「これでよかった」などと言えるほど、何を
知っているというのだろう。

 イラクは人類の文明発祥の地だ。そこには豊かな知恵や文化が今も息づいており、
屈託なく笑い、正直に生きる人たちが生活している。また、イラクは米国の侵略をう
ける前は、中東でいち早く政教分離を実現し、男女平等や、教育・医療の無料化、石
油の国有化など先進的な政策を行った側面もある。

 イラク・アラブとともに長い年月を生きてきた阿部さんの新刊「イラクとともに3
0年」は、私たちが知らなかったイラクの美しい姿を伝え、この戦争が破壊したもの
の大きさに改めて気づかせるだろう。そして、「復興」が米国の占領軍ではなく、こ
のイラク人たちによってなされなければならない、という思いを実感として湧き上が
らせるだろう。
 多くの方が、立ち止まって著者の思いに触れ、そこからイラクを見つめ直してほし
いと思う。

(阿部) もちろん、小生がイラクとの仕事に力一杯従事したのは、イラク、ある
いはアラブ諸国につくすことが日本の為にもなるという信念でした。イラクの奥行き
の深さを知って頂けば幸いです。イラク人がそう思ってくれていることはなによりの
励ましです。
___________________________
拙書の出版記念パーティに、日本ペンクラブ会長 井上ひさし氏から、
「この本は真(まこと)の心眼を開かせてくださいました。ありがとうございました。
・・・これからも阿部さんの御経験と御知識を頼りにしていきたいと望んでおります。
どうか一層御自愛の上、阿部さんの前に広がる道をまっすぐにお進み下さいますこと
を祈りながら、私の祝辞をおわります。」

また、作家で国際問題にも深井洞察にみちた評論を書かれている池澤夏樹氏(国際交
流基金主催の「地中海映画祭」以来の知己)から、
「阿部さん、・・・ある程度まで成熟した国には、どんな問題が生じたにしても、ど
こかに誰か一人はそれに正しく対処できる人材がいる。それが一国の面目である、と
ぼくは考えます。そして、日本には、イラクというテーマに関して正確な知識と筋の
とおった判断をもった阿部さんがいらした。ぼくと本橋さんはイラク攻撃を止めるた
めにキャンペーンをしましたが、その活動すべての土台には阿部さんの経験と知識と
人脈がありました。なによりもイラク人への篤(あつ)い思いがありました。」

 お二人の推薦のお言葉は、小生には過分の励ましです。ふと「人は己を知る人のた
めに死す」ちょっとオーバーかもしれませんが、そんな思いが胸に去来しました。こ
れからも生ある限り、平和のためにつくすと誓いました。


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
5)催し:

a) 久保久保美芸子ひとり語り+サズ美芸子ひとり語り+サズ
10・7(木)~10(日)久保美芸子ひとり語り+サズ
    久保美芸子(語り)FUJI(サズ)
 赤ん坊をあやしながら夫の帰りを待つ若妻。かつて小間使いとして奉公した殿の面
影を忘れられない女は、善良な夫やかわいい赤子を思い、諦めきれぬ恋とのはざ間に
ゆれる。苦悩と葛藤の果てに女が抱いた決心とは。。。。樋口一葉、幻の名作がベテ
ラン女優の語りとサズの響きでよみがえる。ご期待ください。

10/07(木)~08(金)19:00
10/9(土)15:00~19:00
10/10(日)15:00
お江戸日本橋亭 中央区日本橋本町3-1-603-3245-1278
    地下鉄銀座線三越駅前駅A10出口2分
    総武線新日本橋駅2分中央線神田駅7分
前売り3000円 当日3500円 学割2500円
チケット問い合わせ演劇企画漣03-3463-8538 ちけっとぴあ演劇専用0570-02-9988

<10月5日 新宿 わが心のイラク―パレスチナ>

社会批評社の小西さんから。

b) 「わが心のイラク―パレスチナ」
大国の思惑に翻弄され続けるイラク、パレスチナ。彼の地にゆかりの深いゲスト
を迎え、秋の夜長に3人の熱き思いを語る。
【出演】 渡辺修孝
     重信命
     坂手洋二(燐光群・非戦演劇人の会)
     小西誠(司会)
★¥1000(飲食別)
★Open/18:30 Start/19:30

●なお、ロフトプラスワンへの行き方は、下記の地図を参考にしてください。
http://www.loft-prj.co.jp/PLUSONE/map.html

●好評発売中
★新刊『自衛隊のイラク派兵―隊友よ、殺すな、殺されるな!』
(小西誠・渡辺修孝・矢吹隆史/著)
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/shakai/top/63-8.htm

★新刊『戦場イラクからのメール―レジスタンスに「誘拐」された3日間』
(渡辺修孝/著)
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/shakai/top/61-1.htm
       *           *          *

c) <パレスチナの子供の里親運動20周年記念講演会>

パレスチナの現状は、まるで蜂の巣のよう、
入植地と呼ばれる穴がそこら中にたくさん空いた状態です。
メルボルンのある展覧会でその地図を見たとき、友人が言いました。
「どうしてこの地図をTVのニュースで見せないのかしら!??」と。
お見せできないその地図を常に頭に思い描きながら、パレスチナ問題を考えてい
きたいですね。
      (OPEN-J 463【JFKと911】より)
  パレスチナ難民の生と死を見つめて
        -パレスチナから問われる日本の現在-

■講 演:広河隆一さん
     (フォト・ジャーナリスト 「DAYS JAPAN」編集長)
      編集スライド/ビデオ 上映
     岡 真理さん(京都大学教員・現代アラブ文学専攻)
■日 時:2004年10月17日(日) 13:30~16:30
■場 所:梅窓院「祖師堂」ホール(東京都港区南青山2-26-38)  
     地下鉄銀座線 外苑前駅下車 1a出口徒歩1分
     URL http://www.baisouin.or.jp
■参加費:1000円   

d) いよいよ、IUCN(国際自然保護連合)世界会議まで50日をきりました。
国内外の自然保護NGOとともに「ジュゴンの保護」を訴えて参加します。
平和・反戦という視点から、辺野古沖の新基地建設に反対している方も
ぜひいらして下さい。
わたし達は「自然保護」という観点から辺野古沖の新基地建設を止めるべく
動いています。

日時:10月11日19:00~
場所:国立オリンピックセンター国際交流棟
  第1ミーティングルーム
内容:「沖縄はいま」宮城康博(SDCC代表)
  「IUCN世界会議と沖縄のジュゴン保護」
     花輪伸一(WWF-Japan)
   海勢頭豊ミニコンサート(新曲発表!!)
参加費:500円
主催:ジュゴン保護キャンペーンセンター
後援:WWFジャパン、日本自然保護協会

以上

阿部政雄20040930アラブ文化芸術情報(7)

■■■■■■■■■■■■■■■ 1)バグダッドからAl-Murwass劇団来日!
■             ■ 2)ウード奏者ナスィール・シャンマ、11月に
■ アラブ文化芸術情報   ■ 3)バンドン10原則は文化交流の基盤
■  阿部政雄 No7   ■ 4)良書推薦『アラブの人々の歴史』
■             ■ 5)新刊「ナギーブ・マフフ―ズ短編集」詳細次号
■■■■■■■■■■■■■■■


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
1)バグダッドからAl-Murwass劇団が初来日!!
 (以下はイラクの「アル-ムルワッス劇団」を招聘した小劇場タイニイアリス主宰
者の西村博子さんからのアピールです。過酷な条件の中、日本の人びとに、現代イラ
クの舞台芸術を広めようと来日する劇団の公演を成功させ、平和と主権を求めるイラ
ク人への連帯の思いをイラクに届けましょう)

*********************************************
イラク・バグダッドからAl-Murwass劇団が初来日!!
―― 見てください 支援してください ―― (転送歓迎)

いよいよこの10月、小劇場タイニイアリスの招聘により、バグダッドの「アル-ム
ルワッス劇団」が、下記日程のように、日本にやってくることになりました。 モハ
メッド・シャカール構成・演出“Message Carried by ship from Iraq (イラクか
ら、船乗りたちのメッセージ)”です。チラシはここ→
"http://www.tinyalice.net/04fes-lineup/bagudato.htm

こんどイラクから初来日する「アル-ムルワッス劇団」の一行20人も旧政権崩壊後、
一早く新しい演劇運動を開始した最も早い先駆けです。
「新しい方法と美しい絵」を標榜して戦後すぐに立ち上がったこの「アル-ムルワッ
ス劇団」 ――正確にいうと Al-Murwass Group Folklore and Modern Arts――の
「イラクから、船乗りたちのメッセージ」は、バスラ地方の伝統的な民族楽器を使
い、歌や踊りもふんだんに採り入れながら、バグダッドの今!を日本の観客に伝えよ
う(メッセージしよう)というものです。ちょうど、かつて「船乗りシンドバッド」
の老シンドバッドが、自分の体験した七つの冒険を、同じ名の若者シンドバッドに語
り伝えたように――。

    お  願  い
※ 来日公演を満席にて成功させるために、ぜひチケットを買ってください。
    (前売り3,000円、当日3,500円、学生割引2,000円)
※ 最小限に切り詰めた諸経費のほかは、すべてアル-ムルワッス劇団および
    イラク演劇界にお渡しします。
※ 友人、知人の方へ。 お一人がまたお一人へと。
    どうぞ、この来日公演とイラク演劇支援の呼びかけをお伝えください。
※ 別に、郵便口座を開きご寄付も募ります。1口1,000円より。
    どうぞご協力、ご宣伝をお願いいたします。
    口座番号:00180‐6‐371247
    口座名称:イラク演劇を支援する会
    (すべてアル-ムルワッス劇団およびイラク演劇界にお渡しいたします。)

来日公演・日程
10月6日(水) シンポジウム「イラクの今! バグダッドの街、バグダッドの演劇」
    :ジャパン・ファンデーション・フォーラム
    (日本演出者協会・国際交流基金共催)(東京 港区赤坂2丁目)
    問合せ:タイニイアリス
10月7日(木)~9日(土) (3回公演)
    :ジャパン・ファンデーション・フォーラム(国際交流基金共催)
10月12日(火)~14日(木) (3回・交流公演)
    :タイニイアリス(東京新宿2丁目仲通り)
10月18日(月) シンポジウム「同タイトル」
    :名古屋女性会館(日本演出者協会共催)
10月19日(火)~20日(水)(3回公演)
    :名古屋千種文化劇場(通称 ちくさ座)
    (NPO法人円形劇場ちくさ座の会共催)(名古屋千種区千種3丁目〉
    問合せ:052-733-0444
10月21日(木) シンポジウム「同タイトル」
    :アリス零番舘-IST(日本演出者協会共催)
10月22日(金)~24日(日)(5回公演)
    :アリス零番館- I ST(大阪市中央区南船場1丁目)
    問合せ:06-6261-2876

イラク演劇を支援する会
事務局・問合せ:Tiny Alice NOP ARC
〒160-0022 東京都新宿区新宿2-13-6-B1
Tel&Fax 03-3354-7307
tinyalice@tokyo.email.ne.jp

イラク演劇を支援する会
青柳敦子、明樹由佳、朝倉摂、永井愛、天野鎮雄、くまがいまき、坂手洋二、
篠原久美子、篠本賢一、福島明夫、日色ともゑ、ふじたあさや、山田昌、流山児祥、
渡辺えり子、和田喜夫、鳳いく太、丹羽文夫、西村博子
(8.15現在。あいうえお順 敬称略)


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2)●地中海アラブ音楽シリーズ第1回
 「ナスィール・シャンマ・グループ 初来日公演」
 (国際交流基金、最新情報メールNo32より)
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 戦争“終結”後も混乱を極めるイラクですが、そこはかつてメソポタミヤ文明
 揺籃の地であり、アラブ世界の文化的中心地でした。その爛熟した正統アラブ
 文化を受け継ぎ、イラクで育まれたナスィール・シャンマの深遠な癒しの音楽
 を紹介します。

 来日メンバー 
 MR. NASEER SHAMMA(ナスィール・シャンマ) ウード
 MR. SABIR ABDEL-SATTAR(サビール・サブデルサッタール) カヌーン
 MR. SAEED KAMAL(サイード・カマール) バイオリン
 MR. AMR MUSTAFA(アムル・ムスタファ) レック
 MR. HANI AL-BADRI(ハーニー・アルバドリ) ナーイ
 MR. SALAH RAJAB(サラーハ・ラジャブ) コントラバス

 ■長崎公演■ 会場:メルカつきまちホール
 11月28日(日) 開演19:00
 チケット申し込み・お問い合わせ:(財)長崎県国際交流協会 Tel:095-823-3931

 ■広島公演■ 会場:ゲバントホール
 11月30日(火) 開演18:30
 チケット販売・ご予約:
 デオデオ本店、ヤマハ広島店、中国新聞読者広報センター Tel:082-236-2455
 お問い合わせ:中国新聞企画開発 Tel:082-236-2244

 ■東京公演■ 会場:国際交流基金フォーラム
 12月2日(木) 開演19:00・12月3日(金) 開演19:00
 *12月3日は、公演前にセミナー(無料)が開催されます(16:00~18:00)
 チケット販売: CNプレイガイド Tel:03-5802-9999(10月1日(金)より発売開始)
 お問い合わせ:国際交流基金・舞台芸術課 Tel:03-5562-3530

*JFサポーターズ会員の方は、「東京公演」のみ割引特典がございます
 http://www.jpf.go.jp/j/culture_j/news/0409/09-04.html


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3)平和共存5原則とバンドン10原則は文化交流の基盤

 1954年6月25日から30日、周恩来首相がインドとビルマを訪問。ネルー首相、ウ・
ヌー首相とそれぞれ平和共存5原則の共同声明集発表。平和共存5原則は、政治・社
会体制の異なる国家が平和的に共存し、友好関係を保つための原則である。

 平和共存五原則とは、
1、領土、主権の相互尊重
2、相互不可侵
3、相互内政不干渉
4、平等互恵
5、平和共存

 国家間での社会制度、イデオロギー、価値観、宗教信仰などの相違による対立は、
平和共存五原則に従うことで克服できるし、相異点を残し、共通点を求めてこそ、国
と国は友好的につき合い、ともに発展することができるとする。
 
 1955年4月、インドのネルー大統領、インドネシアのスカルノ大統領、中華人民共
和国の周恩来首相、エジプトのナセル大統領らが中心となり、インドネシアのバンド
ンで日本を含むアジア・アフリカ諸国29カ国が集り、第一回アジア・アフリカ会議が
開催され、前年のコロンボ会議で発表された平和五原則をふまえ、平和十原則(バン
ドン十原則)が宣言された。
(1)基本的人権と国連憲章の趣旨と原則を尊重する。
(2)全ての国の主権と領土保全を尊重する。
(3)全ての人類の平等と大小全ての国の平等を承認する。
(4)他国の内政に干渉しない。
(5)国連憲章による単独または集団的な自国防衛権を尊重する。
(6)集団的防衛を大国の特定の利益のために利用しない。また、いかなる国も他 
    国に圧力を加えない。
(7)侵略または侵略の脅威・武力行使によって、他国の領土保全や政治的独立を 
    おかさない。
(8)国際紛争は平和的手段によって解決する。
(9)相互の利益と協力を促進する。
(10)正義と国際義務を尊重する。
となっている。

 現在の非同盟諸国運動も、この原則を受け継いで、今なお続けられている。この基
本となっている5原則の第一番目の「領土、主権の相互尊重」こそ、あらゆる国際的
紛争の解決の、いや個人的付き合いの上でも守られるべき鉄則であろう。バンドン精
神には、相互を尊重し、争いでない和・寛容の心といった東洋の哲学が滲み出ている
と思う。文化交流を促進する上で絶えず、立ち返りたい原則である。

 9月28日の朝日の「ポリティカ日本」の早野透のエッセイに8月はじめに検事総長
を退任してまもない原田明夫氏が「新渡戸稲造に学ぶ」という講演の中で、博士がジ
ュネーブに本部があった国際連盟事務次長を退任されたおりの外国同僚の送別の辞が
取り上げられたと書いている。
    「貴方(新渡戸博士)はこの不寛容な西洋世界に多くの贈り物をされた。中
    でも東洋社会の賢明な寛容さ、行動より静思、紛争や勝利よりも大切な理念
    があることを導いてくれた」
 もう一度、孫文、ガンジー、タゴール、ナセルらの指導者の平和の理念に学ぶ時で
はないかと思う。


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
4)良書推薦
■題名 『アラブの人々の歴史』
■著者 アルバート・ホーラーニー 湯川武(監訳)阿久津正幸(編訳)
■発行 第三書館  Tel. 03-3208-6668
■定価 定価 6,000円+税

 監訳者の湯川武慶応大学教授のまえがきにあるように、「このホーラーニーの本は、
一般向けの歴史の概説書としては、かなり異色の本である。例えば、それぞれの時代
の思想や文学の状況にこれだけ言及している通史はあまりない。ある特定の地域や国
家、あるいは民族の通史を描く一般向けの概説書のレベルを遥かに超えて、神学や哲
学、さらには文芸にまで踏み込んで、それぞれの時代状況に多角的に切り込んでいる
がきわめてユニークである。また、アラブの歴史としては、東西のアラブ(マシュリ
ク「=中東」とマグリブ「=北アフリカ」のアラブ)を過不足なく論じていることも
特徴の一つとなっている。」と書かれている。

 確かに、広大は地域にまたがるアラブ世界を歴史、宗教、文化、社会、政治の様々
な分野に渡り、密度の濃い筆致で描き出している意味で貴重である。

 筆者も1966年頃から、この本が出版された1991年頃まで、アラブ連盟東京
事務所に内部での7年の勤務を含めて20数年かかわりを持ったが、カイロ本部から
送られた本の中にも、アラブ連盟の歴史とか、パレスチナ問題の基本文献などといっ
た個々の分野を扱った浩瀚な本は見かけたが、こんなアラブ諸国と人々をまとめた図
書は見たことがなかった。それだけにこの本のどのページの記述も内容豊かで、全分
477頁と写真と文献リストは、小型のアラブ百科事典ともいえるアラブを知ろうと
志す人々にとって、まさに天啓の書といえよう。

 激動する中東アラブへの関心がたかまり、その社会への深い理解が何よりも求めら
れている今、この本は正に渇望の書といってもいいであろう。(阿部)


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
5)新刊紹介(詳細は次号に)
「ナギーブ・マフフ―ズ短編集」(Naguib  Mahfouz)
  エジプト人文豪の作品より 塙治夫訳
      目  次
    ザアバラ―ウィ―
    空っぽのカフェ
    旅立ちの前
    手品師が皿をさらった
    頂上の人々
    著者紹介

近代文芸社 東京都文京区目白台2-13-2
電話 03-3942-0869

阿部政雄20040924アラブ文化芸術情報(6)

■■■■■■■■■■■■■■■ 1)書評『自衛隊のイラク派兵
■             ■    ― 隊友よ、殺すな、殺されるな!』
■ アラブ文化芸術情報   ■ 2)書評『世界は変えられる』
■             ■ 3)ペルシアの陶器展
■  阿部政雄 No6   ■ 4)イラクの子どもたちの絵画展
■             ■ 5)「憲法9条の思い、いまこそ世界へ」
■■■■■■■■■■■■■■■ 6)イラク現代絵画展 LAN TO I RAQ


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
1)書評『自衛隊のイラク派兵―隊友よ、殺すな、殺されるな!』
       小西誠・渡辺修孝・矢吹隆史/著 本体2000円 送料無料

 60年前、旧制中学4年生16才の時、「軍人勅諭」を暗記させられたり、戦闘帽
をかぶり、三八銃を担いで軍事訓練をうけ、いづれ、中国大陸か南方の戦線に派遣さ
れると思っていた私には、今の自衛隊員が何を考え、家族の抱く不安はどうか、など
知りたいとかねて思っていた。とくに「自己無責任」のお化けのような首相もどきが、
偉そうに「サマワの自衛隊の一年延長」とご託宣を述べているのを見たり、聞いたり
しているとその思いは一層高まってくる。そんな人々にとってこの本は、正に恰好の
福音書である。

 この本は、「大義なき国連憲章違反のイラク戦争」に自衛隊派遣の是非を論じる臨
時国会での与野党の激論をふかめるための必読の書物であろう。。

 まず、この本は自衛隊の内部や家族の不安といった自衛隊員の実状ばかりでなく、
数々の法令を引用して、自衛隊の本来の使命とは何かを浮き彫りにしていること、今
回のイラク派兵がどんなに隊員たちの苦悩を深めているかをベトナム戦争、湾岸戦争、
そしてイラク戦争を検証しながら、戦争というものが、自衛隊員ばかりでなく、その
屠殺場に等しい戦塲に投げ込まれた米兵の苦悩などを取り上げ、広い国際的見地から
編集されていることである。

 自衛隊の家族の声が生々しく伝えれているのも、平生触れる機会のない内容だけに
読みごたえがある。

 筆者は、自衛隊員が入隊時に次の宣誓を唱えさせられて、「宣誓書」に署名、押印
させられるということを知った。
 「宣誓 私は、わが国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法及び
法令を遵守し、一致団結、厳正な規律を保持し、常に徳操を養い、人格を尊重し、心
身を鍛え、技能を磨き、政治活動に関与せず、強い責任感を持って専心職務の遂行に
当たり、事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努め、もって国民の負
託にこたえること誓います」(自衛隊法第52条・53条、自衛隊法施行規則第39
条)

 イラク派兵などの海外派遣は、隊員の宣誓した任務ではないから、「宣誓義務違反」
であることもはっきりつかみとることができた。つまり無法者は、政府、防衛庁に外
ならない。
「戦争法規の違反に関し、部隊又は隊員が行った行為は、直ちに報告する。原則とし
て、上官は部下の行為に責任を負い、部下は上官の命令と言えど、違反行為に対する
責任をまぬかれることはできない」と明記されていることは戦前の「上官の命令は天
皇陛下の命令」と教え込まれていた頃とは、まさに、隔世の感がある。

 「こちらは、米兵・自衛官人権ホットライン」のサイトの活躍も目を見はる。この
サイトに寄せられた自衛官の家族の痛切な文章も胸を打つ。
http://www.jca.apc.org/gi-heisi/

「土曜日にイラク派兵反対のデモに参加してきました」で始まる自衛官の妻は、戦争
に行きたいと思っている自衛官などいない。夫は、戦争を起こさないために、15年
頑張ってきた。人を殺すため、殺されるためではありません・・・と訴えている。女
の手ひとつで育て上げた長男が、30を過ぎ、結婚して子どもももうけた今、派兵さ
れそうになっているのを必死に思いとどまらせようとしている母親。長男は、母親の
生活を助けるため、入隊するパターンの一人で、自衛隊に入れば大学にも通学できる
といううたい文句に引かれて入ったケースらしい。こうした話しを読んでいると、ムー
ア監督の「華氏911」を思い出し。自衛隊を派遣するのがそんなに日本の国益に繋
がるというのなら、小泉首相、細田官房長官らは、まっ先に息子を派遣したらと言い
たくなる。

 「米兵・自衛官ホットライン」が今年2月中旬行った『毎日新聞』の意見広告の
「自衛官の皆さん、イラク出動は拒否できます!」「自衛官である前に一人の人間と
して、『制服を着た市民』として考えましょう」という大きな見出しは多くの人びと
の注目をあびた。

 このホットラインのスタッフの一人、渡辺修孝(のぶたか)さんが「拉致・拘束」
された事件で、ホットラインには、24時間に3万5000という「荒らし」(妨害
の書き込み)が殺到するが、同時に、激励、カンパも寄せられ、会員、サポーターに
なりたいという人も一挙に増大した。

 とりわけ、イラクにしばしば行き、技術専門学校建設の仕事で2年駐在したことが
あるアラブ専門家として、イラク南部の「サマワの自衛隊の活動を検証する(第4章)
は読みごたえがあった。引用したいところは多いがその若干をご披露する。

 「今、日本政府は、アメリカを中心とする国々の同盟関係を「国際社会」などと偽っ
て私たちを翻弄している。そして、ジョージ・W・ブッシュ氏の「テロリストとの戦争」
との呼び掛けにいち早く応じた日本政府は、イラク戦争に「参戦」するとともに自衛隊
を派兵している。アメリカが民衆に対して攻撃を仕掛けている国に、戦場に、私たち、
「日本国民」を送り込んでいるのだ。」

    (筆者註:アメリカは始めから、イラクの石油の強奪とともに、ソ連なきあと
    の経済的競争相手の日本を弱体化させるため、親日感情の強いアラブの国に日
    本の軍隊を派遣させ、日本を嫌われ者にして追い出させようというワナをしか
    けている。)

 「私が朝の街を散歩しながらサマワの住民たちと挨拶を交わすと、ほとんどの人が
「ヘイ・ミスター・ジャパン・グッド!」などと言って、親指を立てながら声をかけ
てくれたものだ。

 ――そして雑談が続く、最後の一人の話を聞こう――

 「イラクに外国の軍隊は必要ない。しかし彼らが本当にわれわれをサポートしてく
れるのであれば、早くやってほしい。私たちは日本の企業が仕事をくれることを望ん
でいる」と渡辺氏は、現地サマワの住民が、当初、日本政府が公言していた現地雇用
の増大やインフラ整備に期待を寄せているようだと書いている。




 まさにその通りであるが、さて自衛隊の活動実態はどうなのかは本書に詳しいが、
金をふんだんに使う割には、子ども騙しに類するようなちゃちなものが多く、小泉首
相が国連総会で、「イラク復興支援の実績を挙げ、国連安全保障理事会の常任理事国
としての『意思と能力』があり、日本独自の役割を果たすと表明」したようなものと
はおよそ程遠い。何はともあれ、これからの日本を考える上で、不可欠な自衛隊の実
態を知る上で絶対必要な必読文献のひとつと推奨したい。
 
 これは、言わずもがなの発言であろうが、それにつけてもイラク人の抵抗運動の強
靭さに舌を巻く。筆者は何もテロを奨励するつもりはさらにない。テロを生みだして
いる外国の占領の方が百万倍も憎い。

 今、思い出すのは、フランキー堺主演の昭和30年代を代表する名作テレビドラマ
『私は貝になりたい』とか、小林正樹監督の『壁厚き部屋』(公開は昭和46年)と言ったBC
級戦犯の悲劇である。ア-ミステージ国務副長官の言葉のように、茶会に行くのでは
なく、アメリカ軍の占領を助けるため、殺人も辞さないという修羅場に送り込まれた
自衛隊員たちは一日も早く帰国して欲しい。

 そして、『壁厚き部屋』という戦犯の牢獄の中で、壁越しに聞こえる独立を求める
インドネシア(?)の民衆の歌声にじっと耳を澄ます戦犯のように、主権を取り戻す
ための果敢な抵抗運動をしているイラク国民の歴史的、意志の強さをしっかりと学ん
できて欲しい。そして自衛隊員一人一人が世界の流れに開眼するきっかけになること
を祈ってやまない。

    目次
    第1章 自衛官・家族の皆さんへ――イラク出動Q&A
    第2章 ドキュメント「こちらは、米兵・自衛官人権ホットライン」
    第3章 イラク派遣予定部隊からの報告
    第4章 サマワ自衛隊の活動を検証する
    第5章 海外派兵時代の自衛隊員たちの苦悩
    第6章 自衛官の人権――その現状と今日的意義
(それに、豐富な参考資料もつけられている。)
    株式会社 社会批評社
    東京都中野区大和町1-12-10
    TEL 03-3310-0681    FAX 03-3310-6561
    E-mail:shakai@mail13.alpha-net.ne.jp
    Site address:http://www.alpha-net.ne.jp/users2/shakai/top/63-8.htmh
    担当 小西 誠


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2)書評『世界は変えられる』
  An Anthology for Posterity ―― 未来の子どもたちに伝えるアンソロジー
  TUPが伝えるイラク戦争の「真実」と「非戦」
    定価1800円+税 四六判 上製 240ページ
    七つ森書館 電話 03-3818-9311

 《JCJ市民メディア賞》に輝く本書は、星川淳氏(作家・翻訳家)のまえがきに
あるように、危機に面した国際平和を救うため、インターネットで呼びかけ合って結
成されたTUP(Translators United for Peace=平和をめざす翻訳者たち)が、イ
ラクだけでなく地球全体から戦争をなくすために、深く実践的な思索の材料を提供す
る貴重な翻訳文を無償で、提供されてきた。

 筆者もその恩恵を受けてきた一人であるが、配信されるその豊富な材料にいろいろ
啓発され、開眼させられたことはしばしばであったが、何せ、読みでのある内容など
で、ついついファイルに貯えておかざるをえず残念に思っていた。

 いま、その豐富な材料の中から厳選された一冊の本として読んでみると、一見複雑
に見える現代の国際情勢のそこに流れる重要なポイントをここかしこに見だすことが
でき、国際感覚を一層研ぎすますことが出来た思いがした。

 どの訳文もよくこなれており、時には、劣化ウランの非人道性を警告する論文調、
兵士たち人間らしさを失うなと訴えるヒューマニスティックな文章、素朴な坊やのあ
どけない質問でついアメリカの外交政策の矛盾を露呈させられてしまうを父と子の風
刺の効いたユーモア、中東の女性を心配するベアテさんが日本憲法草案にも携わった
女性で、しかも彼女の「この憲法には米国にない優れた内容が盛り込まれている」と
羨まがしがったという証言など、珠玉のようなエピソードがちりばめられている。

 この本の題名「世界は変えられる」は、最後に紹介された1787年でロンドンで
始められたクエーカー教徒を中心とした「英国奴隷解放史」の表題からとられたので
あろうが、これはまことにいい題名だ。モロッコの学者、エルマンジェラ教授が第1
次湾岸戦争を『第1文明戦争』と呼んだが、文明を愛する人びとが圧倒的に多数で、
無辜の民を大量に殺戮しては札束を数えるような、ネオコン・シオニズムの連合と、
それに金魚の糞のようにくっついているみっともないどこかの首相のような時代錯誤
の珍人類の戦いでは、最後に勝利するのは、文明派でなくて誰であろうか。

 そうだ。「世界は変えられる」というこの言葉を「開け!ゴマ!―エフタファ・セ
ムセム」の呪文のように唱えて、デマ宣伝という真実を覆い隠す黒雲のような暗い霧
を追い払わねばならない。「世界は変えられる」ことをわれわれに確信させる本の一
冊としてこの書をお勧めしたい。(M.A.)

内容紹介(出版社より)
 独立メディアTUPが配信した300本あまりのなかから厳選した作品を翻訳し直
したものと、新たに翻訳したエッセイ、論考などからなる20余篇のアンソロジー。
「イラク戦争」を起点とし、占領する側とされる側の民衆は何を考え発信しているの
か、隠された「真実」は何か。世界の声。
    目次
    第1章 イラク戦争
    第2章 アメリカという問題
    第3章 過去と未来に視野を広げて
    第4章 希望の種


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3)ペルシアの陶器展 
色彩とデザインの世界
2004年10月1日(金)~2005年2月19日(土)
中近東文化センター(三鷹市)

■展示解説
2004年10月~2005年2月までの毎月第1、第3土曜日の13時より展示解説をいたします。

所在地:〒181-0015 東京都三鷹市大沢3-10-31
Tel 0422-32-7111 Fax 0422-31-9453
開館日 水曜日、金曜日、土曜日の週3日
開館時間 10時~17時(入館は16時30分まで)
入館料 一般 800円  高大学生 500円 団体15名以上 200円割引
   65才以上及び中学生以下は無料
交通 ●JR中央線武蔵境駅南口より小田急バス10分 西野下車

 かつての中近東は、世界有数の陶器の生産地でした。特に現在のイランで9世紀以
降に製作された陶器は「ペルシア陶器」と称され、その色彩の鮮やかさとデザインの
面白味で、欧米や日本に多くの愛好者がいます。ペルシア陶器は、はるばる中国から
輸入された中国陶磁器とイランで製作された金属器の影響を受け、時代とともに変化
してゆきました。

 9世紀から10世紀のイランの西部では、当時中近東の文化の中心であったイラク
の影響を受けた陶器が製作されましたが、東部ではむしろ中央アジアとの関係が深い
陶器が製作され、東西でそれぞれ特徴のある陶器が製作されていました。また12世
紀から14世紀は、さまざまな装飾技法で飾られたバラエティーに富んだ陶器が製作
され、ペルシア陶器の黄金期とも称されています。そして17世紀から18世紀は、
ペルシア的な文様で飾られた陶器以外に、中国の青花磁器の模倣品も多量に製作され
海外にも輸出されたきわめて特徴的な時代です。

 本展では、中近東文化センターと出光美術館が所蔵する約170点の色彩豊かな陶
器をとおしてペルシア陶器の歴史を辿るとともに、あまり知られていないイランで発
掘された窯跡や窯道具、はるばるインド洋を超えて日本にまで運ばれたペルシア陶器、
ペルシア陶器の製作地やイラン国内での需要を考えるうえで重要な資料となるイラン
の遺跡で採集されたペルシア陶器の破片、そして、ほそぼそながらも連綿と伝統技術
を今に伝える現在イランの窯業などを写真パネルと考古資料によって紹介します。
鮮やかな色彩とユニークなデザインで飾られたペルシア陶器をお楽しみください。

ペルシアの陶器展関連講演会
講師:岡野智彦(中近東文化センター研究員)
(開始時間は毎回14時から 会場:中近東文化センター講堂 定員100名)

2004年10月23日(土) ペルシア陶器の歴史を辿る
2004年11月27日(土) 日本に運ばれたイスラーム陶器
2005年2月12日(土) ペルシア陶器を焼いた窯とイランの現代の窯業

*講演会参加ご希望の方は、電話またはFAXにてお申し込み下さい。聴講料は300円
*講演会の日程や内容は都合により変更させて頂く場合があります。事前にお問い合
わせ下さい。


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4)イラクの子どもたちの絵画展
トークイベントも開催!(JVC―日本国際ボランティアセンター)

■ムハンマド君の絵
JVCはイラクでの医療支援の過程でたくさんの子どもたちに出会いました。彼らが描
いた家族、友達、そして戦争・・・。画用紙いっぱいに描かれた子どもたちの絵は、
たくさんのメッセージを伝えてくれます。

日付 10月11日(月・祝)~15日(金) 時間 10:00~17:00
会場 鎌倉生涯学習センター 市民ギャラリー
住所 神奈川県鎌倉市小町1-10-5 Tel:0467-25-2030
入場料 無料 問合せ 鎌倉市企画部文化推進課 Tel:0467-23-3000 内線2560

絵画展の初日に、JVCイラク担当のトークイベントを行います
講演 JVCイラク事業担当 佐藤真紀 「イラクで感じたこと、考えたこと」
日時 10月11日(月・祝)13:30開場 14:00開始
会場 鎌倉生涯学習センター 第5集会室  参加費 無料  定員 50名
予約 参加される方は事前にご予約ください。 鎌倉市企画部文化推進課


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5)「憲法9条の思い、いまこそ世界へ」
9月30日(木)「憲法9条の思い、いまこそ世界へ」
    ★今、わたしたちができることを考えよう9・30フォーラム」
    ★絵本「戦争のつくりかた」(マガジンハウス)の企画者のひとり伊藤美好
     さんとのトークセッション
    ★午後6時開場 6時30分開会 ※資料代 500円
    ★日本橋公会堂 集会室 (地下鉄半蔵門線水天宮前駅)
【主催】 有事法制反対中央区連絡会


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
6)10月初旬 イラク劇団が来日します!(アラブ文化芸術情報No1を参照)
 イラク現代絵画展 LAN TO I RAQ
今年2月、バグダッドに行った増山麗奈が交流を深め、持ち帰ったイラクの代表的な
アーティスト13人による絵画展。
こんどバグダッドから初来日するアル‐ムルワッス劇団「イラクから、船乗りたちの
メッセージ」の公演期間中、同時開催します。
10/6(水)~9(土)東京・国際交流基金フォーラム(ロビ-)
10/12(火)~14(木)東京・タイニイアリス(階段に展示)
10/19(火)~20(水)名古屋千種文化小劇場(ロビー)
10/22(金)~24(日)大阪・アリス零番舘-IST(階段に展示)

阿部政雄20040918アラブ文化芸術情報(5)

■■■■■■■■■■■■■■■ 1)「戦争は人の心の中に生まれる」
■             ■ 2)イラク劇団 いよいよ10月来日
■  アラブ文化芸術情報  ■ 3)日本ペンクラブ会報17号
■   阿部政雄 No5  ■ 4)アラブイスラム学院ホームページ
■             ■ 5)アラビア語の「ぴーす旗(サラーム)」
■             ■ 6)「ヤカオランの春」10月15日
■■■■■■■■■■■■■■■



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1)「戦争は人の心の中に生まれる」

 小泉首相が登場してから、日本は、あれよあれよという間に、ひたすら米国追随の
道をひた走り、日本は今では「戦争中毒超大国」に、ザック、ザック、ザックという
あの忌まわしい軍靴の響きが高まろうとしています。76才の私は、還暦分の年を引
いた16才だった昭和19年頃の学徒動員、軍事訓練の頃の風景が今、走馬灯のよう
に甦ってきます。

 しかし、しかし私たちは、そんな「いつかきた危険な道」を何としてでもUターン
させるためにも、もっともっと、国際文化交流を活発化しなければなりません。

 この意味から、1945年11月に制定されたユネスコ憲章前文の冒頭の言葉は、民間の
文化交流の重要性を告げる不滅の灯台です。

    「この憲章の当事国政府は、その国民に代わって次のとおり宣言する。
    戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを
    築かなければならない。
     相互の風習と生活を知らないことは、人類の歴史を通じて世界の諸人民の
    間に疑惑と不信をおこした共通の原因であり、この疑惑と不信のために、諸
    人民の不一致があまりにもしばしば戦争となった。
     ここに終りを告げた恐るべき大戦争は、人間の尊厳・平等・相互の尊重と
    いう民主主義の原理を否認し、これらの原理の代わりに、無知と偏見を通じ
    て人間と人種の不平等という教義をひろめることによって可能にされた戦争
    であった。
     文化の広い普及と正義・自由・平和のための人類の教育とは、人間の尊厳
    に欠くことのできないものであり、且つすべての国民が相互の援助及び相互
    の関心の精神をもって果さなければならない神聖な義務である。」

 このささやかな「アラブ文化芸術情報」をスタートして、5回目となりましたが、
幸い、1号ごとに多くの文化情報が集まるようになりました。転載大歓迎です。しか
し、悲しいことに、この「情報」の発信を手伝ってもらえる仲間が足りません。読者
の皆さんから、ニュースの収集、原稿の校正など、ご協力くだされば幸甚です。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
お詫び、誤字の訂正
アラブ文化芸術情報No.4に掲載しました 『ヨルダン展』の中の


「アラブ古典音楽 レクチャー・コンサート」
 楽器、音楽、リズムなどを紹介しながら、アラブ音楽の名曲、タクスーム(即興音
  楽)などを演奏します.
出演:ル・クラブ・バシュラフ、松田嘉子(ウード)、竹間ジュン(ナイ&レク)、
   のみやたかひこ(だるぶっか)
会場:世田谷美術館


の  のみやたかひこ(だるぶっか) は  のみやたかこ(女性)の誤りでした。
慎んで訂正させて頂きます。


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2)イラク劇団 いよいよ10月来日
10月6日の国際交流基金フォーラムを皮切りにタイニ―シアター、そして名古屋、
大阪で公演を行ないます。
詳細は「アラブ文化芸術情報No.1」を参照してください。

~イラクからのメッセージ~
 舞台は南部のフォークロアで「美しい絵〉を背景に、船乗りたちが舟を漕ぎながら。
様々な出来事を語っていく-農夫のこと、海から糧を得て水夫のこと、インドへ貿易
に行く商人について、あるいは破壊されたバグダッドについて。バグダッドにはかの
有名な物語「千夜一夜」があるが、その中の一編「船乗りシンドバッド」(今は成功
した船乗りシンドバッドが同じ名前の若い船乗りに、かっての自分が経験した7つの
危険、冒険譚を話していく)を踏まえた、数なくとも心意気伝承を活用した作品です。

Symposium  日本演出家協会 国祭演劇交流セミナー2004
    イラクの今! ~バグダッドの演劇~

東京 10月6日(木) 開会:18:00  (開場は開会の30分前)
   開場/国際交流基金フォーラム  問い合せ:03-3354-7307
                        (タイニ―・アリス)

名古屋 10月18日(木) 開会:19:00  (開場は開会の30分前)
   開場/名古屋女性フォーラム   問い合せ:052-733-0448
                 (日本演劇者協会 東海ブロック)

大阪 10月21日(木) 開会:19:30  (開場は開会の30分前)
   開場/アリス零番館       問い合せ:06-626-2876
                  (アリス零番館-1ST)
参加費       1000円(カンパ)
*各シンポジウムとも、アル・ムルワッスの公演前売りチケット提示で入場無料。
*このシンポジウムの参加費は、全てアルムワッスにカンパいたします。

セミナーの内容に関するお問い合わせは 
    日本演出者協会 03-3355-8287へ


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3)日本ペンクラブ会報17号 文学の楽しみもどうぞ
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日本ペンクラブ・メールマガジン「P.E.N.」 第17号   2004年9月16日
新井満スピーチ「“環境映像”があってもよいのではと…」
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 前号に引き続き、春に開催されましたシンポジウム「第5回 環境の集い」
 より、第2部ディスカッション「環境文学とは何だ!?」から、新井満のスピ
 ーチを要約して、ご紹介します。
└--------------------------------------------------------------------
□「“環境映像”があってもよいのではと…」新井満

 井上ひさしさんの環境文学論の後は、私の気軽な雑談を聞いてください。

 私は、環境音楽というのがあるのなら、環境映像というのがあってもよかろうと
いうことで、環境映像というものをつくりました。今からもう20年以上前です。も
ちろん私一人だけでつくったわけではなくて、チームでBGV、環境ビデオ、ある
いは環境ビジュアルなどをつくり、それがBGVというジャンルになりました。さ
っそく見ていただこうと思います。

 日本中の美しい映像をビデオで撮りまくりました。明かりを消していただいて、
最初の映像を見せてください。(ここで、会場前方スクリーンの画面いっぱいに桜
が映し出される。)

 「桜」というタイトルの環境ビデオです。1時間ずっとこのままの形で映っている
だけで、カメラワークがありません。ズーミングも、パン、横ふりもない。何か仕
掛けがあるのだろうと必ず皆さん期待しますが無駄な期待です。まったく仕掛けは
ありません。人物が最後まで登場しないので、ドラマがないです。風が吹くと枝が
揺れますね、それだけでも何かありがたいような気がしてきます。1、2分このまま
の状態でおりますと、急速に睡魔が襲ってまいります。別名催眠ビデオ。眠れぬ夜
には、この環境ビデオ1本がお酒よりもよく効くと思います。

 次は、タイムスリップをして季節は一挙に秋。紅葉です。大阪の箕面の滝のもみ
じをずっと映したものです。これはちゃんと音も入っております。

 環境ビデオのジャンルは20年前は、だれがこんなのを買うかと言われていました
が、今や環境映像は当たり前になりましたね。病院の待合室、あるいは大きなビル
のエレベーターに乗りますと環境映像がずっと一日中流れている、そういう時代に
なりました。

 私は、富士山や桜から始まって、日本中の数百タイトルの美しい自然映像をカメ
ラに収めた後に、海外にも出ようということで、最初に何を撮ろうかなと考えまし
た。私は海が好きで、とりわけ珊瑚礁が大好きですから、世界中の美しい珊瑚礁を
空中撮影で映像に収めようじゃないかということで、ミクロネシア最東端の島に行
きました。

 島に1機しかないセスナ機をチャーターして縦横無尽に撮影をしました。それは
それで良かった。本当に美しいブルーのグラデーションです。小さな珊瑚礁の島が
あって、その周りの白い砂が、ちょうどリングに見えるんです。その外側は限りな
く透明に近いブルーですね。大変美しい珊瑚礁の海で、こんなに美しい風景を見ら
れるのは神様と鳥と、今飛行機に乗っている自分以外にないだろうなと思いました。

 さて、明日は日本に帰るという前の日、スタッフがみんなダウンタウンの方に買
い物に出かけたので、私一人ホテルに残って海水浴をしていると、数メートル先の
珊瑚礁の岩と岩の間にピカッと光るものがある。ダイヤモンドのように美しい、何
だろうなと思って潜ってそれを手づかみにして海面に浮上して見ると、それはバド
ワイザーの空き缶であったという、そういう体験があります。そのときの絶望感と
いうのは相当なもので、地球で一番美しい海の底に、一番見たくなかったものを見
てしまった。

 日本に帰ってから、そのときの映像を「珊瑚礁空撮」という作品にまとめました
ので、みていただきます。(新井満作詞による「さらば惑星」という曲をかぶせて、
投影。)

 21世紀の人類が地球上の環境をめっちゃくちゃにした挙げ句、もう住むことがで
きなくなってしまった、という歌です。

 ところが、これをつくっただけではまだ収まらない。音楽でもだめ、映像でもだ
め、怒りが収まらないので、最後に、そうだ文学があったということで、1985年の
秋に、処女作「サンセットビーチホテル」というのを書いて、翌年の3月に『文学
界』に発表されたのですが、このテーマは、死の灰と宇宙廃棄物です。

 当時は、死の灰のテーマなんて、お前よく古めかしいことを書いたなと、友人に
笑われましたが、その1ヶ月後の1986年4月26日に何が起こったかというとチェル
ノブイリです。過去の事件かと思われていた死の灰の問題が、チェルノブイリ事件
をきっかけにして世界的にクローズアップされて、この「サンセットビーチホテル」
を読んで笑った友人が、おいおい、お前今一番新しいテーマで書いてるらしいなと
言ってきたというわけです。

 以上です、どうもありがとうございました。

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   次号では、第2部ディスカッション「環境文学とは何だ!?」から、
  金丸弘美スピーチ「スローフードって何だろう」の要約をお届けします。
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■徳冨蘆花記念文学館 文学サロン講演会(群馬県)のご案内

*日時 9月18日(土)午後3時~
*講師 三好 徹   作家・日本ペンクラブ理事、直木賞、推理作家協会賞受賞
*演題 「明治の言論人」
*参加費 9月18日は蘆花祭につき無料
*募集定員 100人(事前にお申込みください)

*会場・お申し込み・お問い合わせ
 群馬県伊香保町徳冨蘆花記念文学館 TEL / FAX 0279-72-2237  明治の作家
「徳冨蘆花」を顕彰する記念館がお贈りするサロンです。 どうぞお楽しみください。


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■新刊案内

短編小説アンソロジー  『闇に香るもの』
(北方謙三選・日本ペンクラブ編・新潮文庫・438円+税・2004年8月発行)
 
○恋人の髪の匂いから、隠された一面を知る男。一夜の出会いから、過去の真実に気
付く少年。軽いゲームのつもりが、危険な賭けに巻き込まれる男。香水の残り香に、
恋の行方を悟る女…。
 飲み物、煙草、装身具、香水など、誰にでもあるお気に入りの一品が、思いがけず
日常を反転させるスリリングな瞬間を、ミステリの名手8人が鮮やかに描く。
 短編小説の醍醐味溢れる、傑作アンソロジー。

目次
『この子誰の子』   宮部 みゆき  サマーキャンプへようこそ』 重松 清
『栄光の証言』    東野 圭吾   『ギャンブル狂夫人』     阿刀田 高
『男の小道具』    北方 謙三   『香水』           森 瑤子
『不可抗力』     結城 昌治   『棺の中』          勝目 梓

 どうぞ書店でご覧ください。


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■ペンクラブ「電子文藝館」のご案内

9月に新しく掲載された文藝作品です。

*小説     岡田 三郎   「伸六行状記 抄」

*招待席
岡本 勘造 「夜嵐阿衣花廼仇夢」     假名垣 魯文 「安愚楽鍋」
宮嶋 資夫 「坑夫」           饗庭 篁村  「當世商人氣質 抄」
 閲覧はすべて無料です。
 ぜひご覧ください。  http://www.japanpen.or.jp/e-bungeikan/index.html


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「ぺんぺん草」
 いつも「P。E。N。」をご愛読いただき、本当にありがとうこざいます。
 現在、このメールマガジンは、全国各地の800名を超えるみなさまにお読みいた
だいています。私たちは、もっと多くの方に、メルマガをお届けしたいと思います。

 そこで、みなさまの文学好きのお知り合いに、ぜひ、メールマガジンをご紹介くだ
さい。下記をコピーして、メールに添えてお送りいただけましたら幸いです。
 どうぞよろしくお願い申しあげます。


┌--------------------------------------------------------------------
  日本ペンクラブ発行のメールマガジン「P。E。N。」(毎月1~2回)
  ここでしか読めない人気作家の講演録、文学者が出演するペンクラブの催しを
  ご案内します。配信のご登録は、このサイトでできます。
  ▽まぐまぐで申込み-→ http://www.mag2.com/m/0000118428.htm
  ▽melma!で申込み -→ http://www.melma.com/mag/48/m00099448/
  ▽BIGLOBEで申込み -→ http://cgi.kapu.biglobe.ne.jp/m/8362.html
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
日本ペンクラブ・メールマガジン「P.E.N.」    (毎月1~2回発行)

発 行:社団法人日本ペンクラブ広報室
著作権:社団法人日本ペンクラブに帰属。無断転載を厳禁します。
http://www.japanpen.or.jp

<ご感想> E-mail:kouhou@japanpen.or.jp
※お返事はできかねますのでご了承ください。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
【配信停止は以下のページでできます】
▽まぐまぐで申込みの場合-→ http://www.mag2.com/m/0000118428.htm
▽melma!で申込みの場合 -→ http://www.melma.com/mag/48/m00099448/
▽BIGLOBEで申込みの場合 -→ http://cgi.kapu.biglobe.ne.jp/m/8362.html


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4)紹介 アラブ・イスラーム学院
 サイト:http://www.aii-t.org/
 所在地:〒106-0046 東京都港区元麻布3-4-18
 アラブ・イスラーム学院のホームページの内容は、アラブやイスラームの基礎、そ
の多彩な歴史、文化を知る上で、貴重なサイト。

 魅力的だが難しかったアラビア語
 アラブ諸国を旅行したおり、早朝のホテルの近くのモスクから、朝の勤行を告げる
コーランの美しい朗唱に魅了された人びとは多いであろう。 日本のおける、アラビ
ア語とアラブ文学の大先達、前嶋信次先生が、『アラビア語は確かに難かしい言葉で
あるが、それによってアラブの古典をひもとくことができれば、それに費やす時間や
エネルギ-は十分酬いられるにたる言語である〉とよく仰っていた。
 私も、1958年頃に、六本木の近くで開かれていたアラブ語の夜間の塾に在籍し
たことがあったが、忙しかったことと、とりわけアラビア語の文法の難しさのために、
その後も2年ぐらい夢中になって勉強し、5年ぐらいすっかり忘れていたという繰り
替えしで、結局ものになっていない。
 東海大学で、「中東」という講座を持っていたときも、学生にアラビア語を盛んに
勧めていたが、{最初から、槍ヶ岳のロッククライミングをする位の覚悟〉を必要と
するアラビア語をものにしたものは少なかったようだ。
 この点、このアラブイスラム学院のHOME PAGEはアラビア語の学習を楽しく進める
ための工夫が凝らしてある貴重なサイトです。(M.A.)

 1982年に設立された本学園は正式名称がイマーム・ムハンマド・イブン・サウード・
イスラーム大学東京分校であることからも判るように、サウジアラビア政府の予算で
運営されている本格的なものです。

その内容も、多岐に渡って、紹介するのがとまどうが、アラビア語、文化交流、イベ
ント、学院情報などがあり、その他に、「アラビア語カフェ」「アラブマガジン」
「イスラーム広場」「サウジ紀行」「サウジ記念館」など独立したページがある、

その項目をざっと列記すると、アラビア語カフェの発音、 アラビア文字学習 単語
学習 会話レッスン アラビア語ニュース 書籍紹介 アラブ文化 アラビア数字 
サウディ童謡、マガジンの中には、読み物として、日本のシンドバッド アラブ社会
 イスラーム歴史 アラブの詩 アラブとの30年、アラブ女性、クルアーン、正統
カリフ伝、都市紹介 料理 文化 壁紙窓まであるというサービスぶりです。
 何はともあれ、下記のURLをひらいて見て下さい。「開けゴマ」きっと目も眩い
宝の山が発見できますよ。

http://www.aii-t.org/


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
5)アラビア語の「ぴーす旗(サラーム)」-平和の虹の旗-を作成しました。

わたしたちは、「すべての戦争に反対し、平和を求める」という個人の意思を示す旗
として、平和の虹の旗「ぴーす旗」を頒布してきました。

「イラク戦争」開始から1年たった2004年3月20日を機に、PEACE旗を提案しました。
多くの方々に広めて頂いいた結果、全国各地でPEACE旗をなびかせることができました。

2001年の9.11から3年を経たいま、あらたにアラビア語のぴーす旗(サラーム=平
和)を作成しました。

イラクのひとびとと連帯し、反戦・平和の意思表示の旗としてなびかせましょう。
アラビア語圏のひとたちに平和のメッセージとして届けましょう。
さまざまなかたちでぴーす旗を活用し、ひろめていただければ幸いです。

虹の旗による、自立した個人の反戦の意思表示によって、身の回りの風景を変えてい
ければと思います。

共に、戦争や抑圧のない世界を作っていきましょう。

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●アラビア語のぴーす旗(サラーム) ・135cm×90cm ・重量 約100g
・ポリエステル100% ・シルクスクリーン印刷  頒価 2500円 (送料別)

●英語のぴーす旗 (PEACE)  ・135cm×90cm ・重量 約100g
・ポリエステル100% ・シルクスクリーン印刷  頒価 1500円 (送料別)

●「ぴーすぐっづプロジェクト」では、その他、ぴーすばっじ(「非戦」「平和」の2
種)、ピースマーク・アクセサリー(ネックレス・キーホルダー)も頒布しています。
『バグダッド・バーニング』(リバーベンド・プロジェクト)、『戦争のつくりか
た』(りぼんプロジェクト)などの書籍もあります。

* お申し込みは以下のメールアドレスまで。  詳しくはWebサイトをご覧ください。

ぴーすぐっづプロジェクト(制作・製造) http://PeaceGoods.info/ 

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↓「ピース旗」についての参考資料
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       ======================================
       すべての戦争に反対する「平和の虹の旗」
       PEACE旗 (ぴーすばた) を提案します
       ======================================

        陸を越え、海を越え、国境を越えて、
            虹は架かります。
           国家にとらわれない、
     国境や人種をはじめとする、一切の差別を超えた、
        自立した人々の心のシンボルとして、
           この虹の旗を提案します。

私たちは、イタリアから始まったといわれる「平和の虹の旗」を、自立し
た市民一人一人の意思表示の旗として各地でなびかせたい、そして戦争に
反対する世界の人々と連帯したいと考え、「ぴーすばたプロジェクト」を
立ち上げ、平和の虹の旗を製作しました (虹の旗の由来については、この
メッセージの後半をお読みください)。

虹の旗は色合いが大変美しいので、旗として使用することはもちろん、マントのよう
に着用する、バルコニーやベランダに掲げる、部屋のインテリアにするなど、さまざ
まな使い方があります。虹の旗による反戦の意思表示は、日々の生活の中でいつでも
どこでも可能です。   活用してください。そして広めてください。

【平和の虹の旗の由来】  最初の「平和の虹の旗」は、1961年9月24日のイタ
リアで、ペルージャ-アッシジ間の平和行進に初めて登場したといわれています。
この旗は、バートランド・ラッセルが率いたアルダーマストン (イングランド) での
反核抗議行動での、英国の平和活動家の旗に触発されてできたものでした。イタリア
の非暴力運動家アルド・カピチニが、友人のペルージャの女性たちといっしょに、さ
まざまな色の帯を縫い合わせて旗にし、平和行進で掲げました。

聖書の大洪水の神話では、神は虹を、人間と自然との融和の印としてつかい、二度と
大洪水を起こさない、と約束したといいます。こうして、虹は天と地の間の、そ
して人類全部の平和の象徴になりました。

虹の色はすべての光の波長を含んでいるため、混ぜ合わせると白色になり
ます。このことから、「差異のなかの統一」という意味もあります。

虹色のうちの5色は、民主主義アフロ・アメリカン運動のジェシー・ジャクソン師が
設立した公民権協会で用いた「人種の旗」のなかにも含まれています。

虹の旗は、80年代にイタリアの平和行進やデモンストレーションで広く使われまし
た。また、イタリアのボランティアが率いる海外での NGO 活動 (サラエボ、イラ
ク、コソボ、コンゴ) でもよく使われました。

2002年9月以降、イタリアで大成功を治めた「すべてのバルコニーから平和を」
(Pace da tutti i balconi) のキャンペーンでは、何万人もの人々がバルコニーや窓
から虹の旗を掲げ、「すべての戦争に反対、イラク戦争反対」という意思を示したの
です。

o 「平和の旗の由来」
http://www.comitatopace.it/materiali/bandieradellapace.htm
 を参考にしました。


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6)「アラブ文化芸術情報」No.2で紹介しましたドキュメンタリー映像
「ヤカオランの春~あるアフガン家族の肖像」
の上映会は、下記の通りです。

日時   10月15日(金)
     開場 午後1時30分
     上映 午後2時
     川崎けい子トーク 午後3時30分
     (2004年8月のアフガン女性の現状などを話します。)

会場   東京ウィメンズプラザホール
    (地下鉄銀座線・半蔵門線・千代田線 表参道駅下車徒歩7分)

参加費  1000円

主催   「ヤカオランの春」制作の会
問い合わせ tel/fax 03-3871-0539(川崎)
      tel/fax 03-3759-7920(中津)

阿部政雄20040912アラブ文化芸術情報(4)

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■             ■ 1)イラク、Al-Murwass劇団来日迫る!
■  アラブ文化芸術情報  ■ 2)『華氏911』必見の感動作
■   阿部政雄 No4  ■ 3)「日本の戦争」は戦争の悲惨さを追体験させる
■             ■ 4)「砂漠の王国、ヨルダン展」世田谷美術館で
■■■■■■■■■■■■■■■



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
●◆●1)イラク、Al-Murwass 劇団来日迫る!
イラク・バグダッドから Al-Murwass 劇団が初来日 !
!イラクの今! -バグダッドの街、バグダッドの演劇-
 アラブ文化芸術情報1号で紹介した Al-Murwass 劇団が10月初旬に来日する。

*会場:国際交流基金フォーラム
*前売:3,000円 当日:3,500円 学生前売:2,000円
10/7(木)19:00
10/8(金)19:00
10/9(土)14:00

*会場:タイニイ・アリス交流公演
*予約、問合せ:Tiny Alice(タイニイ・アリス)  新宿区新宿2-13-6-B1
                          (東京新宿2丁目仲通り)
10/12(火)19:00 アフタートーク           Tel/Fax 03-3354-7307
10/13(水)19:00 アフタートーク
10/14(木)19:00 アフタートーク

*会場:千種文化小劇場(ちくさ座)
*予約、問合せ:NPO法人ちくさ座の会      名古屋市千種区今池5-3-2
10/19(火)19:00                 今池中日ビル4F 劇座内
10/20(水)14:00&19:00              Tel&Fax 052-733-0444

*会場:アリス零番館-IST
*予約、問合せ:Alice零番館-IST     大阪市中央区南船場1-16-2-B
10/21(木)19:00                     Tel 06-6261-2827
10/22(金)19:00                   yukist@plum.ocn.ne.jp
10/23(土)19:00
10/24(日)15:00&19:00

 イラク劇団の受け入れで中心的な役割を果しているタイニ―・アリス代表者の西村
博子さんは、「戦火をくぐってきた人たちですから、その舞台にはきっと、私たちの
まだ知らない“メッセージ”がいっぱいつまっているにちがいありません。どうぞイ
ラクの劇団初来日に倍旧のご支援を賜りますようお願い申し上げます」と訴えている。

バグダッドからの来日劇団
   劇団名:Al-Murwass Group Folklore and Modern Arts

 劇団は1999年、Mr. Jabar Al Sadi と演出家 Mr. Muhammad Shaker と、Mr.Dalal
Muhammadの3人によって創立。2000~01年、バグダッドおよび Albadia の Al Watani
劇場で上演活動をしてきた。今回の戦争の一応の終結後、同じメンバーが「新しい方
法と美しい絵」を標榜しグループを再建。その表現形式は、伝統的な民族楽器を使い、
歌や踊りもふんだんに採り入れながら、しかしまったくモダンなものだという。

タイトル:“Massage Carried by ship from Iraq ”
      (「イラクから、船乗りたちのメッセージ(仮訳)」)

メンバー:計20人
作 :Jabar Abid Muhammad Al Saadi, Smaail Fadhil Salom, Salah Abid Al Hasan
演出:Muhammad Shaker
俳優:11人(演出家も俳優を兼ねる)
楽器奏者:6人。ほかはグループ・リーダー、照明等スタッフ。

内容:舞台は、イラク南部のフォークロアで、船乗りたちが舟を漕ぎながら、農夫や、
海から糧を得ている水夫や、インドへ貿易に行く商人について、あるいは破壊された
バクダッドやいろいろな出来事について、あるいは音楽の起源について、観客に
――音楽の調べに乗りダンスもまじえながら――伝えていくものという。

バグダッドには、かの有名な物語「千夜一夜」があるが、その「船乗りシンドバッド」
――今は成功した老船乗りシンドバッドが同じ名前の若い船乗りに、かつて自分の経
験した七つの危難、冒険談を話していく――を踏まえた、少なくともその心意伝承を
活用した作品である。

共催:国際交流基金
助成:日本芸術文化振興基金
後援:TBSラジオ&コミュニケーションズ
協力:日本演出者協会 国際演劇協会 日本近代演劇史研究会

★★★★★★★★★★★★★★★★

イラクの演劇活動についての紹介(1)阿部政雄

「イラク戦争」以前に、イラクの演劇界にも若干触れてきた経験をもとに、その寸描
を試みたい。

           アラブ民衆の間に人気の高い演劇

 イラクやアラブ諸国では現代演劇など殆どないと思っている人が多いのではないか。
ところがどういたしまして、エジプト・シリア・レバノン・パレスチナ・イラクなど
では演劇は民衆の間で極めて人気が高く、その運動も盛んである。10年ほど前に、
カタールでも現代劇が上演されている事情を写真とともに短かく紹介したことがあっ
た。イラクは中でも大変演劇活動の活発な国である。

 その理由はなんだろうか。ひとつには、総合芸術として歴史を裏付ける多彩な舞台
装置や演技者の衣装、また歌や踊り、詩の朗読まで含む科白など、文字の読めない民
衆まで含め、舞台の感動を直接(じか)に受けることが出来るからだ。

 その演題は、アラブ諸国では事欠かない。メソポタミヤ文明時代の「ギルガメッシ
ュ叙事詩」(5000前の世界最古の文学―神話ではない!)や数々の甘美な恋愛詩まで
含めた古代ファラオ(エジプト王)時代の物語り、シェヘラザードの語りによる中世
の千一夜の語りなど、歴史物語、「義経記」のような英雄譚も豊富。それに、シンド
バッドの冒険に見られるようにそこに登場してくる国々も華やかだ。

 現代劇の中にも、イラクの中世のバグダードの宮邸で権力争いが続いている中で、
突如蒙古の大軍に襲われ、愛国的イラク人はことごとく牢獄に繋がれてしまう。終幕
で牢をぶち破って出てきた解放軍が掲げていたのが、三色のパレスチナの国旗であっ
た。この劇全体がパレスチナの民族的抵抗への支援の表明でもあったようだ。1982年
の国際演劇デーを記念して、ラシード劇場で上演されたのを見た。

 この劇で印象に残ったのは、王宮内での王、王妃、廷臣、官女たち、それに一般庶
民の衣装が本場ものだけあって、まるで、中世黄金のアラブ文明のまっただ中にタイ
ム・スリップしたような思いに浸った。日本の服飾文化の専門家者も、ピエール・カ
ルダンら欧米のファッションなど欧米の服飾ばかりでなく、西欧の服飾文化の源泉と
もいうべきアラブの服飾を研究すべきだと痛感した。

 まず、名作映画『バクダッドの盗賊』の鑑賞をお勧めしたい。中世のアラブの絢爛
さを視覚的に知る一番いい方法は、ビデオ・レンタルの大手 TSUTAYA でサイレント
時代の名作映画『バクダッドの盗賊』(1924年作)を借りられることをお勧めする。

 映画史上に残る巨大セットと豪華な衣裳の見せる世界観と、エンターテインメント
性豊かな見せ場で2時間20分はあっという間に過ぎてしまう。

 バクダードの王宮で、美しいお姫様の婿選びがおこなわれ、ペルシアの王子、イン
ドの王子、モンゴルの王子が、それに紛れてバグダッドの盗賊も登場。自分こそ姫を
と宮殿を訪れる。悪役、モンゴルの王子を好演するのは日本人俳優、上山草人、ポパ
イのように顎のしゃくれた名優だった。

 ペルシアの王子は未来を予見する水晶玉を、インドの王子は空飛ぶカーペットを、
モンゴルの王子は死者を蘇生させるリンゴを手に入れる。

 バグダッドの盗賊もまた、火を吐く竜と果敢に戦い、苦心の末、身を隠す衣を手に
入れるのだったが・・・・・・

 ダグラス・フェアバンクスの不死身のヒーローぶりがウリのこの「ファンタジー娯
楽映画」は、アラブの文化の奥行きを楽しみながら学びとる貴重な名作。

 このバグダード宮殿の婿選びの展開は「竹取物語」のかぐや姫の婿選びとそっくり
なのが興味津々である。モンゴルの王子が魔法のりんごを入手せんと訪れるのは『ワ
ークワークの国』と中世アラブ世界で知られた日本のこと、というワクワクさせるエ
ピソードなどがちりばめられている。・・・

 いや、いけない、いけない。つい千一夜物語り風に脇道にそれてしまった。この話
しの続きはこれから、5~6回イラク劇団が日本滞在中続けるつもりなので、まずは
次回のお楽しみに。

 『バグダッドの盗賊』白黒映画であることが残念だが、こんなストーリーが日本の
舞台で見られたらと思うのは『真夏の夜の夢』だろうか。


---☆★急報★☆---
☆Alice通信 No.2☆ 2004.09.11が届きました。
(この通信希望の方は直接、下記の Tiny Alice にメールで申し込んで下さい.

No.2
――榴華殿の「のら猫」――

――バグダッド「イラクから、船乗りたちのメッセージ」――

☆恒例の Alice Festival 2004 in Tokyo。おかげさまでゴキブリコンビナート、淵
野尚プロジェクトと好調にすべり出し、いまその第3弾・川松理有作・演出の「のら
猫」が公演中です(あと2回!)。期せずして韓中日、言葉の通じないメス猫?たち
の楽しい競演となりました。野良猫に餌をやったことのある人なら、きっと……です。
ぜひのおいでを!

☆ 大阪・アリス零番舘-ISTの Alice Fes in Osaka ももうすぐオープン。
続報しま~す。

★☆★☆
バグダッドから初めて劇団「アルームルワッス」が日本にやって来ます。東京、名古
屋、大阪の3都市疾走公演、ぜひ支援してください。

シンポジウム「イラクの今!―バグダッドの街、バグダッドの演劇―」
モハメッド・シャカール演出「イラクから、船乗りたちのメッセージ」

10月6日(水):シンポジウム at 国際交流基金フォーラム
問合せ:基金舞台芸術課 鈴木勉 Tel:03-5562-3530
10月7日(木)~9日(土):公演 at 国際交流基金フォーラム〈同上〉
10月12日(火)~14日(木):交流公演 at タイニイ・アリス
10月18日(月)      :シンポジウム at 名古屋女性会館
10月19日(火)~20日(水):名古屋千種文化劇場(通称 ちくさ座)
問合せ:NPO法人円形劇場ちくさ座の会 052-733-0444
10月21日(木)      :シンポジウム at アリス零番館-IST
10月22日(金)~24日(日):公演 at アリス零番館-IST

☆ イラクの演劇復興を支援してくださる方、求めています。メール「見てください
支援してください」をあなたのメル友に送っていただきたいのです。
問合せ:tinyalice@tokyo.email.ne.jp

Tiny Alice NPO ARC
東京都新宿区新宿2-13-6-B1
Tel/Fax:03-3354-7307
tinyalice@tokyo.email.ne.jp
http://www.tinyalice.net

Alice零番館-IST
大阪市中央区南船場1-16-2-B1
Tel:06-6261-2828、06-6261-2876
yukist@plum.ocn.ne.jp

☆ご好意による転送大歓迎!
☆もし転送を受信されて、これから Alice通信を見てやろうと思ってくださったら、
お手数ですが、メールアドレスをお教えください。喜んでこれからご送信申し上げま
す。
☆もしメールご無用の方は、お手数ですが、その由ちょっとご返信下さいますように。
以後、メーリングを慎みます。



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●◆●2)話題の大作映画「華氏 911-FAHRENHEIT911」は必見

 『華氏911はカンヌ国際映画祭最高賞パルムドール、たしかに、国際批評家連盟
賞ダブル受賞の真価はあったと思った。

 独特のユーモアのユーモアとブッシュの偽善への大胆な切り込み、最愛の息子、子
どもたちを失った母親の嘆き、怒りが胸にジーンと迫る。フトこの映画を見て、B2
9の空爆に爆死された級友、南海の果てに少年航空兵として死んでいった仲間を思い
出した。とくに、ブッシュ2世とビンラーディン一家の結びつきも判った。それにム
ーア氏がアメリカの議員につぎつぎと「あなたは何故息子を戦塲に送らないのか?」
とマイクを向けたのも痛快だった。エンターテインメントの要素もある。とにかく感
動の大作、必見だと推賞したい。(M.A)

 必見の大作映画「華氏 911」
メインキャスト:ジョージ・ブッシュ(第43代アメリカ合衆国大統領)
監督・脚本  :マイケル・ムーア(「ボウリング・フォー・コロンバイン」)
製作年    :2004年/製作国:アメリカ

わたしの下手な映画批評より、多くの人びとがメール上で「見事にまとめられた感想」
と「メッキーさんの評をよんで、観る予定だった時期を前倒しました」etc.と共感を
寄せられた、どすのメッキーさんの優れた文章を紹介させて頂く。
(メッキーさんは、「爆弾はいらない 子ども達に明日を!」
http://homepage2.nifty.com/mekkie/peace/iraq/
という反戦、平和、文化に関する多彩な素晴らしいホームぺ―ジを開いていられる。)

◎?◎?◎?◎?
  福井では2日前から公開が始まった「華氏911」を今日一番の
上映で見てきました。

 最後のクレジット直前「僕ももうだまされない」というムーア監
督の言葉が流れたとき、観客10人に満たない映画館で、私は目を
真っ赤に晴らしながら手を叩いていました。

 「プロパガンダ映画」という世評とは反対に、斜に構えた誇張や、
観念的な結論に逃げ込むこともなく、むしろ抑制された印象を受け
ました。

 911の瞬間、WTCの崩れる映像のかわりに流される、小学校
訪問中のブッシュ大統領が絵本を膝に抱えたまま、硬直して徐々に
表情を変えていく様は、一種緊張感にあふれていました。生き生き
した市民の声とブッシュ大統領や政府要人の芝居がかった発言の対
比も見事です。

 ブッシュ政権とオサマ・ビンラディン一家との結びつき、戦争特
需に群がる米資本、ブッシュ大統領が米国のほこりと持ち上げる現
役兵や退役兵をいかに冷たく扱っているかにも重点が置かれます。

 米国を信頼しイラクに送った息子を戦死させてしまった母親が、
自分の悲しみ、悔しさをぶつける相手を見つけるいきさつは感動的
でさえあります。

 貧困層で活発に兵士のリクルートが行われる一方で、子どもをイ
ラクに派遣した上下院議員は1人しかいない。ムーア監督は、議員
こそ子どもを戦場に送って国民にお手本を、と直訴して歩きます?
一般的にはこうした手法(たとえば、人質の変わりに小泉が行け!
とかいう要求)を私は賛成しないのですが、悪意を持たぬままイラ
クに送られ、戦死し、あるいは「魂を奪われ」た若者と家族の無念
さを見た後では、ムーア監督の悲しみと怒りに胸を打たれました。

 結局ムーア監督の呼びかけに応じた議員は一人もいませんでした。
その後、ムーア監督は一気にたたみかけるように、バラバラだった
糸を繋ぎあわせます。「当然だ。誰が自分の子どもを差し出したい
と思うだろう。」

 911以後、世界は報復の連鎖に巻き込まれた、と今でもよく言
われます。しかし、911から3年目を迎える今、私達は改めて問
い直さなければなりません。誰の誰に対する報復だったのか?と。
戦争の真の目的は敵に勝利することではなく、継続すること、現体
制を無傷で維持することだ。「報復」も「大量破壊兵器」同様、名
目に過ぎないことを確認しなければ。

 この映画を見もしないで「プロパガンダ映画は見ない」と非難す
る小泉首相や、それに追従する自称「評論家」は猛省してほしい。
仮に「プロパガンダ」でも、この作品は貧しい人たち、持たざる人
たちの命を守るメッセージが明確です。戦争を美化し、他文化への
偏見を助長してきた多くのハリウッド映画こそ、「プロパガンダ」
の批判にふさわしい。

 ブッシュ政権の4年間で命や人生を奪われた人達にとって、この
4年間が長い悪夢で、目が覚めたら普段どおりに家族みんなでの生
活が戻ってきたとしたら、どんなにいいだろう。しかし、そうでは
ない。すべてまごう事なき現実だ。その悲しみ、悔しさを共感し、
前へ進むための映画だと思いました。

◎?◎?◎??◎?



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
●◆●3)「日本の戦争」は戦争の悲惨さを追体験する宝庫
「戦争を見つめ、戦争を考える」
(1) 日韓併合への道
(2) 朝鮮半島植民地支配の実態
(3) 太平洋戦争への道 中国大陸侵略
(4) 太平洋戦争と東南アジア
(5) 太平洋戦争と沖縄
                     制作  東映株式会社教育映画部

   わたしの戦争体験から、この「日本の戦争」を
         自衛隊員を含め全国の人々に見て欲しい。

「芝居は一日の早学問」という。いや「名作映画は一日の早学問」と言ってもいいと
思う。

 先号でも紹介したが、忌まわしい「ザック、サック、サックという軍靴の音が日に
日に高まっていく感じのする今日、日本の戦争の実態を知ることがますます大切にな
ってきた。

 小生が小学校に入る頃までは、まだ大正ロマンの雰囲気は残っていて、懐かしい思
い出も多いが、生まれた年の昭和3年には満州で張作霖の爆殺事件が起り、小学校3
年の年に日中戦争が勃発。真珠湾攻撃により日米戦争が始まった昭和16年12月8日が
中学一年であった。生まれた時から、17才の夏まで、戦争が激しくなる中で軍国少
年として育っていったと言えよう。

      “皇軍”の中国での蛮行を聞かされた時の衝撃と苦悩

 しかし、ドキュメンタリー映画「日本の戦争」に描かれていた日本の皇軍の中国大
陸での蛮行の数々は、実は勤労動員されていた中学4年の秋の16才の時(いまから、
還暦の年齢にあたる60年前)に知ってしまった。

 軍需工場での昼の休みのおり、一年上の上級生が、嫌がる小生に無理やり聞かせた
衝撃的な「昨日北支から帰った兄貴の土産話」は軍国少年だった小生には生涯忘れる
ことのできない大事件であった。それは「東洋平和のため」という“聖戦”に携わっ
ているはずの日本の兵隊が中国の民衆の家に乱入し、食糧を強奪し、女性を木にくく
りつけ輪姦して、果ては銃剣を突き刺して殺すという、とうてい、信じられない話で
あった。

 中国の民衆に歓迎されているとばっかり思っていた当時16才のわたしの衝撃は、
9.11事件などとは比較にならない強烈なものであった。足元の大地が裂け、その
中に悲鳴を上げながら、まっ逆さまに墜落していくような恐怖感を抱いたのであった。

 しかし、その心の深い傷を徐々に癒していったのが、当時夢中になっていた古今の
名著の読書であった。

 だから、戦後、大戦中の中国や東南アジアでの日本軍の支配の実態を知りたいと思
い、断片的であったが、色々な映像を見ようとした。しかし、この「日本の戦争」シ
リーズは「太平洋戦争やそこに至る道のりを描き、戦争に明け暮れた日本の近・現代
を見つめる」教育映画用に企画されただけに、必見の貴重な映像である。

   第一回上映会で見た人びとの感想
 この映像は8月23日、大井町駅前の品川区総合区民会館小ホール「きゅりあん」で
上映された。以下は、その折、この映画を見た人々から寄せられた感想である。

63歳(女性)
 学校の授業では、江戸時代までで、現代史は教えられていないし、自分でも勉強し
なかったので、日本のしたことをきちんと知っていなかった。また最近、日中合作の
自主制作映画「チンパオ」を観て、こんなことがあったのかと初めて知った。ほとん
どの人は、自分で意識して勉強しない限り、学校で教えないので、きちんと教える必
要を感じた。

63歳(女性)
 父や母も話してくれなかったし、学校では教えていないことなので、語りつなげな
ければいけないことだと思った。さらに、この映画を若い人たちにぜひ、観てほしい
と思った。

59歳(女性)
 いつもと違う映画だと思った。あそこまで極端かなあと思った。あまりにもひどい
ので過激に感じた。
 1作だけ観れば違った感想を持ったかもしれないが、5作の映像を観ながら「本当
だったのだろうか」と信じられなかった。逆宣伝とも感じてしまった。満州の話しは、
はじめて知った話しだった。
 戦争は、宣伝戦でもあると思う。あの日、観に来た人たちは、少なくとも戦争を肯
定している人たちではないと思う。私も、どちらかといえば、思想的には、左のほう
だと思っているが、あれを観て、頭では分っていながら、そこまでやったとは思われ
なくて、自分に冷水を浴びせられ、正気に戻されてしまったようだった。分らなくな
ってしまった。そうは言っても、この映画は、いろんなところで、多くの人に観ても
らうことが必要だと思った。

31歳(女性)
 先ず思ったことは、先日の中国でのサッカーの試合で、(中国側の)サポーターが
騒いだことに対して、なんで騒ぐのだろうと分らなかった。しかし、この映画を観て、
日本があんな酷いことをしていたんだ、原因があって、中国では日本のしたことを教
育していて、日本への反感が出たのだと分った。しかし、日本では、原爆の被害のこ
とは語られるが、アジアで日本がしてきたことについては知らされなかった。中国で
の大量虐殺は、ナチのやったことと同じだなあと、分った。

____

 小生は以前にも書いたが、あの悲惨だった15年戦争から3つの貴重な教訓を学び
ことができたと思っています。
 この3つの教訓とは、
1)自分の未来を他の権力によって勝手にねじ曲げられてしまう不条理
2)全然罪ない者同士が殺しあわされ悲劇
3)最後に勝利するのは真実
 しかし、あの戦争によって学んだ最大の教えの中で、一番強い力をもっているのは、
真実であると言うことでした。

 日本帝国主義は、中国大陸を制覇しようとしたのですが、何しろ広大な領土です。
結局、点と線しか支配できず、まして、日本は侵略軍であったので、毛沢東の共産党
率いる中国民衆の頑強な抵抗にあい、また、絶対的な物量を誇るアメリカ軍に対して
も竹槍的な精神力だけでは到底相手になりませんでした。神州不滅を呼号した日本帝
国も、祖国防衛と言う中国、アジアの民衆の力に敗北してしまったのです。この姿は
イラクを軍事占領し、その資源を独占しようとするブッシュ政権の狼狽ぶりに良く似
ています。

 米英と日独伊と言う帝国主義が我が物顔でのし歩いていた第2次大戦時代と違って、
第2次大戦後の世界は、とにかくアジアアフリカ諸国が独立を達成し、大国の意のま
まに兵を差し出すような国は極めて少数となりました。イラク占領、中東支配を企む
アメリカの不当な政策に対して、世界の大国は批判的で、有志同盟も櫛の歯が欠ける
ように先細りになり、英、仏、独など西欧主要国では、大統領選では、7割はケリー
支持、ブッシュには僅か20%代の支持しかないという事実は象徴的です。

 ということは、今のアメリカでは、戦時中の日本に似て、自からが世界最大のテロ
国家にも関わらず、他国の正当な民族自決権に基ずく抵抗運動を”庸懲”する十字軍
気取りで、軍需産業、石油産業の利潤追求の覇権主義を突っ走っています。その姿は、
正に”東洋平和”のための”聖戦”を唱えて侵略戦争を拡大した戦前の帝国主義日本
が辿った自滅の道に外なりません。自国を奪い取られ、愛する人びとを殺されていイ
ラク国民のレジスタンスは、ますます激しくなっていくでしょう。

 そうしたアメリカの暴走を食いとめ、われわれにとっても、その政策に盲従する日
本を破滅の道から救うためには、何よりも、真実を知ることです。この意味から、日
本人はもちろん、アメリカ人もそれぞれの国が過去に行ってきた侵略戦争の数々を冷
静に見つめ直すことが大切になってきています。大井町の「きゅリあん」で「日本の
戦争」を見た人びとの感想文にあったように、戦争の虚しさ、残虐性ばかリでなく、
戦争が兵士たちの人間性すら奪ってしまうという恐ろしさを知ってもらうためにも、
このドキュメンタリーが全国の日本人に一人でも多く見てもらうことが大切であるこ
とを”しんがり戦中派”は痛感しています。
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 中津さんたちやこの映画の製作に携わった映画人の方々は、この映画が一人でも多
くの人々に見られることを望んでいます。それぞれの分野で、また地域でこの映画の
鑑賞運動が進むことを願って止みません。
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これらの作品を16m/mフィルム、またはビデオテープで有料貸し出しいたします。

問い合わせ先 オフィススリーウェイ
           中津義人  Tel/Fax: 03-3759-7920
                 Email: nakatsu@mxh.mesh.ne.jp
           川崎けい子 Tel/Fax: 03-3871-0539
                 Email: k-grim@fb3.so-net.ne.jp



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●◆●4)日本・ヨルダン国交樹立50周年記念行事

    「砂漠の王国 ヨルダン展」
      The Ancient History and Culture of Jordan

     知られざるアラブ世界 ~8000年の文化遺産
         世界最古の人形 日本初公開

    2004年9月18日(土)―11月7日(日)
      開館   午前10時~午後6時
      休館日  毎週月曜日、ただし、9月20日、10月11日は開館、
           9月21日、10月12日は休館
      主催   世田谷美術館、NHK、NHKプロモーション、
           ヨルダン・ハシェミット王国大使館
      協力   ANA、ロイヤルヨルダン航空

      観覧料  一般 1200円(100円/950円)
           高・大学生 700円(600円/500円)
           小・中学生 200円(150円/100円)
           65歳以上 400円(300円/250円)
        *( )内は、前売り/20名以上の団体料金
           障害者割り引きあり
      観覧券は世田谷美術館窓口、ぴあ破格酒プレ以外で販売
       (前売りは9月17日まで)


     ★☆★☆★☆★☆

 国土の80%以上が沙漠で、塩分が非常に濃いことで知られれている死海がある中
東の国、ヨルダン.紀元前8000年頃には、ヨルダン渓谷で人類最古の載る行が営
まれ、重要な交易路として様々な文化が往来したこの土地には、数多くの遺跡が残さ
れています。そして、ぺトラ遺跡に代表されるナバテア王国のよう名ヨルダン固有の
文化と周辺諸国の文化、遊牧と定住農業の西活、それぞれを細やかに織りまぜつつ、
穏やか風土を築いてきました。

 本展覧会では、日本初公開となるアイン・ガザル出土の世界最古の人形を筆頭に、
40~50万年前に遡る旧石器時代から、7世紀頃のウマイヤ朝までの発掘品を中心
に、ヨルダンの歴史と文化を広く紹介します。


●講演会
日時:10月16日(土)午後2時~3時30分)
 「私のヨルダン調査:遊牧民の期限を追い求めて」
講師:藤井純夫(金沢大学教授)
会場:世田谷美術館
定員:当日先着 150名/入場料:300円

日時:10月2日(土)午後2時~3時30分)
 「アラブ古典音楽 レクチャー・コンサート」
 楽器、音楽、リズムなどを紹介しながら、アラブ音楽の名曲、タクスーム(即興音
  楽)などを演奏します.
出演:ル・クラブ・バシュラフ、松田嘉子(ウード)、竹間ジュン(ナイ&レク)、
   のみやたかこ(だるぶっか)
会場:世田谷美術館
定員:当日先着 150名/入場料:500円

問合せ:ローダイアル(展覧会のご案内):03-5777-8600

世田谷美術館 SETAGAYA ART MUSEUM
〒157-0076 東京都世田谷区砧公園1-2
TEL. 03-3415-6011

阿部政雄20040906アラブ文化芸術情報(3)

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■             ■ 1)「テロリストとは誰か」
■  アラブ文化芸術情報  ■ 2)「インベルベルの日本人」記録映画
■   阿部政雄 No3  ■ 3)壮大な鎮魂歌「日本の戦争」全5巻 全国上映を
■             ■
■■■■■■■■■■■■■■■


1)「テロリストは誰?」上映会

日時:9月11日(土)17時半開場、18時開演
場所:市川教育会館ホール
(JR本八幡駅・都営新宿線本八幡駅より徒歩6分)
(全10本のうち、アカデミー賞受賞作「嘘まみれのパナマ戦争」を含む
6本のドキュメンタリーを上映・約70分)
定員:120名

テロリストは誰?(2004年アメリカ)    監督:フランク・ドリル
  原題:WHAT I'VE LEARNED ABOUT U.S. FOREIGN POLICY
     (THE WAR AGAINST THE THIRD WORLD)
  制作:グローバルピースキャンペーン
     「この世で最大の暴力請負人は我が国の政府である」
      (マーティン・ルーサー・キング Jr. 牧師)

 「2001・9・11同時多発テロ」は、戦争中毒国家アメリカ合州国に「テロとの戦い」
というとんでもなくふざけた口実を与えてしまった。しかし、もし仮に当節の大統領
がジョージ・W・ブッシュでなかったとしても、アメリカによるイラク、アフガニス
タンへの侵略行為が行われていた可能性は高い。イラク攻撃・侵略の現状は、ベトナ
ム侵略戦争同様、アメリカが1945年以降一貫してとり続ける犯罪的外交政策の延長戦
上にあるのであって、「特別なケース」あるいは「一度だけのミス」などでは決して
ないのだ。見過ごしてはならない、明白な軍事的手段以外の、CIAによる他国干渉
まで含めると、アメリカがこの六十年間、他国を侵犯しなかったことなど一度もない
のだから。終止符を打たなければならないのは、ブッシュ政権だけでなく、アメリカ
の歴史的犯罪的外交政策全体なのである。「第二次大戦以降、最大の犯罪は米国の外
交政策である」(ジョンソン政権下の司法長官ラムゼー・クラーク)。

 本作『テロリストは誰?』が暴露する、アメリカの第三世界に対する悪逆非道な人
種差別的外交政策は、今さらながらに衝撃的だ。そして何よりも問題なのは、肝心の
アメリカ人自身がこうした海外に於ける米軍の所業を全くと言っていい程知らされて
いないことに尽きる。
 十本のドキュメンタリー映像の内訳は以下の通り。

1)「マーティン・ルーサー・キング Jr. 牧師」
2)「元 CIA 高官ジョン・ストックウェル」
3)「影の政府:憲法の危機」
4)「隠蔽工作:イラン・コントラ事件の裏で」
5)「スクール・オブ・ジ・アメリカズ:暗殺者学校」
6)「経済制裁による大量虐殺」
7)「東チモールの大虐殺」
8)「嘘まみれのパナマ戦争」
9)「ラムゼー・クラーク元米国司法長官」
10)「ブライアン・ウィルソンの癒し」
日本人なら必見の作品群です。

【[noforce.7864]  上映会感想】
初めまして。今回が初の投稿になります石井と申します。。

さてタイトルにある通り、今日、赤坂区民会館にて「テロリストは誰」の上映会をや
っていて、それを観てきたのでその感想を少し。

おおまかな内容は、冷戦期間中アメリカがどのようにして第三世界の民主的に選ばれ
た政権を転覆させてきたのか、CIAの果たした役割は、その背後にある動機は何か、
そしてメディアはそれをどのように伝えたかというもの。経済制裁下でのイラクの荒
廃についても触れていて、全て9・11以前の話ではありますが、現在進行している
事も全く同じ直線上にある話だと感じました。かなり多岐に渡る内容でしたが、世界
中のいたる場所が墓地になっていった様を克明に綴っていて凄惨な内容でした。主流
のメディアでは決してみる事のできない事実のオンパレードでした。

全部を紹介しようとすると、とても長くなってしまうので、一つだけ印象に残ったチ
ャプターについて感想を書こうと思います。

80年代のエルサルバドルで、貧民の味方たろうと軍事独裁政権に意義を唱え続けた
オスカル・ロメロ大司教が、アメリカの傭兵育成学校(拷問を推奨)で訓練を受けて、
アメリカに武器を供与された部隊によってミサの最中に殺された事件。この件につい
てはある人の著作で何度も目にしていて知っていたので、とくに印象に残っているの
ですが、その本の中でも語られていた通り、アメリカ人の誰もがロメロ大司教の名前
を知らない。逆に共産圏下で反体制派を貫いて弾圧された人々は英雄として記憶され
る。このことがアメリカの知識人文化を象徴していると。プロパガンダが完璧に機能
していると言う事を表す事件だと思いました。

インドネシアの東ティモール侵攻についても触れていて、76年の併合宣言の時、そ
の事実が40秒だけニュースで流れ、それから23年間全てのメディアから消え去っ
た事。そしてその間インドネシア軍は暴虐の限りを尽くして、日本を含む先進各国も
それをあらゆる面で支援していた事などについても紹介していました。

本当に豊富な内容でとても紹介しきれないのが残念ですが、一人でも多くの人に見て
ほしい映画だと思いました。映画を目にできる機会は余りないかも知れませんが、こ
の映画の本がでているとのことだったので、ぜひ読んでほしいと思います。
               (転載おわり)
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2)ドキュメンタリーフィルム 「インベルベルの日本人」上映の会

講演:「サハラに学ぶ」 Lecons au Sahara
講師:小堀 巖氏(国際連合大学 上席学術顧問)
上映:ドキュメンタリーフィルム「インベルベルの日本人」Le Japonais d' In Belbel
製作:プロコム・インターナショナル社(アルジェリア)(仏語版日本語字幕付)

日時:平成16年9月14日(火)18時00分
講演:18時00分~19時00分
上映:19時10分~20時00分
会場:日仏会館1階ホール 東京都渋谷区恵比寿3-9-25 TEL:03-5424-1141
入場料:一般1,000円、学生500円(会館・協会会員と協力・後援団体関係者は無料)
主催:(財)日仏会館・日仏協会
協力:日仏地理学会、日仏理工科会、日仏工業技術会
後援:日本-アルジェリア・センター、日揮、トヨタ財団、
   アルジェリア大使館、国際連合大学、フランス大使館科学技術部

「1961年以来、サハラ・オアシスのFoggara とよばれる水利体系の調査のため何回も
現地を訪れ、その一つのまとめとして、私の思想を含む記録映画「インベルベルの日
本人」が製作された。この40数年の間、研究を支えてくれた日本、フランス、アル
ジェリアなどの多くの友人に感謝しつつ、幾つかのエピソードを交えて私の歩んだ道
程を紹介したい。」(小堀巖)

*講師略歴
    1924年生。東京大学理学部大学院修了。
    東京大学東洋文化研究所/理学部(1949-1985)、
    三重大学人文学部(1985-1987)、明治大学政経学部(1987-1995)で乾燥
    地域の水問題の研究と後進の育成に従事。
    その間、Michigan大学客員教授(1972)、パリ日本館館長(1982-1984)を
    務めた。1995年以降は国連大学本部で学術顧問として、主として環境問題
    (特に沙漠)を中心として国際的なNetwork作りの助言を行っている。
    例、UNESCOとのMarginal Dry Lands Project(→2007)、EUのFoggara
    Project(→2007)。大学外の活動として、日仏協会評議員(1976-2003)、
    日仏地理学会会長(1975―2000)、日本沙漠学会会長(1990-2000)、国際
    半乾燥熱帯作物研究所(インド、1976-1982)及び国際乾燥地域農業研究セ
    ンター(シリア、1996-2002)の理事等を務めた。

問合せ:(財)日仏会館・日仏協会
    東京都渋谷区恵比寿3-9-25
    TEL:03-5424-1141
    URL:http://www.mfjtokyo.or.jp
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3)ドキュメンタリー「戦争を見つめ、戦争を考える」(全5巻)の上映会を
   全国的に展開しよう。
   (FOR A WORLD FOR THE PEOPLE OF THE CHIDREN OF THE WORLD)

 (この記録映画は8月23日月曜日に大井町のきゅりあんでの「戦争を見つめ平和
を考える映画の集い」で初公開された)

 満州における「張作霖の爆破事件」の年に生まれ、日中戦争、大平戦争と引き続く
戦争の中に、餓えと労働と、米軍機の機銃照射の脅怖に見舞われた旧制中学高学年の
勤労学徒だった小生には、この記録映画は人ごとどころか、当時の自分、級友たちの
悲しみ、そしてささやかな思い出が走馬灯のように甦り、胸を締め付けた。

 約3時間に近いこのドキュメンタリーがスクリーンに映す優れた映像、音楽、ナレー
ション、とりわけ、その圧倒的な真実の力で、わたしの魂は揺さぶられ続けた。終戦
後に作られた数々の独立プロの名作にも劣らぬ、いやそれを上回る重厚な鎮魂歌、叙
事詩と思った。正に真実の迫力であった。

 河野衆議院議長は朝日の中で「戦争の歴史、先輩に学べ」、「若い議員は自分の見
える範囲は深く突っ込んでよく知っているが、そのことが全体の中でどういう位置に
あるのか、考えている人があまりいませんね。」と警告されていた。

 この戦争で亡くなった3000万にも近い戦争犠牲者が、日本の国会議員に沈痛の
思いを込めて訴えているような気がする。議員諸公に是非、議員会館でこの映画を見
て、真剣に討議頂きたい。過去を知らずして日本の未来像などできないではないです
か。いまのような日本の政治の流れでは、草葉の陰で、地団駄踏んで慟哭していると
思うと悲しい。(阿部)


「戦争を見つめ、戦争を考える」
(1) 日韓併合への道
(2) 朝鮮半島植民地支配の実態
(3) 太平洋戦争への道 中国大陸侵略
(4) 太平洋戦争と東南アジア
(5) 太平洋戦争と沖縄
    制作:東映株式会社 教育映画部

 これら5本の映画は1990年代半ばに迎えた終戦50年目を境に、太平洋戦争やそこ
に至る道のりを描き、戦争に明け暮れた日本の近・現代を見つめてみようと教育映画
用に企画され、制作されたものです。

 教育映画は授業時間内で先生が利用しやすいように30分を超えないとか、タイト
ルも内容が一目で分るように工夫するというノウハウがあります。これら5本もそう
した配慮の下に制作されています。そのため、5本の各タイトルは非常に直截で、テ
ーマが戦争のため、激烈な印象を与える結果となってしまいました。しかし、内容は、
冷静に戦争に至る道や戦争で行われたことを見つめています。

 5本を順に通して見てみると、ある必然性がはっきりと浮かび上がってきます。明
治維新後、欧米列強に肩を並べんと、あらゆる近代化を急ぎ成し遂げていった日本が、
その道のりの中で朝鮮半島や中国大陸に資源と労働力と市場を求めて侵略の手を伸ば
し、その結果、激しい抗日の戦いには武力で臨み、さらには、欧米列強と利害でぶつ
かって戦争となり、勝てばさらなる侵略へと進み、より激しい抗日の戦いに対して、
より残虐な殺戮で押さえ込み、泥沼化した中国大陸での戦争に勝つために、東南アジ
アにまで侵略の手を拡げなければならなくなり、ついに、世界を相手に戦争をしなけ
ればならなくなって、その終着駅が1945年(昭和20年)の廃墟と化した日本であった、
という破滅への道の必然です。

 どんな戦争にも、必ず起こる原因があり、その原因は様々ですが、戦争の顔は、ど
れも惨く同じです。そして、最後は破滅であることも同じです。歴史は、それを示し
ています。アフガニスタンでの戦争も、イラクでの戦争も、パレスチナでの戦争も。
そうした意味で、戦争を見つめ平和を考える一つの力でありたいと望み、日本の戦争
シリーズを教育映画の枠を超えて、一人でも多くの人に見てもらいたいと思っていま
す。                        (脚本・監督) 中津義人
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1、日韓併合への道(30分)

    地図の上 朝鮮国にくろぐろと 墨をぬりつつ 秋風を聴く (石川啄木)

 1910年(明治43年)大韓帝国の名前が世界地図から消えることになる。日韓併合。
日本による本格的な朝鮮半島の植民地支配の始まりであった。しかし、韓国を併合す
るまでには、実に35年もの長い道のりがあった。

 江戸時代、日本は鎖国をしていたが、朝鮮とは国交を保っており、使節団が相互を
往来した。朝鮮から日本へ来た使節団を朝鮮通信使と呼んだ。

 幕末の激動する政治情勢の中で、朝鮮通信使は途絶えた。明治新政府は朝鮮に国交
の再開を望む国書を送った。しかし、その内容が朝鮮国王を日本の天皇の下に見下す
ものであったために拒否される。日本は軍艦を派遣し、武力衝突を引き起こした。こ
れが雲揚号事件である。

 日本は朝鮮と江華条約を結び、釜山、元山、仁川を開港させた。日本の朝鮮侵略へ
の第一歩であった。

 こうして朝鮮半島では、権益を巡って清(中国)やロシアと次第に争いが激しくな
っていき、やがて、日清戦争や日露戦争となる。さらに、日本に対抗する閔妃を暗殺。
朝鮮統監府から総督府へと支配を強め、その間に起こる甲午農民戦争などの反日の戦
いに軍隊を送って制圧。しかし、民衆の戦いは止まず、安重根に伊藤博文が暗殺され
る。そして、併合後には国中に反日の嵐が吹き荒れた。3.1万歳運動である。

 明治維新とともに日本が歩みだした近代化への道。欧米列強に肩を並べんと富国強
兵、殖産興業を目指した近代化が日本にとって光とすれば、朝鮮支配はその道のりに
ついて廻る影であった。しかし、朝鮮にとって日本の光は国家と民族を否定する刃で
あり、しかも、その刃の犠牲にされる謂れは何もなかったのである。


2、朝鮮半島植民地支配の実態(28分)
 1910年(明治43年)、朝鮮半島を植民地とした日本は、まず土地調査事業を開始
した。それは農民から土地を奪う政策であった。土地を失った農民たちは満州に流れ、
また日本に渡った。そして、急速に発展した日本の各産業の最先端で働く低賃金労働
者となっていった。そこでは、賃金差別や職業差別、民族差別に耐えなければならな
かった。

 関東大震災では、「朝鮮人が暴動を起こしている」「朝鮮人が放火、強姦、井戸に
毒を投げ込んでいる」という流言に怯えた民衆が武装自警団を組織し、朝鮮人狩りを
行い、6千人を越える朝鮮人が殺害された。

 1931年(昭和6年)、日本が中国侵略を開始すると、朝鮮半島はその後方支援基地
の役割を担わされ、戦争に必要な木材や鉄鋼、金属などの地下資源の採掘が盛んとな
る。そして、皇国臣民化政策を強行し、皇民化教育により言葉を奪い、創氏改名によ
り名前さえも奪った。そして、募集という名の強制連行をも開始した。

 1941年(昭和16年)、太平洋戦争に突入すると朝鮮半島に徴兵令を公布する。朝鮮
半島では老いも若きも、男たちは日本の兵隊や労働力として狩り出されたのである。
そうした強制連行、強制労働の足跡は日本の各地に今なお痕跡を留める。

 オホーツク海に面した北海道猿払村浅茅野。ここでは海軍の飛行場建設のため千人
近い朝鮮人労働者が連れてこられ、僅か2年の間に100人以上が亡くなっている。
過去帖には、かつて生きていたときの証として名前だけが延々刻まれている。

 美唄炭鉱。ここでも爆発事故やこの地方を襲った集中豪雨でタコ部屋が流され、多
くの朝鮮人労働者が命を失っている。

 長野県松代。本土決戦に備えて大本営をここに移す計画が密かに実行され、7千人
あまりの朝鮮人労働者が連れてこられた。工事は極秘で進められたため、犠牲者は闇
から闇に葬られ、その真相は未だ明らかになっていない。掘り進めた坑道の岩壁に故
郷や家族を偲ぶハングル文字が今も残る。

 日本に強制連行された朝鮮人は70万人とも、100万人とも言われている。そし
て、日本の敗戦前夜、在日朝鮮人は236万人に達していた。戦後、その多くは祖国
に帰ったものの、サハリン・旧樺太の朝鮮人は引き揚げの対象から外され、そのまま
取り残された。その数、4万3千人。

 ソウルにあるKBS(韓国放送公社)では、肉親からの便りや未だ行方のわからな
い肉親の消息を尋ねる放送を流している。「お父さん、何処に生きていらっしゃるの
ですか。この放送を聞いたら、ぜひ連絡を下さい。母は、お父さんだけを待ちながら、
今も故郷で暮らしています。」KBSの電波は、過ぎ行く時の中で、今日も、極東の
空を駆け巡っている。


3、太平洋戦争への道 中国大陸侵略(30分)
 1931年(昭和6年)満州事変が起こる。これは関東軍の陰謀による計画的な軍事行
動であった。国内では「満蒙は帝国の生命線である」と国を挙げて叫んでいた。

 中国大陸侵略の道のりは、遠く日清戦争に遡る。勝利した日本は遼東半島、台湾、
澎湖島を日本の領土とした。しかし、ロシア、ドイツ、フランスの三国干渉で遼東半
島を清国に返還する。次第に帝政ロシアの力が強まる中、権益拡大を目指す日本は、
ついにロシアと衝突。日露戦争である。これにも勝利した日本は、朝鮮半島での独占
的支配権とロシアが建設した南満州鉄道、そして、三国干渉で還した遼東半島の租借
権を手に入れる。1910年(明治43年)の日韓併合で中国進出の土台を固める。

 1914年(大正3年)第一次世界大戦が起こると、日本の経済は重工業を中心に飛躍
的に発展。しかし、1929年(昭和4年)世界大恐慌が始まると、日本経済もたちまち
行き詰まり、倒産が続出。失業者が溢れ、農村では生糸や米の値段が暴落。娘の「身
売り」が相次いだ。その状況下で肥沃な大地と資源を持つ満州、膨大な市場である中
国大陸は、日本の経済を根底から支えていた。

 一方、中国国内では1925年(大正14年)第一次国共合作がなって国民政府が樹立。
蒋介石率いる国民革命軍が北伐を開始し、日本軍に迫っていた。これに対し日本は、
「満州は生命線」と位置づけ、中国東北部を中国本土から切り離す「満蒙分離政策」
を推し進める。

 満州事変は、そうした政策を具体化させる軍事行動であった。僅か5ヶ月で満州全
土を占領すると、清朝最後の皇帝愛親覚羅溥儀を元首とする満州国を樹立し、中国か
ら分離独立させる。世界は、これを日本の傀儡政権として認めず、いっせいに日本を
非難。日本は国際連盟を脱退する。

 こうした日本の武力侵略に中国各地で抗日闘争が繰り広げられ、各地で日本軍によ
る虐殺事件が起こる。撫順市の平頂山虐殺事件では3千人近い村人が非業の死を遂げ
た。

 また、日本は大勢の農民を満蒙開拓団として満州に送り込み、結果、中国の農民か
ら土地を奪うことになり、こうしたことがますます反日闘争を激化させていった。

 そして、1937年(昭和12年)北京郊外の蘆溝橋で日中両軍が衝突。本格的な日中
戦争の開始であった。日本軍は北京、天津を相次いで占領。上海では無差別都市爆撃
を行い、ついに南京をも陥落させる。その南京では敗残兵狩りを名目とした虐殺が行
われた。

 こうして日中戦争は泥沼化し、それから手を引く機会を逸した日本は、ついに1941
年(昭和16年)南進政策の下に、太平洋戦争へと突入していったのである。


4、太平洋戦争と東南アジア(29分)
■太平洋戦争の開始 1941年(昭和16年)12月8日未明、日本軍はハワイ真珠湾
を奇襲。しかし、その2時間前に日本軍はマレー半島上陸作戦を敢行していた。上陸
地点はコタバル。太平洋戦争は、コタバルから始まっていたのである。主力部隊はタ
イ南部のシンゴラやバタニに上陸し、東洋一の軍事要塞シンガポールを目指した。開
戦から僅か70日あまりでイギリス軍は降伏し、マラヤとシンガポールは日本の占領
地となった。

■占領下のマレー半島 「天皇陛下ノオオサメニナル日本ハ世界ヂュウデ一バンリッ
パナ国デス」と書かれた当時の日本語教科書がマレーシア国立公文書館に残る。日本
は生活習慣や教育、言語にいたるまで日本への同化を強要した。そして、授業を受け
る子どもたちは毎朝朝会で「君が代」を歌わなければならなかった。当時を語る呉志
超氏。「占領した後、日本は東南アジアの民衆を解放するためだと言った。しかし、
それは間違いだ。日本人が来てやったことは暴力と弾圧、虐殺だった。とても、開放
などではなかった。」

■なぜ、東南アジアにまで侵略したのだろうか その大きな要因は日中戦争である。
中国側から描いた映画『バトル オブ チャイナ』(監督フランク・キャプラ1944年ア
メリカ)は抗日民族統一戦線の成立、そして抗日の戦い、蒋介石支援ルートによる英
米の支援などを描くとともに、日本の支配が点と線でしかなく、泥沼化していく様子
をも詳細に描いている。日本は泥沼化する日中戦争の打開を南進政策に求めた。その
目的はゴム、スズや鉄鉱石、石油という東南アジアの豊富な資源の確保とビルマから
雲南省を経て重慶にいたる蒋介石支援ルートの遮断であった。

■シンガポール大検証とマレー虐殺 シンガポールを占領した日本軍は華僑義勇軍、
共産党員、抗日分子、重慶への献金者などの摘発を目的に中国系住民を対象とした検
証を行った。良民と判断され、「検」のスタンプが押された者だけが帰され、疑いの
ある者は拘留された。拘留された人々はシングラップの浜辺で殺された。こうした検
証と虐殺はマラヤでも行われた。クアラルンプールの少し南にあるパリッティンギ村。
ここでは675人の村人が殺された。うち250人近くは子どもであった。葉一苟さ
んはその虐殺から奇跡的に助かった。身体にはその時銃剣で刺された傷跡が7ヶ所も
残っている。スンガルイ村では列車に乗ってやってきた日本軍が村に火を放ち、小さ
な赤ん坊まで銃剣で殺した。今はないイロンイロン村では1474人が殺された。大
勢の中国系住民が抗日軍ということで殺され、その犠牲者の数は未だ掴めていない。

■元日本兵の証言 元日本兵、三宅元次郎さんは、400人ぐらいの中国系住民がゴ
ム園で虐殺されるのを目撃した。「日本軍の将校は、ただいまより大元帥閣下の命に
よりこれを殺す、と言うと軍刀で首を落とした。血柱が2、3メートル吹き上がった。
シューと音と立ててな」「人として、人間として、ほんとうは話したくない。日本の
恥、日本人の恥やからな。」元日本兵、三宅元次郎さんの言葉は重く響く。


5、太平洋戦争と沖縄(35分)
 太平洋戦争の末期、日本で唯一の地上戦となった沖縄。米軍の戦史は伝える。
「ありったけの地獄を一ヶ所にまとめたような戦闘であった」と。

■アメリカの反撃と日本軍の敗北 開戦以来、破竹の進撃を見せた日本軍。しかし、
日本より戦力の面ではるかに勝るアメリカが大量の航空機、艦船、近代兵器を使用し
て反撃に転じた。日本は1942年(昭和17年)6月のミッドウエー海戦の敗北以後、
各地で敗退を繰り返していった。敗因は航空戦力の劣勢であった。日本の工業生産力
は長引く日中戦争で消耗していた。総動員体制の下、「欲しがりません勝つまでは」
を合言葉に「金属供出」と「勤労奉仕」により航空機や兵器の増産に努めたが、アメ
リカの生産力に太刀打ちできるはずもなかった。

■沖縄戦の予測と沖縄守備軍の強化 1944年(昭和19年)の夏、連合国軍のマリア
ナ作戦が開始され、サイパンが玉砕すると、大本営は米軍の沖縄進攻を予測し、沖縄
守備軍の強化を計る。満州や中国大陸、千島、樺太、日本内地から実戦部隊が続々と
沖縄に移動して来た。総勢6万7千。沖縄では全島要塞化に向け、飛行場建設や陣地
の構築が進めらていった。

■B-29の本土空襲 そうした中、東南アジアや太平洋では日本軍の敗北が続いて
いた。太平洋の島づたいに日本本土に迫ってきた米軍はマリアナ諸島にB-29の基
地を設営。そのB-29による空襲が1944年(昭和19年)の暮れから始まった。19
45年(昭和20年)3月には硫黄島が玉砕する。そして、日本の殆どの都市がB-2
9の爆撃で破壊されていった。

■開戦前夜 この段階で日本の敗戦は決定的であった。しかし、大本営は本土決戦を
叫び続けた。そして、沖縄では時間稼ぎのために長期の持久戦を展開する作戦が立て
られた。根こそぎの総動員体制が敷かれ、13歳の少年や70歳の老人まで狩り出さ
れた。中等学校生は鉄血勤皇隊に、高等女学校生は学徒看護隊に、女子青年団は救護
班にそれぞれ組織されていった。沖縄守備軍約10万の内、その3分の1が臨時召集
や学徒隊などのにわか仕立ての兵士だった。

■開戦 こうして沖縄は戦いの日を迎えた。1945年(昭和20年)4月1日、米軍本
隊は沖縄本島宜野湾読谷、北谷の海岸に上陸開始。海は米軍の艦船で埋め尽くされ、
黒々としていたという。地上戦闘部隊18万3千、艦船約3千、補給部隊を合わせる
と54万の大部隊であった。日本軍の反撃は一切なく、米軍は首里を目指して南下。
米軍の通過する村々ではガマ(洞窟)に隠れていた村民たちが集団自決を計った。
「生きて虜囚の辱めを受けず。死して罪過の汚名を残すことなかれ」日本軍の戦陣訓
に基づく自決であった。

■死闘 日本軍は浦添丘陵に主力部隊を配置して米軍を待ち受けた。死闘の攻防戦が
始まったのは4月8日。猛烈な砲撃を加えてから戦車部隊と歩兵部隊を突撃させて来
る米軍。日本軍は地下陣地から迫撃砲や機関銃で応戦し、夜になると闇にまぎれて肉
弾攻撃を行う。この血で血を洗う激しい攻防戦はおよそ50日間繰り広げられ、5月
下旬まで続いた。日本軍の戦死者約6万4千名。全兵力の8割を失い、壊滅した。浦
添丘陵に残る嘉数の塔の碑文は伝える。『物量を誇るアメリカ軍の大軍、宜野湾に上
陸す。迎え撃つ日本軍は兵器甚だ劣勢にして唯日夜肉弾、また肉弾。ここ嘉数の丘に
玉砕す』

■持久戦と肉弾 日本軍はあくまで持久戦で臨む作戦をたて、隆起珊瑚礁の自然洞窟
がたくさん存在する喜屋武半島に撤退。それに伴い各野戦病院では閉鎖とともに重症
の負傷者の処置命令が出された。それは青酸カリによる自殺であった。海軍部隊は南
部への撤退作戦に同調せず、陸戦隊1万名が小碌飛行場に立てこもって米軍を迎え撃
ち、6月3日から10日間激戦の末、大田司令官以下自決し玉砕。陸海軍の航空部隊
は「菊水作戦」の名で特別攻撃をかけた。目指すは敵空母。我突入す。これが最後の
言葉であった。延べ1900機が飛び立ち4千4百の若い命が散った。アメリカ軍の
350隻が被害を受け、1万名の米兵が命を落とした。こうした特攻は空だけではな
かった。海でも爆弾を積んだ特攻艇が敵の艦船に体当たりをかけた。陸でも手榴弾や
爆雷を抱いて鉄血勤皇隊の少年や救護班の少女が戦車に体当たりをかけた。負けると
分った戦いに、ただ時を稼ぐためだけの戦いに、空に、陸に、海に、爆弾を抱いた体
当たり戦法で多くの若い命が散った。それが沖縄の戦いであった。

■沖縄戦の最後 喜屋武半島での最後の戦いは、まさに地獄絵図さながらであった。
洞窟に潜む負傷兵や赤ん坊を抱いた母親、子ども、そして老人たちが黄燐弾やナパー
ム弾、火炎放射器などで焼き殺されていった。日本軍司令部のある摩分仁の丘は、丘
陵全体が砲弾と炎につつまれ、まさに鉄の暴風吹き荒れる丘となった。6月23日、司
令部壕に立て篭もる将兵が最後の切り込み攻撃をかけ、玉砕。こうして沖縄の戦いは
終わった。1945年3月末、沖縄の戦いが始まる時点で廃墟と化し、完全に敗北して
いた日本。その段階でなぜ、日本は降伏しなかったのであろうか。なにゆえに、大本
営は最後まで本土決戦を叫び続けたのであろうか。

 このページの文章の著作権は、中津義人にあります。無断転載を固くお断りします。
(中津さんの言葉にあるように、この映画についての転載は中津さんの許可を得て下
さい)
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これらの作品を16mmフィルム、またはビデオテープで有料貸し出しいたします。
問い合わせ先
   オフィススリーウェイ
      中津義人  Tel/Fax: 03-3759-7920
            Email : nakatsu@mxh.mesh.ne.jp
      川崎けい子 Tel/Fax: 03-3871-0539
            Email : k-grim@fb3.so-net.ne.jp
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阿部政雄20040830アラブ文化芸術情報(2)

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■             ■ 1)「アラブ映画祭2005」プレイベント
■  アラブ文化芸術情報  ■ 2)良書推薦『バグダッド・バーニング』
■   阿部政雄 No2  ■ 3)ドキュメンタリー映像 [ヤカオランの春」
■             ■
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■「アラブ映画祭2005」プレイベント

国際交流基金は2005年2月(予定)に「アラブ映画祭2005」を開催します。
そのプレイベント(9月2日(木)~4日(土))として、本講座ではこれまで日本
に紹介された作品を上映し、アラブ映画の世界へ第一歩を踏み出します。

★2004年9月2日(木)
16時30分 『放蕩息子の帰還』 
Awdat El-Iban El-Dhal (エジプト/1976年/125分)
監督:ユーセフ・シャヒーン 出演:ショクリー・サラハーン
『アレキサンドリアWHY?』とともに日本に最初に紹介された、エジプトの巨匠シャ
ヒーン監督の作品。1960年代末の社会を舞台に、製粉工場経営者一族の崩壊と、巣立っ
ていく若者らの姿を描く。

19時 『アレキサンドリアWHY?』
Iskandariah Leh? (エジプト/1979年/132分)監督:ユーセフ・シャヒーン 出演:
モフセン・モヒーディーン1942年の夏。地中海を臨む美しい都アレキサンドリアで、
ハリウッド映画やシェイクスピア劇に夢を抱く18歳の青年。彼の夢は戦火の到来とと
もに大きく蛇行していく。


★9月3日(金)
16時30分 『石の賛美歌』ベルギー/1990年/105分
Canticle of the Stones 監督:ミシェル・クレイフィ イスラエルに住むパレスチ
ナ人の日常生活の緊張感を捉えると同時に、恋人たちの再会という愛の物語を並置し
て、ドキュメンタリーとフィクションを交錯させた意欲作。91年山形国際ドキュメン
タリー映画祭特別賞受賞作。

19時 『D.I.』仏=パレスチナ/2002年/94分
D.I. Divine Intervention 監督・出演:エリア・スレイマン 出演:ジョージ・
イブラヒム ナザレに住むイスラエル国籍のパレスチナ人を描き、ユーモアと詩情に
溢れた作風でカンヌ映画祭審査員賞・国際映画批評家連盟賞をダブル受賞した話題作。
『D.I.』はすごい映画だ。中東の笑えない事態から笑いを噴出させる。」(池澤夏樹)

★9月4日(土)
14時30分 『他者』エジプト/1999年/101分
El-Akhar 監督:ユーセフ・シャヒーン 出演:ナビーラ・エベイド
歌と踊り満載のエンターテインメント作品だが、現代版ロミオとジュリエットのよう
な悲恋物語のなかに、欧米資本の導入や宗教問題など、エジプト社会が抱えるジレン
マも挿入されている。

15時45分 対談「アラブ映画入門」
とちぎあきら(東京国立近代美術館フィルムセンター、「地中海映画祭2000」作品選
定担当)×石坂健治(国際交流基金)

17時 『ガレリアの婚礼』(ベルギー=仏/1987年/110分)
Noce en Galilee 監督:ミシェル・クレイフィ 出演:アリ・モハメド・アキリ
厳重な戒厳令の敷かれたパレスチナの村落で、村長は息子の結婚式をアラブの慣習法
どおり夜を徹して行おうと決意し、イスラエル軍司令官に一晩だけの戒厳令解除を要
請する・・・。87年カンヌ映画祭国際映画批評家連盟賞受賞作。

会場:赤坂・国際交流基金フォーラム
東京都港区赤坂2-17-22 赤坂ツインタワー1F
東京メトロ 銀座線・南北線「溜池山王」駅12番出口より1分

主催 : 独立行政法人 国際交流基金

運営協力 : ぴあ(株)
フィルム提供 : シネマトリックス、フランス映画社、山形国際ドキュメンタリー
         映画祭実行委員会、(財)国際文化交流推進協会(ACE Japan)

入場料金
当日1回券800円、当日3回券2,100円(前売券はありません)
* JFサポーターズクラブ会員、65歳以上の方は、当日受付で証明書をご提示い
   ただければ、1回券600円、3回券1,500円になります。
* 国際交流基金映画講座2004-1、2004-2のいずれにも使えます。
* 初回上映の1時間前より会場にて販売します。(定員300)
* 対談は無料ですが、チケットをご提示ください。

【お問い合わせ】
映画講座事務局(ぴあ(株) PFF事務局内)Tel:03-3265-1425
【会期中のお問い合わせ】
国際交流基金フォーラム Tel:03-5562-4096(開催期間中のみ)
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国際交流基金(http://www.jpf.go.jp/j/index.html)では、この6本の映画の
スティール写真も見られます。

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良書紹介

   『バグダッド・バーニング イラク女性の占領下日記』
         _________ 

 バグダードは、アラビアンナイトの都として、また世界最古の人類文明の発祥地メ
ソポタミア文明を背景に中世の黄金のアラブ文明の中心として、全世界の人びとの胸
に宿っている。

 そのバクダードがいま炎上している。胸を締め付けられるような話。その爆発、火
焔の中で、年寄りも、幼い子ども、女も男も尊い命を奪われている。戦火を生き延び
た、24才の若い女性、リバーベンドが怒りを込めて、たんたんと語るこの書を読め
ば、予期しない苛酷な条件下に置かれたバグダードに住む、またイラクで暮らす人び
との、悲鳴、怒り、呟き、絶望、明日への夢などが、数千里の波濤を隔てて耳元で囁
かれるような気がしてきた。

 リバーベンドのビビッドな語り口は、第2次大戦直後に世界を席巻したイタリアン・
ネオリアリズムの傑作、反ファッシズム、反戦映画の『無防備都市』『戦火の彼方』
の映像を眼前に浮き上がらせた。いや待てよ、これは、沖縄の基地の人びとの今の苦
しみ、サマワで大義なき駐屯を強いられている日本人とその家族の不安と同じではな
いか。沖縄戦、広島、長崎の業火と違わないのではないか。

 この書物は私を、1959年の初夏一度だけ、お目にかかった大正時代の大歌人、
宮崎白蓮先生から頂いた薄い歌集に載っていた一首

     民族の悲しみは今、我に来て 昔、インドの苦しみを知る

 という歌の意味が鮮やかに蘇らせたくれた。
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イラクを殺戮と破壊の地にした者たちに、この叫びは届くのか

『バグダッド・バーニング イラク女性の占領下日記』(アートン刊)
                    
       著:リバーベンド  訳:リバーベンド・プロジェクト
                  体裁:四六判・並製、440ページ
                       定価:1575円(税込)
                    ISBN4-901006-75-4 C0031
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「今回の戦争は、大量破壊兵器をめぐる戦いとして始まった。その大量破壊兵器が発
見できず、証拠も根拠薄弱としか言いようがなくなると、突然“テロとの戦い”に方
向を変えた。そしてアル・カーイダやウサマ・ビン・ラディンとのつながりが立証で
きなくなると、今度は“解放”に転じた。好きなように呼んでもらってかまわないけ
ど、私にとっては“占領”でしかない」(本文より)

取ってつけたような大義名分の下、イラク戦争は始まった。そしてイラクは殺戮と破
壊の地になりはて、誘拐や略奪が横行する無法地帯となった。知人や親族が、いわれ
のない暴力の犠牲になっていく……。
リバーベンドは書いている。
「ブッシュが“テロリストに戦いを挑んだ”時、戦争は隔絶した山地や何もない砂漠
で戦われるのではないと言うべきだった。つまり、前線とは私たちの家……、そして
“付帯的損害”とは私たちの友人や家族のことであると」

破壊されていく我が国イラクに思いを馳せて傷ついた心。
米軍の家宅捜索によって味わった屈辱と怒り。
亡命イラク人が中心となった暫定政権に対する不信感。
誘拐や略奪に怯える日々。
治安悪化や社会の混乱のなか、仕事や学業をあきらめざるをえない状況に追い込まれ
ていく女性たち。

私たち日本人は、これらのことをどれだけ知っているだろうか。知ろうとしただろう
か。
占領下という状況のなか、リバーベンドの素性は、一切明らかにされていない。バグ
ダッドに住む24歳のイラク女性だという。リバーベンドというのはネット上の名前
で、その詳細は私たちの元にも届いていない。しかし、どこの誰が書いていようとも、
その綴られた文章に真実があるという確信の下、私たちは出版に踏み切った。


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本書には、ネット上に公開されたブログを、このブログが開始された2003年8月17日
から2004年5月22日まで掲載しています。
作者のリバーベンドは、イラク戦争前から緊迫化するイラク情勢を伝えて世界的にも
有名になったイラク人ブロガー、サラーム・パックスにメールを送りました。以来、
彼らは交流を深め、サラームの勧めにより、2004年4月9日のバグダッド陥落から約4ヵ
月後、リバーベンドは占領下のバグダッドを伝えるブログを始めることになりました。
戦前は個人の意思に委ねられていたヒジャーブ(女性のヘッドスカーフ)の着用の強
要、また着用せざるをえない不穏な治安。その状況はイラク女性の現在の立場を象徴
しています。

「信ずる宗教にかかわらず、14歳以上の女性はすべて結婚していなければならない」
という告示を出す自称宗教者が出現するなど、女性は社会の片隅に追いやられようと
している現状を、リバーベンドは訴えます。

この戦争がイラクにもたらしたものは、本当に“解放”だったのか。イラクの人々に
もたらせたという“自由”はいったい何なのか。
本書は、その疑問へのひとつの答えにもなることでしょう。

また、プロジェクトそしてリバーベンド自身の希望により、この本の印税の一部を
「リバーベンド基金」として積み立てることになりました。基金はリバーベンド・プ
ロジェクトが運営し、今後、イラク現地の女性団体、ストリートチルドレンの団体と
も連携しながら活用されていく予定です。
この件に関するリバーベンドとプロジェクトのやり取りについては、本書のあとがき
をご覧ください。

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≪プロフィール≫
著者:リバーベンド
バグダッド在住のイラク人女性として、2003年8月から、米軍占領下にあるイラクの
現状をインターネット上で書き綴っている。リバーベンドという名前はネット上の名
前。占領下という特殊な事情から、その素性はいっさいあきらかにされていない。緊
迫化するイラク情勢を伝えて世界的にも有名になったイラク人ブロガー、サラーム・
パックスとはイラク戦争前から交流があり、リバーベンドがブログを始めたのも彼の
勧めである。  http://www.riverbendblog.blogspot.com/

訳者:リバーベンド・プロジェクト
翻訳家、NGO活動家など9人で構成されている「バグダッド・バーニング」邦訳プロジェ
クト。リバーベンドの日記に心を動かされ、多くの日本人に読んでもらいたいとネッ
ト上で翻訳を進めている。
http://www.geocities.jp/riverbendblog/

定価:¥1、575(税込み)
書店にない場合は、
(株)アートン 〒150―0043 東京都渋谷区道玄坂1ー19ー9第一暁ビル
9F
    TEL。03ー5459ー2751 FAX  03ー5459ー3433へ


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ドキュメンタリー映像

「ヤカオランの春~あるアフガン家族の肖像」

 教師として生きようと決め、故郷の大地で家族とともに暮らす夢を抱き、祖国を担
う子どもたちの教育に人生を捧げようと、その一歩を踏み出した時、・・・・・・。
 「ヤカオランの春」は、そんな一人の男とその妻が歩んだ苦難の道のりを見つめた
映画です。必死に生きてなお、難民とならざるをえなかったある家族の歴史物語で
す。

内容

 アフガニスタンの中央部に位置するヤカオラン。この地区は、ソ連侵攻以来、幾度
となく激しい戦いの場となり、1998年以降は、タリバンと北部同盟の一派、イスラム
統一党との間で何度も争奪戦が繰り返された。住民は虐殺と略奪におびえ、戦火の中
を逃げまどった。
 アリ・アクバル、タジワール夫妻の人生もまた、悲嘆に満ちたものだった。2001
年1月には、タリバン軍による虐殺から奇跡的に難を逃れ、難民となってパキスタン
に脱出することを余儀なくされた。
 2003年春、教師のアリ・アクバルさんは、難民キャンプの学校で、自分のこれまで
の人生を子どもたちに語り始めた。それは、未来を担う子どもたちへのメッセージ
だった。

制作ノート

 この作品は、1999年からの取材をもとに、2002年の夏に本格的に準備をはじめ、
2004年1月に完成しました。ヤカオランでの取材は、秋、冬、春の三度にわたって行
われています。
 ヤカオランは、バーミヤンの石仏から西へ約100kmの地点にあります。首都カブー
ルからバーミヤンまでは車で約8時間、さらに、ガタガタの道を走ること数時間でヤ
カオランの行政府ナヤクに到着します。2002年10月に初めてナヤクを訪れたとき、戦
火の爪痕が生々しく、ゴーストタウンのようでした。
 戦火の中で辛酸を舐め尽くしたアリ・アクバルさんとタジワールさんの言葉は、平
和、人間の幸せ、平等、女性の権利、教育のあり方、国家と個人の関係等、さまざま
なことを考えさせてくれます。

企画・制作・監督:川崎けい子、中津義人 / 取材・写真:川崎けい子
脚本:中津義人 / 撮影:堀田泰寛 JSC、川崎けい子
音楽:蟠龍寺スタジオ / 吉田哲、児島由美 / モノローグ:高塚玄
ダリ語翻訳:駿渓トロペカイ/ ダリ語朗読:駿渓ナーデル
制作:「ヤカオランの春」制作の会
制作協力:RAWA
     (The Revolutionary Association of the Women of Afghanistan)
平成15年度東京ウィメンズプラザ民間活動助成対象事業
文部科学省選定(少年向、青年向、成人向)
日本映画ペンクラブ推薦

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平成16年度 東京ウィメンズプラザフォーラム参加 


      映像フォーラム「ヤカオランの春」開催


日時   10月15日(金)
     開場 午後1時30分 
     上映 午後2時
     川崎けい子トーク 午後3時30分
     (2004年8月のアフガン女性の現状などを話します。)
会場   東京ウィメンズプラザホール
    (地下鉄銀座線・半蔵門線・千代田線 表参道駅下車徒歩7分)

参加費  1000円

主催   「ヤカオランの春」制作の会
問い合わせ tel/fax 03-3871-0539(川崎)
      tel/fax 03-3759-7920(中津)
 
チケットのお求めは、上記問い合わせ先に電話で、または郵便振替でお申し込みくだ
さい。通信欄に枚数をご記入ください。貸し出しのお問い合わせもお受けいたします。

郵便振替口座名 オフィススリーウェイ
   口座番号 00100-0-352933

阿部政雄20040824アラブ文化芸術情報(1)

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■             ■ 1)エジプト大使館文化部アラビア語講座
■  アラブ文化芸術情報  ■ 2)魅惑のベリーダンスKamellia Show
■   阿部政雄 No1  ■ 3)「アラブ映画祭2005」プレイベント
■             ■ 4)イラク・バグダッドからAl-Murwass劇団初来日!!
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■1.アラビア語講座  主催:エジプト大使館 文化・教育・科学部

エジプト大使館 文化・教育・科学部が文化広報活動の一環として開講しており
ますアラビア語講座を下記の通り継続して行う運びとなりましたのでお知らせい
たします。
受講ご希望の方は、住所・氏名・連絡方法・学習経験の有無を明記の上、文化・
教育・科学部までお申し込みください。(定員各クラス15名)
期間: (9月・10月・11月・12月)週1回(全14回)
    9月6日の週より  スタート
    昼間コース:    月13:30-15:00    Step 2
            木13:30-15:00    Step 3
    夜間コース:    月18:30-20:00    Step 1(初心者対象)
            水18:30-20:00    Step 2
            木18:30-20:00    文化講座(Step3修了
                       経験者向け)
            (第2・第4木曜日のみ)
受講料:    アラビア語 1期分:¥3500.-(初回時に集めさせていただきます)
        文化講座  1期分:¥2000.-
場 所:        エジプト大使館 文化・教育・科学部内
        〒152-0031 目黒区中根2-19-12
        最寄り駅:東急東横線    都立大学駅より徒歩8分
                    自由が丘駅より徒歩15分
連絡先:    Tel:03-5726-0667        Fax:03-5726-0310
        e-mail: egyptcesb@tokyo.email.ne.jp

■2.魅惑のベリーダンス   Kamellia Show

  かってエジプト文化参事官も「これほどのベリーダンス舞踊家を見つけるのは
   難しいと言わせた国際級の芸術を披露
    アラブ・日本・韓国の伝統舞踊芸術の融合をみる

2004 ☆ 8月28日(土)
Kariat el Fengan~占い師~
世界的名声を得た故エジプトのAbdel Halim Hafez...
His last and perhaps, most famous songs.
カメリアならではのショー!草月ホールで (全席指定)
 090-3508-6860にご連絡下さい。

出演☆Kamellia / Guest dancer:Nenuphar、Barbee Mako、
   Emiko、Kazumi、Noel、Shala、Taeka、Ugajin

日時☆2004年8月28日(土)19:00開場/19:30開演 全席指定

場所☆草月ホール 港区赤坂7-2-21
   銀座線・半蔵門線・都営大江戸線 青山一丁目駅より徒歩5分

チケット☆前売¥4,000:5月24日発売開始(8月13日終了)
     当日¥4,500

ご予約☆ちけっとぴあ・0570-02-9988
    オリエンタルダンスカメリア・090-3508-6860
    ※受付時間はともに10:00~18:00です。

Hafezは若くして世を去ったアラブ世界で有名な男性歌手、映画スター。彼の最後の、
そして最も有名な曲『占い師』をテーマにしたステージです。
アラブ音楽への深い知識と経験を持ったKamelliaならではのショー!!
 (一昨年はアラビ語でウム・カルスームの歌を歌い、踊った)

「日本アラブ通信」のリンクーー ダンスアラベスク参照のことー


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■3.「アラブ映画祭2005」プレイベント

2004年9月2日(木)~4日(土)
国際交流基金フォーラム
国際交流基金は2005年2月(予定)に「アラブ映画祭2005」を開催します.
そのプレイベントとして,本口座ではこれまで日本に紹介された作品を上映し,アラ
ブ映画の世界へ第一歩を踏み出します.

9月2日(木)
16時30分  『放蕩息子の帰還』エジプト/1976/125分
19時     『アレキサンドリアWHY』エジプと/1979/132分

9月3日(金)
16時30分  『石の賛美歌』ベルギー/1990年/105分
19時     『D.I.』仏=パレスチナ/2002年/94分

9月4日(土)
16時30分 『他者』エジプト/


■ 4. イラク・バグダッドからAl-Murwass劇団が初来日 ! !イラクの今! ーバグダッ
   ドの街、バグダッドの演劇ー

   日本演出者協会・国際交流基金共催 シンポジウム

10/6(水)18:00~ 国際交流基金フォーラム
        (港区赤坂2丁目)
   ☆チケット予約&持参の方無料 シンポジウムのみ:1、000円

Al-Murwass Group; Folkkore and  Modern Asts
     Message Carried by ship from Iraq
       -ーイラクから、船乗りたちのメッセージー
 
 美しい娘シャハラザードが王様に毎夜語ったという「千夜一夜物語」。その「船乗
りシンドバッドの冒険」は、金持ちの老人シンドバッドが貧しいシンドバッドに、自
分の7回にわたる海の冒険を7夜にわたって話すというもの.もちろん8世紀半ばか
ら約200年、首都バグ脱兎をイスラム世界の中心とし,ペルシア湾からインド洋、
さらには南シナ海まで、海洋交易の一大ネットワークを築き上げたアラビア商人たち
の活躍が背景になっている.危険に満ち難破することもしばしばだったという当時の
航海に、しかし商港バスらには,つねに数百もの船が停泊していたという。

 劇団名のムルワッスはそのバスラ地方の伝統的な民俗打楽器.アラビアン・ナイト
の「シンドバッド」を踏まえたこの「イラクから、船乗りたちのメッセージ」も、バ
スラ地方の唄とフォークダンスとマイムで綴る冒険譚.セリフはないが彼らが運んで
くるメッセージはバスらの昔,バグダッド戦火の今を、言葉い所うに雄弁に伝えてく
れるだろうーーー。

*国際交流基金フォーラム  *前売:3、000円 当日:3、500円
                学生前売り:2、000円
10/7(木)19:00
10/8(金)19:00
 
10/7(土)14:00
  
*タイニイアリス交流公演     予約:問合せ:        
   (東京新宿2丁目仲通り)      *Tiny Alice(タイニイアリス)
10/12(火)19:00 アフタートーク  新宿区新宿2ー13ー6・B1
10/13(水)19:00 アフタートーク                Tel/Fax
03-3354-7307
10/14(木)19:00 アフタートーク
 


*千種文化小劇場(ちくさ座)       *NPO法人ちくさ座の会      
   (東京新宿2丁目仲通り)      名古屋市千種区今池5ー3ー2
10/19(火)19:00           今池中日ビル4F 劇座内
10/20(水)14:00&19:00    Tel/Fax 052ー733ー0444


*アリス零番館ーIST                       *Alice零番館ーIST
10/21(木)19:00                 大阪市中央区南船場1ー16ー2ーB
10/22(金)19:00          Tel.06-6261-2827
10/23  (土)19:00                   yukist@plum.ocn.ne.jp
10/24  (日)15:00 & 19:00
 
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     イラク演劇を支援する会からの お願い

1)来日公演を成功させるために、是非チケットを買って下さい.見て下さい
     最小限度に切り詰めた予算のほか、すべてムルワ劇団/イラク演劇界にお渡し
します。
2)お友だち、お知り合い屁.どうぞこのイラク演劇の来日と支援の呼び掛けをお伝
 え下さい.
3)別に、郵便講座を開きご寄付も募ります.1口1、000円より.どうぞご協力、
ご宣伝をお峯が言い足します、(振込み料金:1万円まで70円)         
     口座番号00180ー6ー37124  口座名称  イラク演劇を支援
 する会

 ーすべてアルームルワッス劇団およびイラク演劇界にお渡ししますー
  


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日本アラブ通信
http://www.japan-arab.org/
日本とアラブの事が総合的にわかるサイト

阿部政雄
masao-abe@hi-ho.ne.jp
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